Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園と水族館を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

わくわく里山・縄文の里のカワウソ

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何とまあ、3か月ぶりの更新です。

先週、ようやくアクアマリンふくしまの新しい(といっても1年半前のオープンなんだけど…)カワウソ展示に行ってきました。


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「わくわく里山・縄文の里」に設けられたカワウソ展示「カワウソのふち」。新しい入口からすぐのところにあります。以前の「アクアマリンえっぐ」の奥まった場所に比べると、物置あたりにいた動物が玄関入ってすぐの客間に移動した!ぐらいのインパクトはあります。


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現在、展示されているのは毎度おなじみドナウと、2015年5月にアルペンズーから来た、まろん。

ちなみに「アクアマリンえっぐ」の方の旧展示場には、昨年12月までドナウとチロルの子、そらが展示されていたそうですが、何とクウェート!に引っ越しちゃったそうで、魚類展示に変わっていました。近い将来、ウミウの展示になるそうです。


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新展示場。覚悟はしてましたが、かなり広いです。

植物の目立たない冬枯れの時期にやって来てこんなことを書くのもどうかと思いますが、この新展示はとにかく植栽がすごいんです。

石組みのすべてが自然石で構成されているのも異例ですが、短期間の施工でもカワウソに引き抜かれない工夫として、各種の草本を事前に麻のマットやポールに根付かせたものを竹串で固定するという凄技を使い、陸上から水際まで、徹底的に緑化されています。

詳細は東京動物園協会が出している『どうぶつと動物園』2017年冬号に、アクアマリンのカワウソ担当の中村千穂さんが書かれた「「カワウソの水辺」をつくる」をお読みください。


そして水中にはしっかり水草(こちらも麻マットに事前植え付け)も根付いています。
本当に見事な水中景観になっています!

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ドナウ、呼ばれました!


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10時からのごはんタイムです。



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3連休の初日なのでお客さんいっぱい。実に結構なことです。今日はちゃんとした写真はあきらめて、見物に徹するとしましょう。


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朝のカワウソごはんも済んだので、縄文の里を一回りしてみます。こちらでは2016年7月から2017年2月いっぱい、「動物画家・薮内正幸展〜日本の野生動物〜」が開催されています。


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ここにカワウソがいたらいいんでしょうけどね、そりゃ無理ってもんです。縄文期を想定した自然環境が再現されるエリアを、全長200メートルのボックスカルバートが囲み、その中を歩くことができます。


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おおお〜、滝の裏も見えますね。


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縄文の里で行なわれている展示とは別に、期間限定で籔内さんの原画展示も行われていました(2017年1月22日まで)。このあたりは名作『しっぽのはたらき』の原画!

『しっぽのはたらき』(かがくのとも創刊号のリアルタイム購読!)は幼稚園児だったわたしの「マイ・ファースト・ヤブウチ」。数年前に実家の押入れの中からめでたく発掘して、「マイ宝」に指定しました。

この日の午後は、 対談「薮内正幸とガンバのものがたり」というイベントがありまして、ガンバとカワウソの冒険をはじめとするガンバシリーズの著者、斎藤惇夫さんと、薮内正幸美術館館長、藪内竜太さんのお話を楽しみました。というか、この日に合わせたので冬枯れの植栽を褒めることになってしまったわけであった。



・・・



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どうでもいいんですが、ウミネコって、目つきさえもうちょっとどうにかなれば、もっと好かれると思うぞ。今の状態はヤンキー度が高すぎですね。


というわけで、午後のごはんの時間です。曇り空なのでもう結構、暗くなってきました。

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今回もドナウしか出て来ませんね。まろんは巣穴で寝っぱなし(途中、起きてたかもしれませんが)です。


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お、こっち来た!


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生きている魚には手を出さないで、ちゃんとえさの切り身をゲットします。


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お客さんの中からは、生きてる魚の方を食べたらいいのに、という声も聞こえますが、展示魚類を際限なく食べることを許してしまうと、園館の動物は健康管理ができなくなります。まあ、実際はちょくちょく食べていると思いますが。


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『どうぶつと動物園』の中村さんの記事では展示魚類はウグイとアユを選んだことが書かれていますが、どう見てもヤマメですよね? それにしても水草が美しい。


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それ〜っ、もういっちょ!


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お客さんの群がっている水中観察窓へ向けて切り身を放ってくれるので、ドナウは何度も行ったり来たり。いい運動だ!


