Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

テオ・ヤンセン

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ふみづきさんに勧められた、テオ・ヤンセンのビーチアニマルを見に行った。これ、風の力でオランダの浜辺を勝手に動き回るらしいからびっくり。

愉快な「ガシャガシャ歩き」をまずお見せすべきなのかもしれない。自分が押して動かしているところを動画で撮ってもらえたんだけど、おそらく行ったひとはみんながびっくりして、そのはずみで動画なんかもいっぱいネットに上げてるにちがいない。今さらわたしがびっくりしている場面を公開しても世界レベルの二度手間になるのでやめとこう。リクエストがあったら考える。

それよりわたしとしては、この材料の方を見てもらいたい。もし、このアニマルたちがチタンなんかの高級金属材料で、金かけてかっちり作られたものだったら、ぜんぜん面白いと思わなかった。

見ての通り、プラスチックのパイプでできているのだが、それも捨ててあるような安っちいプラスチックパイプ(たぶん配線用の電線管)なのだ。したがって全体の剛性はかなり低い。それでもちゃんと動く。そのギャップに惚れたよ。

メカニカルエンジニアリング系男子(女子も、もしいれば)は、ぜひ行って自分の手で動かしてみたほうがいい。世界の見方がちょっと変わることを保証するね。

  • Posted by jsato
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かたちを与えられた新聞紙

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SUGIZAKI RYOKO しんぶんきょうりゅう展
12月23日(日)まで
カフェギャラリーCHA-ENN 茶園

新聞紙で作られた恐竜だ。

そう書いてしまうとそれ以上でも以下でもないことになってしまうのだけど、そうとしか書きようがない。このような何の理由もなく作られてしまう行為に理由を据えることほど、ばかげたことはない。SUGIZAKI RYOKOはおそらく何度も「何で恐竜なんですか」「何で新聞紙なんですか」と聞かれたことだろうと思う。わたしも「何で水門なんですか」と聞かれるたびに愕然とする。ものを作る行為にはあまり理由はないのであって、それを聞き出そうとすることは無意味である。

しかし無意味だからと言ってこの「何で」は無価値であるとは思わない。少なくとも対話のきっかけとして機能する、質問全体の形式主語のような役割を果たしてくれることがある。またうんざりしながらそれに答えることによって、しばしば自覚していなかった概念や、すっかり忘れ去っていた記憶が呼び戻されたりすることもあるからだ。

よく言うのだけれど、小学生の頃にやってたことを一生やるようになるんじゃないか。

SUGIZAKI RYOKOは小学生の頃から折り紙にティッシュを詰め込んで立体の馬をいくつも作っていたのだと言う。それはどこかで馬を見て、その体験を再現するために自分の手で馬を作る、というのとは違うのだと言う。じゃあそれは何なんだろう。馬のようなしっかりした骨格と肉の量感のある存在を自分の手から作り出すこと、そのこと自体に興味があったということなのだろうか。

わたし恐竜になりたかったんです。

って彼女は言うのだけど、それは発言としてはとても面白く、だったらキグルミ作って中に入ってみたらどう、なんていうアホな反応をしてしまうのだけど、それは額面通り受け取るわけにはいかない言葉であったのだということが話を続ける中でわかってきた。それは馬や鳥や恐竜になりたいほど、その対象に、他に比較する例がないほど深い深い興味があるということの彼女なりの表現なのであった。対象への深い興味が主客を裏返してしまうことは、しばしば言われる感覚だろう。もうそういう領域の会話において、理由を探すことは無意味である、ということだ。

自分は小学生の時にそれと同じレベルで何をしていたのだろうか。内側から沸き起こる原因のよくわからない行為への没頭。ひとつ考えられるのは地図だな、と思った。わたしは本を読むこともものを作ることもそれなりに好きだったが、それは外側からやってきた行為だった。しかし地図をずっと見続けることについては、外側からの動機付けが見当たらないのだ。社会科の時間でもないのに、地図を机の上に広げて見続けることが日常的に行われ、その結果、地図帳はすぐにボロボロになった。

