Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

盛岡カワウソ・再婚相手は9歳年下(1)

盛岡市動物公園にはカナダカワウソがいるんです。カナダカワウソは今や国内では3か所でしか見られない、レアなカワウソ種なんですよ。カワウソ好きさんでも「カナダカワウソなんて見たことない」という方、多いはずです。

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うふふ。カエデ(三代目)でーす。


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さて、こちらは昨年、わたしが「カナダ侍」とか「ピエール」とか「イナゾー」とか呼んでいた、11歳のオスくんです。おひさしぶり。

この先ちょっと話がややこしくなるので、もしお時間のある方は、昨年の探訪記を先にお読みいただいておいた方が話が早いかと。お手数ですが。

Das Otterhaus 【カワウソ舎】 | 盛岡カワウソ・男一匹カナダ侍 1
Das Otterhaus 【カワウソ舎】 | 盛岡カワウソ・男一匹カナダ侍 2
Das Otterhaus 【カワウソ舎】 | 盛岡カワウソ・男一匹カナダ侍 3
Das Otterhaus 【カワウソ舎】 | 盛岡カワウソ・男一匹カナダ侍 4



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彼は数年前にパートナーをなくし、それ以降は何となく隠居感あふれる暮らしをされておりました。それでもこんなやってお子様の相手もしてくれる、好々爺カワウソです。


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ふっひっひ。


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この4月、何と彼は再婚しました。その相手がこのカエデ(三代目)、2歳。もうピチピチキュイキュイな茶髪娘です。あの、茶髪っていうか、毛の色が見てのとおりかなり明るいんですよね。


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じいさまは笑いが止まりません。


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キュートな三代目。

実は他の複数の動物園で去年から今年にかけて、カナダカワウソを入れるのを断念したという話を聞いておりまして(輸出規制がかかってるとかそういう理由だったような)、いよいよ日本にはカナダが入らなくなるのではないかと危惧していたのですが、何と盛岡ではあっさり入ってしまって、驚きました。キーパーさん情報では、カナダのどこかの動物園から、動物商経由で来たとのことなので、まだ可能性はあったのですね。


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2頭はごらんのとおりラブラブ状態です。毛の色が見事にちがうので、個体識別はとってもかんたん。


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ふたたびペアでの展示が見られるのは、うれしいことです。


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さてさて盛岡ズーでは、各動物舎・放飼場前にでかでかとそれそれの動物の名前が表示されているのですが、このカワウソの名前、去年は表示されていませんでした。

で、このネームプレートにはちょっとしたミステリーがありまして、去年書いた通りです。簡単に繰り返しますと、カンタと命名されたのは、今出てる11歳のオスの個体が生まれる前(平成11年=1999年)のことなんです。

この問題、今回カワウソ担当キーパーさんをつかまえて(お忙しいところすいませんでした)お聞きしました。そしたら「ああ、あの看板は初代の名前ですね」という回答をいただきました。つまり、わたしの推察通り、盛岡のカナダカワウソは「襲名」してました。

ですので、現在展示されている個体は、カンタ(二代目)とカエデ(三代目)となるわけです。

すでに個体数が少なくなっているためか、現在国内でカナダカワウソの血統管理は行われていないらしいので、こういう方式でも事実上問題はないのでしょうか。あるいは愛称と登録名(番号?)を分けてあるのかもしれません。そういう細かいところまでお聞きする時間がなかったので、この件、追って教えてもらおうと思ってます。


・・・



午後も遅くなってくると、二代目がそわそわしだします。

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今日はだいたい月に1度のイベント「カワウソの食事を見てみよう」の日です。去年見て、あまりのド迫力にぶったまげたので、今年も見に来ましたよ。


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15時15分すぎ、生きのいいニジマスを投下、というか放流。


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三代目が捕らえたニジマスを口にくわえて、もう1匹ねらってます。


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今年は2頭だからあっという間にゲットですね。去年みたいにニジマスをじらしたりせずにばしばし捕まえました。あ、三代目は去年いないかw


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二代目、頭から行っております。


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三代目、つうかカエデちゃんも。


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うまうま〜♪

この日はお客さんが多かったのと曇りだったので、水中でニジマスをキャッチする場面はまったく撮影できませんでした。去年の写真を参考にしてね。


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食後の愛の語らい。


つづきます。

Trackback

yumi | 2011年08月05日 14:28
いいですねー。カナダカワウソは釧路の回でも連載(?)が多くて楽しませていただきました。コツメと比べるとダイナミックさが違いますね、写真でも感じられます!
kitto | 評価 5 | 2011年08月05日 20:05
笑いが止まらない爺様と、ピチピチの美人なお嫁さんに、私も早く会いに行きたいです!
私もカナダさんにお会いしたことがない1人です。
カナダさんの栗のようなお鼻を、早く愛でたい。。。
マキ | 2011年08月06日 00:17
良いなぁ・・・カワウソイベント。
次に行く時はイベントの日を狙いたいのですが
月に1回ってのがなかなか厳しいです。
jsato@otterhaus | 2011年08月06日 00:40
>yumiさん
コツメがネコだとすると、カナダは大型犬って感じですからねえ。でも(当たり前ですが)カワウソとしてしっかり共通点があって、観察してて不思議に思えてきます。

>kittoさん
盛岡、釧路、新潟ってなかなか行きにくいところですよね。距離の問題というより、ピンポイントになってしまって効率が悪い感じで。いっそ本場アメリカかカナダに見に行くっていうのはどうでしょう?

>マキさん
今回は情報をありがとうございました。知らずに行ってたら心臓が止まってたかもしれませんw

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Where captive otters live in Japan.

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[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

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・・・
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