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あ、こっち見た!


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ぷは〜


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今日の締めはワカサギですよ。


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すっかり夜になったカワウソのふち。こちらには籔内正幸展の第2部が展開されていました。


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で、最後に夜の巣穴の様子。

たらふく食ってお腹を上にして寝ているドナウ(左)と、この日は全然撮らせてくれなかったまろん(右)。おやすみなさい。



いなわしろカワセミ水族館のカワウソ

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2015年12月からユーラシアカワウソを展示しているアクアマリンいなわしろカワセミ水族館へ行ってきました。遅くなってすいません。


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すでにみなさまご存知のとおり、アクアマリンの本館にいたチロルと2015年8月生まれの2頭のこどもたちが、12月にいなわしろに移動して来たわけです。


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もうすっかり大きくなってますよね〜。ここまで3枚ともチロルの娘、はなちゃん。


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こちらはゆきちゃん。2頭の識別については後ほど。


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チロル母さんもお久しぶりです。


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9月の平日で、雨だし、お客さんいるのだろうかと思ってたら、結構いました。結構なことです!


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10時から公開フィーディング!


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左がチロル母さんでしょうか。すでに娘たちの方がちょいとでかくなっておるようです。


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馬刺し、じゃなくて馬肉いきます。もちろんアクアマリン伝統のピンセット給餌です。


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外はざーざー降り。標高が高いのでついでに霧も出ます。コテコテな高原の雰囲気・・・。


ところで、画面奥に写っているものは?


これ、この近くの川桁駅から出ていた軽便鉄道である日本硫黄沼尻鉄道の保存車両なんですわ。その昔、80年代に沼尻鉄道の廃線跡を訪ねた時には、終点のちょっと先にある温泉旅館かなんかに置いてあったのを見た覚えがあります。その後どこかに移動して展示されているというのを読んだような記憶がありましたが、まさかそれがここだったとは。びっくりしました。車両の型式表記が2両とも「ボサハ12」ってのはないだろうとひとりツッコミを入れてしまった。でも思ったより状態が良いので、今でもちゃんと手入れをされているんですね。よかったよかった。


カワウソが寝ている間に館内を回ります。


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「おもしろ箱水族館」という展示ですが、なかなか見栄えのするものでした。ゲンゴロウにこんなに多くの種類があるとは知らなかった。


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オショロコマ〜!


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オショロコマがいるのはサケマス類の比較展示。段差のついた水槽の配置がよいですね。



一回りしてカワウソに戻ってきたら、ぜんぜん寝てないw 雨だからか。



さて、夏休み企画だった毎週水曜昼のカワウソイベント、9月中も延長されていました。それは何かと言うと、生きたニジマスのプレゼント。もちろんお客さんにプレゼントするのではなくて、カワウソにあげるものです。

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間もなくお昼。そわそわ。


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いきなりガブー!


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つかまえた〜


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ゲットじゃ〜


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と思うと一度つかまえたニジマスをリリースして遊んでいます。何だかすごい余裕w


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娘たちはまだニジマスで遊んでますが、チロル母さんはさっさといただいております。チロル母さんにはシャレや冗談は通じないのだ。


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というわけで、ここいらで個体識別情報。って言っても説明板にしっかり書いてくれていますので。まずそれを見てみましょう。

もっとも大きな識別ポイントは、ゆきは下あごから胸部に続く毛が均一で、はなにはそこに白いぶち模様がある、ということだそうです。これはわかりやすいですね。


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これはゆき。実は下あごの先端が黒いことがわかります。


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胸の毛がよく見えない角度でも、下あごが黒いのがゆき。


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わかりやすいですね。実はチロル母さんもここが黒いので間違えないように。


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一方、こちらははな。はなは下あごの先端が白い。



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ほらね。


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ぶち模様が見えなくとも区別がつきます。

チロル母さんの識別ポイントは、冗談の通じなそうな顔、ということでしょう。

それじゃわからん、という方には、ものすごく前に書いたことがあるので、お手数ですがこちら↓を読んでみてください。
Das Otterhaus 【カワウソ舎】 | 上野カワウソ・今週のチロルさん(4)


ところでゆきとはなは現在、絶賛姉妹ケンカ中とのことでした。

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はな+チロル(たぶん。横顔なので自信ない。間違ってたらごめん)


