Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

宮崎カワウソ・ピンクのお鼻のユーラシア

[ At Miyazaki City Phoenix Zoo, old female Eurasian otter spends the rest of her life. She lost her mate early this year. I missed taking photo of they two lived together, to my regret. The widow otter seemed to be healthy. I hope she enjoys more longevity. ]

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ついに会えた、宮崎市フェニックス自然動物園のユーラシアカワウソ。

実は一昨年の夏に行く計画があり、飛行機と宿の手配までしていたところ、口蹄疫で長期休園になってしまって行けなかったのである。もうみんな忘れかけていると思うけど、一昨年の宮崎は本当に本当に大変だった。わたしもうっかり忘れてた。

その後、なかなか行き先になることがないまま時間が流れてしまい、今年に入ってオスの方が死んでしまったという情報が入る。2頭とも決して若くない個体なので、存命のうちにはやく訪ねなければいけない、とは思っていたのだけど間に合わなかった・・・残念。

というわけで、ようやく会えたよ宮崎のユーラシア。


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開園直後のユーラシアカワウソ展示場。だーれもいない・・・。アクリル板のくもりで撮影困難とのウワサでしたが、問題のアクリル板は意外にきれい。朝イチだと順光になるので、今出てくれればそれほど反射に煩わされずに撮れるんだけどなあ。


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よく観察すると、岩の上に新鮮なフンが! 寝室の戸は開いているので、中で寝ているものと思われる。このまま待つことにしましょう。


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10時になると、こども動物村にヤギが出勤してきます。どどどどど・・・


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ここでお掃除に来られたキーパーさんをキャッチ。ちょっとかわいそうな気もするけど、寝室から追い出してもらいました。この顔は完全に寝てますねw。


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とてとて。


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にゅーん。


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例の岩の上でおトイレ。適当なところにみんなでぶっ放す感じのコツメと違い、ユーラシアはシンボリックな場所で、自分の存在をアピールするかのようにフンを残すようです。一般化していい話なのかどうかはわかりません。


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もそもそ。檻の角の方へもぐり込む感じで、また寝る準備。


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別の角度から。


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ふあ〜


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で、寝たw



わたしの午前中の仕事はこれで終わりました。


・・・


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しっぽ時計が12時をお知らせします。


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爆睡されております。このあたりは見事にカワウソで、期待を裏切りません。


この1頭残ったメスの個体ですが、名前はあるんでしょうけどずっと名前で呼んでない、というお話でした。19歳ぐらいで、やはり安佐から来たとのことです。安佐では貸し出し動物一覧を公開していますが、確かにそこにカウントされています。

種の保存 - 広島市安佐動物公園

ちなみに死んじゃったオスの方が若くて、15、6歳だったとのこと。

えさは中くらいの大きさのアジで、寒いときは1日に1kg食べるのが、暖かくなると半分に落ちるそう。つまり春は食いが落ちてくる時期なんですねえ。フラミンゴ池で増えすぎたティラピア(!)をたまにプールに放してやることがあるそうで、小さいのは食べるけど大きいのは捕っただけで放置、つまり獺祭するわけですが、でかいティラピアは頭が硬くて食えないんじゃないか、とのこと。いろいろと面白い話があるもんです。



ここでまた、時間の経過を示す写真を2枚入れときます。



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フェニックス名物のゾウさんガイドへご出勤。


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4時になるとヤギ軍団が帰宅を開始します。どどどどど・・・


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で、いよいよカワウソのごはんタイム(非公開)になります。だいたい3時半か4時過ぎぐらいに、寝室の中であげるようにしているとのこと。ごはんだよ〜


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実はなかなか起きて来なかったので、キーパーさんがデッキブラシで追い立ててくれました。年とって1頭になっちゃうと、どうしても活動は鈍くなりますね。


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なかなかかわゆいお顔です。それにしてもユーラシアでここまでピンクの鼻の個体は今まで見たことがありません。白ムギュの美しさは安佐のユウ老師の血統を裏付けるもの。


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ふぁああああああああ


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ぷしゅ。


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んでまた寝るかw おなか空いてないの?


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ほら、ごはんだぞ。


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しらーん。


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食べても大丈夫?


いつも寝室であげているのを、今日は外であげたので、怪しがって食べないのでは、とのことです。

キーパーさんがいろいろと気にしてくれたおかげで、写真が撮れて助かりましたが、いつもと違う対応をされたカワウソにはちょっと気の毒だったかな、とも思います。いや、ちょっとした刺激になってむしろ良かったと考えることにしよう。


次はフェニックスの別の動物たちを。




【追記 2012.4.7】
昨年11月にフェニックスにいらっしゃったリッピさんの写真をもう一度見直してみました。かえすがえすもオスの存命中に行けなかったことがくやまれます。

動物園でお散歩 : ユーラシアカワウソ

さらに、コメント欄で初心者さんが情報を提供してくださってます。このメスちゃんはユマという名前で、ユウ老師の孫に当たり、15歳とのこと。

Trackback

あみ | URL | 2012年04月13日 15:06
ああ、やはり安佐出身のカワウソのムギュは立派ですね!
仰向けで寝ている姿もたまらない〜!
魚を目の前にしている表情はスイミーを感じることが出来ます。

それにしてもこれだけピンクのお鼻の子は珍しいですね!
どこに紛れ込んでもすぐ見つかりそうです!
jsato@otterhaus | 2012年04月14日 01:03
>あみさん
ですよねー、ユーラシアにしてはめずらしいですピンク鼻。
今後、白ムギュも貴重になってしまうのかなあ。。。
初心者 | 2013年05月26日 12:50
こんにちは。
先週、宮崎に行ってきました。ピンクのお鼻の可愛いユマちゃんに会う事ができました。
カワウソ担当さんから伝言です。「次回来られる時は事前に連絡を頂けましたら生き餌を用意しますので、是非元気に泳いでいる姿を見ていただきたい」との事でした。
毎週1回、生き餌イベントをしようかと検討中のようです。
jsato@otterhaus | 2013年05月26日 20:23
>初心者さん
ユマちゃん元気でしたか。それは何よりです。
伝言を、ありがとうございました。
宮崎はなかなか行けませんが、そのうち必ず!

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「カワウソなび」の最新情報はこちらをどうぞ↓


Where captive otters live in Japan.

 Otter holding facilities in Japan

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Junichi SATO

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[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

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