Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一がカワウソのいる動物園と水族館を訪ねます。

工場特集5【ツォルフェライン】




Sato Jun Ichi 2
Photos provided by Panoramio. Photos are under the copyright of their owners.(日本語訳:クリックしてその先でもう一度クリックするとでかくなるよ)

おお、これは見事な錆っぷりだ!
と思ったのだが、どう見ても錆止めペイントをガンガンに塗ってるっぽい。


お待たせしました。ツォルフェラインの続きです。

まずはNTTドコモ北海道提供の2分番組を2本、見てからにしないか。何で北海道なのかとか余計なことを考えずにだまって見れば、ツォルフェラインって何なのかが計5分以内にわかる。

北海道遺産物語 第112話
「北の未来図 ドイツ・ツォルフェライン炭鉱〜空知の炭鉱施設群」


北海道遺産物語 第113話
「歴史の中の金字塔 ドイツ・ツォルフェライン炭鉱〜空知の炭鉱施設群」


番組内で竹中直人が言ってるように、ツォルフェラインは要するに炭鉱だ。ただ炭鉱エリアは竹中直人が自慢しているように、いろんな施設として転用されまくっているので、わたしとしてはあまり撮影のしようがない感じだった。そういえば馬のような犬の禁止サインがあるのも、このこじゃれエリア。

そこで上の写真。こちらは炭鉱に併設されたコークス工場。だから炭鉱じゃなくて工場特集なんだよね。炭鉱エリアの裏にひとけのない巨大な工場廃墟が広がっていると思ってください。下手するとメインの炭鉱エリアより広いかもしれない。なのにこっちはほとんど転用もされずに、ちょっと荒れた感じでただ保存されている。そういうのは、実にいい。

おそらくとりあえずな感じで残してあるので、とりあえずな錆止めを塗りまくっているのだ。だからそこいらじゅう、こんなふうに赤い。

そういえばこういう雰囲気には覚えがある。ショッカーの戦闘員のようなひとびとが現れて、いきなり拉致られそうな雰囲気じゃないか。あるいは地下組織との秘密取引の現場を押さえようと飛び込んで銃撃戦になったりするとか、そんなやつだ。流れ弾がそこいらじゅうに跳ね返っていい音しそう。アクション系男子なら誰もが夢見る空間だろう。

【追記】ところでアクション系、って何だろう。アクション映画、アクション俳優と来たら、アクションドボク、ってカテゴリーがあってもいいな。

工場特集4【ツォルフェライン】




Sato Jun Ichi 2
Photos provided by Panoramio. Photos are under the copyright of their owners.

また工場特集。

今度のは工場というか、実は炭鉱だ。炭鉱だけどでっかいコークス工場が併設されているので、まあ同時に工場でもあるというわけ。

ルール地方のエッセンにあるツォルフェライン(Zollverein:関税同盟)という名前の炭鉱。その跡地が地上施設ごとほとんどそっくり残されていて、いろんな用途に転用されている。ランドシャフトパークの炭鉱版といったところ。ランドシャフトパークがあるドゥイスブルクはほとんど隣町なので、隣同士で産業遺産保存競争をやってるようにも見える。そんな競争ならもっとやってもらいたいよね。

上のタワーみたいのは、第12立坑の巻き上げ塔だ。ツォルフェラインのシンボル的存在。このタイプの巻き上げ塔はベッヒャー夫妻の写真でおなじみ。ファインダー覗きながら、ベッヒャーキターーーーとつぶやいていた恥ずかしい日本人がわたしだ。

そして下の段はコークス工場。詳細はまた次回。

本気にしないように

090109

話題としては昨日の続きです。ドイツのサイン。

炭鉱施設の再利用の成功例として世界的に名高いのがツォルフェライン(Zollverein)だ。それはもう鳥肌が立つほどカッコいい場所だったのだが、そのインフォメーションセンターに入るところに貼ってあるサインがこれ。基本的にカッコいい系サインではある。

犬とタバコは禁止やで、というのは、通りすがりの一東洋人としてのわたしにも即座に理解できてうれしい。しかし、タバコの煙がちょっとだけ表現過剰なのは許すとして、犬の方は何か、ひっかかる。


これ、微妙に犬じゃないよなあ。


どこに違和感を覚えるのか。耳の立ち方?顔のカーブ?腹のボテ具合?背中の水平?

しっぽの角度だけは犬だと思うが、それ以外の要素はすべて馬を指向しているように見えてくる。疑い出すとどんどん馬に見えてくる。足をもうちょっと長くしたら間違いなく馬だね。ははは。

・・・

いや待て。ツォルフェラインは州のデザインセンターかなんかもあるような場所だ。そんなヘタレなサインを掲げておくほど、脇の甘いことがあるわけがない。

ひょっとして、わざと犬だか馬だかわからないようにしてあるのかもしれないぞ。脱力サインに見せかけて、実は高度な処理、だ。

もし、はっきりと犬なサインにしてしまうと、馬で入ろうとするやつが来た時に抑止できない。はっきりと馬なサインにしてしまうと、犬で入ろうとする、というか犬連れて入ろうとするやつを抑止できない。

一般にドイツ人は、こういう場合、しばしば犬禁止と馬禁止の両方のサインを出すことになり、その律義さに頭が下るというか笑えるのだが、そこは天下のツォルフェラインだ。ちゃんとしたデザインポリシーでいろいろ細かくコントロールされている。その結果、ドイツの伝統を捨て、新しい手に打って出たものらしい。

でもあいまいな動物にしておけば、牛やオオカミなんかも包括的に禁止できて便利だと思う。どうせやるなら、もっとあいまいな表現になるよう、今後の発展を期待したい。

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[佐藤淳一]写真作家。1963年生まれ。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

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