おそらく人間って生まれた時に全くの白紙ではないのだね。


  • Posted by jsato
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そのものの映像をそのもの自体に映すこと

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小西俊也 ribbon, dress and waltz
2007年12月12日(水)〜12月25日(火)
10:00〜19:30
渋谷東急Bunkamuraギャラリー+

8月の展示と全く同じ場所、ほぼ同じ原理でネタを変えた小西のインスタレーション。前回は自分自身が付箋紙をひたすら貼り付ける映像だったのだが、今回はクリスマスバージョンということらしく3人の女の子がリボンをひたすら貼り付ける映像になっていた。なかなか華やかな趣向で、狙いどおりの効果が出ているのだろうと思う。

小西の作品は基本的にわかりにくい。それは映像の基本フォーマットみたいなものを意図してはずしているからだ。スクリーンというものは基本的にニュートラルな性質を持っていて、何でも写すことのできる汎用性が機能の中心である。その白紙であるべきスクリーンの基本をとっぱらうとどうなるか。別に何の表面にでも映像を映すことができるわけだが、とりわけ映像のモチーフとなったもの自体をスクリーンとして用いると、少しばかり変わったことが起きるのだ。それは言わば合わせ鏡が時間軸上に現れたような効果である。

スクリーンは主客の区別をすればモチーフとなったものと同じ客体側に属する。しかし暗黙の了解としてモチーフとスクリーンはそれぞれ違う平面とすることになっている。それをあえてぴったり重ねてしまうことによって、リアルタイムの現象としての影と映像化された現象としての影が入り乱れてしまうのである。映像化された過去の影は特に周辺視野で捉えられたときに、リアルタイムのそれと全く区別がつかない。映像を横切って来たはずの人が、自分の前で消えてしまうような錯覚に陥ることすらある。

なかなか言葉では言い表せない不思議な体験をすることができる。明後日までやっているので、ぜひ行って見て、考えてみてください。


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おやすみ前にこの一冊・・・
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東京書籍刊『カワウソ』をお買い上げくださいましてありがとうございます。おかげさまですでに3刷!

「カワウソなび」の最新情報はこちらをどうぞ↓


Where captive otters live in Japan.

 Otter holding facilities in Japan

佐藤淳一リアルタイム
最新の写真は flickr | Otterhaus で公開中。たまにカワウソも。

Created with flickr badge.
動物園・水族館・生息地

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Junichi SATO

self portrait

[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

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フィギュアはシュライヒが造りがいいですね(なぜか最近すごい値段になってる!)。
Schleich シュライヒ カワウソ
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かわうそ3きょうだい そらをゆく (にじいろえほん)
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かわうそ3きょうだいのふゆのあさ (えほんひろば)
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かわうそ3きょうだい (えほんひろば)
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空がレースにみえるとき (ほるぷ海外秀作絵本)
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ぼく、およげないの
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ニホンカワウソ―絶滅に学ぶ保全生物学
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Otter (Animal)
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Otters: Ecology, Behaviour And Conservation (Oxford Biology)
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カワウソと暮らす (富山房百科文庫 (34))
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The Ring of Bright Water Trilogy: Ring of Bright Water, The Rocks Remain, Raven Seek Thy Brother
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椋鳩十全集〈20〉カワウソの海
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ガンバとカワウソの冒険 (岩波少年文庫)
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河合雅雄の動物記〈2〉カワウソ流氷の旅
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・・・
わたしの本も、ついでにいかがでしょう?


カワウソ

おそらく日本初の、カワウソだけ写真集


ドボク・サミット
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みんなで作ったドボク本



恋する水門―FLOODGATES

一家に一冊!世界初の水門写真集


新版 電脳の教室
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こういうのもあります


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