
陸上最大の移動物体といわれる、巨大重機F60(エフ・ゼヒツィヒ)。
なんじゃそりゃ、というひとは前に書いたのを読んで。
見たらわかるのでいちいち書くのもアホらしいが、やはりとてつもなくでかかった。この写真はほんの一部だ。全景は撮れない。いや、もちろん、引いて撮れば撮れないことはないが、引きすぎになってしまって写真にならない。とにかく東京タワーを横倒しにしたものよりでかいのだから仕方がない。分割して撮っておいたので、そのうちスティッチングでつないでみよう。

しかし。こんなもん動かそうと思うかね普通。
しかもこいつ、そうは見えないが電車だ。1000馬力のディーゼルエンジン16基搭載で爆音とともに動く、みたいなんだったら逆に納得しやすいかもしれないのだが、そんな乱暴者ではない。この巨体がレールの上を電気でしずしずと動くのだ。動いているのを見たわけでないのであくまで想像。車輪の上にちっちゃいモーターがたくさん載っているのがわかるだろうか。
何で電動なのかと言うと、F60が稼働する褐炭の露天掘り鉱山(Tagebau)のそばには火力発電所があって、そこでは掘った褐炭をガンガン燃やして発電しており、電気がとっても豊富な土地柄なのであった。マッチポンプというやつか。
それで今回、現地に行って教えてもらってわかったのは、F60は褐炭そのものを掘るためにあるのではなくて、表土を削り取るためのものなのだった。それがわかるまで、F60が何をやっているのか、全くわからなかったよ。なにしろせっかく掘ったものをベルトコンベヤで500メートル先にまき散らしたりするのだから。
では褐炭を掘っているのはどんなやつか、というとさすがにここまで巨大ではないが、それでも十分に巨大な自走式の重機(Kettenbagger)たちである。もうほとんどユンボルの世界だが、これはまた次回にお見せする。
メーカのTAKRAF社って東独時代の会社(VEB:人民公社)と思ってたら、統一後もちゃんと存在してるのであった。
http://www.takraf.com/
いいなあTAKRAF。Tシャツとかあったら絶対買う。