Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

上野カワウソ・今週のドナウ(4)

お待たせしました。今週のドナウです。何でチロルはさん付けで、ドナウは呼び捨てなのかw。

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特に意味はないです。チロルはプライドが高そうな顔なので、ついついさん付けしてしまいますが、ドナウはこの通り、実に庶民的な雰囲気。バイエルンの小太りの兄ちゃん、って感じなので敬称略じゃ。


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まあ、基本的に気さく。


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と思って油断していると、いきなりはしごを上りはじめました。


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おお!「飛び出せ水槽」に続くアクリルパイプの中に進入!


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ね、小太りでしょw。


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前足は動かしません。後ろ足キックで推進力を確保していることがわかります。


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カワウソにしてはコロコロしてるなあ。アナグマみたい。


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「飛び出せ水槽」に抜けた、と思ったとたんに反転。しっぽが方向舵の役目をしています。あ〜頭がフレームアウト!


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本体は消えてもしっぽは残る。あっという間の出来事でした。


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プハー。

えさもないのによくあっちまで泳いだね!

キーパーさんの話によると、ドナウはえさでは釣られないそうで、むしろ掃除の際にホースから出る水から逃げるために、飛び出せプールまで行くようになっちゃったんだそうです。これは「オペラント条件付け」ではどう考えたらいいのでしょう。うまくえさで釣られて飛び出せプールまで行くようになった(正確に言うと、飛び出せプールに行ったらえさがあった)のを「正の強化」が起きたことになるとします。しかしホースの水、という嫌悪刺激が与えられたのにもかかわらず、飛び出せプールに行くことが強化されてしまっているw。これって行動随伴性としては「負の弱化」でも、「正の弱化」でも「負の強化」でもないですよね。言わば、ねじれ強化か? いや、きっとわたしのオペラント条件付けの理解の方がねじれているんだと思うので、読まなかったことにしてください。


・・・


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お客さんを意識してます。サービスショットです。


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定位置でプカプカ。

手を添えてるところがお客さんにウケてました。添えてないと、うとうとしたときに流されるんだよ。


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はい。おまちかねのドナウの下あご。このように白いんです。濡れているとピンクです。


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下あご左側にわずかに黒い部分があるのですが、口を開かないとわかんないですね。


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右側は真っ白です。それにしても、これってどんな表情かw。


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先週から気になっていたのですが、結構高い位置(150センチぐらい)にある渡り板に、フンがあります。要するにサインポストです。キーパーさんによると、ドナウが中央部の丸太をよじ上ってここまで来ているのでは、とのこと。これがあるおかげで一般のお客さんは「くさい」を連発しますが、ちゃんとカワウソとしてやることやってんだから、このあたりが魚臭いのは実にめでたいことじゃないか!(ちなみにここはもっともお客さんのこない場所で、わたしのチロドナ観察の定位置の、真ん前です。すぐ鼻が慣れてしまうのでぜんぜん臭いが気になりません。むしろいい臭いだと思うw)


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ユーラシアのくせにコロコロしてるなあ。ちょっと痩せたら?


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ねむねむ〜。

Trackback

猫が好き♪ | URL | 2011年06月24日 23:45
 カワウソってば、わりとカメラ目線をするものなんだろーか、とか思ったおれ。神経質なものだから思わず見てしまうってことなんだろうなあという理解のが正しいかもしれませんがー。
カシワヤ | URL | 2011年06月24日 23:49
先生コンバンハ。
何が原因とは言えアクリル潜入目撃おめでとうございます。
でも慣れた頃にはふくしまへ帰っちまうんだろうなぁ・・
ドナウはふくしまでもあっちの石をどかしたり、
こっちの草を引っこ抜いたりとアクティブだったので、
見ていて飽きのこないユーラシアですね。
プラスの行動ではなくマイナスの要因でアクリルへ行くことを覚えたドナウ。
彼にとってアクリルスペースはどんな位置づけなんでしょうかね?
ゆうこ | URL | 2011年06月25日 12:23
チロル&ドナウの見分け方、よくわかりました〜!!
なるほどなるほど。
これでもうバッチリですね♪
Rei | 2011年06月26日 15:20
先ほど上野ズーから帰宅いたしました。
午後2時半という、昼寝をしててもおかしくない時間帯に
カワウソ舎に到着したので、ドナウの定位置である
金網手前の木の穴の中でぐーぐー寝てると思いきや・・・
あれ、いない?

カワウソ好きの娘が「ドナウ、いないねぇ」と言っていると、
後ろの巣穴からポチャンと登場!なんて運がいいんだ。
わが娘!

お客の前をプカプカ泳いでおりますと、なんと「飛び出せ水槽」
のプールへ。そしてあっという間にずんぐりむっくりな体を
我々に披露しながら、水槽の中に落ちていたエサの魚を
拾ってむしゃむしゃと遅いお昼ご飯をたべておりました。

今日のドナウの様子を見る限り、あまりマイナス要因は感じられず
水槽の方に泳いでいっている様に見えました。
(お、ここは結構おもしろいぞ?という感じで。)
おまけに水槽に続くアクリルパイプの上に座って魚を
ムシャムシャと食べておりましたので、意外に水槽が
気に入ったのかもしれません。

来週はもっと「飛び出せ水槽」で泳ぐドナウを拝めるかも
しれませんね。でもチロルは眠っているのかまだ一度しか
お顔を拝顔した事がござりません・・・さすが眠り姫。
jsato@otterhaus | 2011年06月27日 00:02
>猫が好き♪さん
結構カメラ目線くれるんですよ。起きてる限り、人間に反応してくれる率のかなり高い動物ですから。

>カシワヤさん
今日、鴨川のアザラシが帰ったので、チロドナももう秒読み段階と思われます。

>ゆうこさん
お食事時以外にはなかなか下あごを見せてくれないので、万能の識別法でないところが惜しいです。

>Reiさん
おお、日々進化してますね。おそらくドナウは気に入って遊んでいるのでしょう。でもまもなく帰っちゃう・・・
しんご | 2011年08月24日 18:27
すみません、たまたま見つけたのでコメントします。

『飛び出せプールに行く』という行動をしたことで、行動の前にあった嫌悪刺激『ホースの水』が無くなりこの行動が同じ状況で以後も生起するならば、嫌悪刺激消失による『負の強化』と考えてよいと思います。

通りすがりですみません。
jsato@otterhaus | 2011年08月25日 20:41
>しんごさん
コメントありがとうございます。
この場合も「負の強化」になるのですね。ちょっとわかったような気になりました。やっぱりちゃんと勉強しないとダメだなあ…

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[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

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