
ヨハニス・デ・レイケ。明治時代に日本にやってきて、各地の河川工事や砂防工事や築港工事をやりまくった凄いオランダ人、という程度の認識しかみんな持ってないと思う。もちろんわたしもそうだっだ。実はデ・レイケの一生ってかなりびっくりなので、土木関係者もドボク関係者もこの本はぜひ読んだ方がいい。
以下にびっくりポイントを列挙。
●デ・レイケは何と30年間も日本で仕事をした
●「これは川ではない、滝だ」は、彼の発言が誤って伝わったものらしい
●学歴も階級的なうしろだてもないのに、がんばって異例の出世を遂げた
●自然材料を多用するオランダ式の工法に対して、派手に鉄材を使うイギリス人技術者たちの執拗な攻撃があった
●一生の親友だった同僚の土木技術者エッシャーの息子は、だまし絵の画家エッシャー
●デ・レイケが 先に帰国したエッシャーにあてた手紙の山を解読することから筆者は埋もれていた大量の情報を掘り出した
今まで、明治に来たオランダ人は自国流の低水路工事しかやってなくて、明治政府が鉄道の方に力を入れはじめるるとさっさと引き上げてしまった、みたいな書かれ方をしたものしか読んだことがなかったので、そんなものかと思っていたが、実は全然違ったのだった。
というかデ・レイケ以外のオランダ人はわりとあっさり帰っちゃうのであるが、彼だけはずーっと踏みとどまって近代的河川改修をせっせと続けているのだ。とりわけ淀川と木曽川の現在の姿の基本は彼が作ったものである。この地方の人はもっとデ・レイケに感謝するべきた。この地方限定で2000円札にしちゃってもいいくらいだと思う。デ・レイケ札、どうか。
「これは川ではない、滝だ」の誤解の件はネタバレになるので書かないよ。
ところでオランダといえば子供の頃に「オランダせんべい」というのをよく食べた記憶があるのだが、あれは何だったのか、と思ったら今でも売ってるらしい。東北地方限定発売なので見ないわけだ。
オランダせんべい
名前の由来を読んで脱力した。