Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

上美唄水門

しばらくは北海道の水門シリーズをお届けしようと思う。あれ?筑後川のシリーズが中途のままだったのではないか、と言われたらその通りである。なにしろ日本は意外に広いのだから仕方がない。

上美唄水門。

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写真をクリックすると、Panoramio上のわたしの写真に飛びます。

位置情報と必要以上に大きな写真は、お手数ですがいつものように上の写真をクリックして、Panoramioから見てください。

一見、何の変哲もない水門に見えるが、上美唄水門はいろいろとクセモノ水門で、結論から言うととても面白かった。わたしだけがひとり面白がっていたわけではなくて、今回ご一緒した水門プロのお二人もしきりに首をひねっていらしたので、本当に変わった水門なのだと思う。まず、カラーリングのコンセプトが崩壊していることはすでにみなさんもお気付きの通り。

北海道の水門は、これまではずっとあられもないオレンジ色であった。こんな感じ

ところが、最近はそんな標準色ばかりじゃいかんという考え方が台頭してきて、個性重視が進んでいるらしい。上美唄水門はかなり人里離れたところに建っているにも関わらず、個性化の最先端を行っていた。その結果としてのオシャレな緑色。車で言ったらブリティッシュ・レーシング・グリーンみたいな色だ。大人の男の遊びを感じさせる色だろう。

しかし、全部大人の遊びの色にすると何かと不都合が起きるのか、らせん階段と管理橋の高欄だけ、それぞれ別の色で残したのであろう。その結果、かなり不思議な配色になってしまってとっても個性的である。

ディテールも魅力満載。
まずらせん階段。

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水門プロが階段をチェックしているのを勝手にスケール代わりにさせてもらいました。ごめんなさい。それにしてもコンクリの土台は何でこんなに浮いているのでしょうか。まさか堤防の方が沈下してるってことはないでしょうね。

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らせん階段自体はとっても素敵。

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上屋の中央にいきなり扉があって、そこに直接、はしご階段が取り付けられているのだが、それがちょっとすごい。わたしは高いところはかなり平気な方だが、それでもここから降りるのは躊躇すると思う。

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で、降りたら降りたでこうなので、もっとコワい思いをしそうだ。最近できた水門だったらこんなワイルドな階段は許されないのだろう。つまり防護用にいろんな部品がごてごてと付加されるので、こんなすっきりシンプルな階段はもう存在できないのだ。シートベルトが義務でなかった頃の昔の車には今でもシートベルトを付ける必要がないのと同じことで、上美唄水門ではこれでもいいのだろう。

世の中がどんどん安全方向にシフトするために、モノの形状はどんどん複雑化しているのだ。良いの悪いのという判断は別として、とにかく一般的な傾向はそうなっている。

管理橋の高欄にはこんなプレートが付いているもの。ちょっとバランス悪いぞ旧美唄川。

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反対側には橋の名が。

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観月橋かよ!

またずいぶんと大きく出たもんだ。こんな水門にくっついている橋で、しかも水門の北側にある橋で、お月見などはやりにくいのではないか。他人事ながら心配になる。


実は他にもいろいろと謎やツッコミどころがあったが、きりがないので省略。周囲の堤防も何となく元気がなくて、こんなところに何でこんな立派な水門が?という、よくわからない感がただよう。

こっちは水門が守っている側だから堤防は低くていいのか、とは思うが、だとするとゲートの裏表が逆のような気もする。

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ま、とにかくよろしく頼むぞ上美唄水門。

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あ、そういえば松本さんに扉体がオレンジ色だった頃の写真をもらったんだった。では最後にご覧ください。昔の彼女、まるで別人じゃないか。

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photo by Yoshiyuki Matsumoto

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Junichi SATO

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[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

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