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チロル+ゆき。

・・・という状態で対立していましたw。

チロル母さんは両方に均等に接しており、年頃の娘を持った母は大変だなあと思いました。



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仲良くしなさいね(可能であれば)。


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カワウソエコバッグ、作れます。


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ショップにもいろいろ。

 お土産ランキング
 人気ベスト3
   1. 海のおかき ←カワウソ箱に入っている
   2. カワウソぬいぐるみS
   3. カワセミぬいぐるみストラップ
 ワースト3
   1. ネクタイピン
   2. 皮の高級ボールペン
   3. 手ぬぐい

売り上げワースト3まで書いていあるところがすごいと思います。カワセミ水族館なのに、カワウソグッズの方が売れています。わたしはちゃんとカワセミぬいぐるみストラップも買いました。


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スタッフの皆さんお疲れさまです。どうも長々とお邪魔いたしました。

カワウソ探索3@シンガポール

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シンガポールの街中で、ビロードカワウソの家族「Bishan10」を追っかけてきました。いよいよ最終回。


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たらふく食べたので、そろそろ上陸したいかな〜?


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上陸じゃ!


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コツメがマッチョ化して、ふた回りほど大きくなった感じですが、とにかく「いい体」してます。毎日あんな大きな魚食べて、いっぱい泳いでますからね。


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川沿いにちょっとした芝生の場所がありまして、ちゃんとそこを狙って上陸したようです。毛が乾いてきました。


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スタンディングも高身長。迫力があります。


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まだ落ち着かない感じです。


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あ、きみたち、ちょっと待った〜!


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そ、それあたしのバッグだからあw


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植え込みの陰で、おだんご化をはじめました。


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レスリング大会。


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にょにょにょ〜っ!


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ここ、坂なのではなくて、カメラを構えるわたしが寝っ転がって無理な姿勢で撮っているために斜めってます。


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みなさんあちこちにポジションを取って撮影されていますが、さすがOtterWatchの人たちはポジション取りも手慣れたもので、撮影装備も最適化されています。ここでは、いかにローアンングルで安定して撮れるかが勝負であることがわかります。


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場所を変えて再おだんご化。


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で、またレスリング大会。


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こちこちょ大会w

基本動作はご覧の通りコツメファミリーと同じような感じですが、これを街中で白昼堂々やってのけていることが信じがたい。しかも目の前で、です。この距離の近さは全く想定外でした。これはもう、リングサイドというより場外乱闘。カワウソが観客の方へ入り込んできます。


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ジャグリングもします。


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お、また泳ぎですか?
ここまで、18分間の上陸活動でした。


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マリーナ・ベイの中心(画面右の方向)へ向かって、ふたたび川を下って泳ぎ続けます。


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このへんまでは沿岸で遊びながら泳いでいましたが、


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Singapore Flyerという大観覧車のあたりから、湾を横切って対岸のFlower Dome方向へ泳ぎ出しました。右下にちょっとだけ頭が写っているのが見ますか?


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途中、例の水陸両用アヒル船がカワウソの前を横切ります。この乗客たちはラッキーだったな。
そして接触開始から約2時間、ついにBishan10は対岸に消えました(上陸地点が確認できなかったけど)。


・・・



その後、会議2日目の夕方に行った巣のあるポイントまで行ってみたところ、はぐれウソが1頭、いました!

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なんだよ。



群れがいて、単独個体もいる、ということからも、この街中のエリアがもうすっかりビロードカワウソの生息地になっているということがうかがえます。

まあ特殊な例ではあると思いますが、とにかく都市でもカワウソが人間と共存することが可能であることがわかりました。カワウソの動物としての順応性の高さ、魚の豊富なこと、人間のカワウソに対する態度が良好(敵対せず、追回しすぎたりもしない)であることがこの共存を可能にしているのですね。どこでもできることではありませんが、ここには何か重要な示唆があるように思います。

おやすみ前にこの一冊・・・
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東京書籍刊『カワウソ』をお買い上げくださいましてありがとうございます。
「カワウソなび」の追補はこちら↓


How we keep and watch wild animals in zoos and aquariums. Junichi Sato's recent works.


 Zoological Portrait Series


 Zoological Landscape Series


Where captive otters live in Japan.

 Otter holding facilities in Japan




コメントありがとうございます。
すべてにリプライできなくてごめんなさい ↓

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Junichi SATO

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[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

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カワウソ本とカワウソグッズの密林セレクトショップ♪

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