Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一がカワウソのいる動物園と水族館を訪ねます。

東スポ「ドボ珍」最終回とWJ14

今年4月から東スポで連載してた「ドボ珍」が年内で終了します。昨日(東京)〜今日(地方)発売の号で水門は最終回でした。わけあって順番を入れ替え、来週は珍寺。それでぜんぶ終わりです。長らくのご愛読ありがとうございました。カラー化してからが短命だったねえ。


それと季刊のワンダーJAPAN、14号が発売中です。もう14号ですよ14号!1ダースを越えて、もはや不動の14号です。

ワンダーJAPAN 14 (2010 WINTER)―日本の〈異空間〉探検マガジン (三才ムック VOL. 281)
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今回は北海道の上美唄水門。渋い水門ですぜー。

重厚壮大バロック水門

もうワンダーJAPANの次の号が出る。3か月たつのが早い。つうか早すぎる。これ何とかしてほしい。このまま年取ると、もっともっと時間の経過が早く感じるようになるのかと思うと、ちょっと絶望的だ。

時間の速度感というものが、生まれてから経験した時間の蓄積との比較によって生じるのであると仮定すると、たとえば40歳の速度感って10歳の速度感の4倍になっているはずだろう。ということは、80歳になったとしても、その時の速度感は40歳の2倍ぐらいであるということだ。なーんだ、その程度なら耐えてもいい。お願いだから、くれぐれも蓄積した時間量の2乗に比例したりしないでほしい。

ワンダーJAPAN12、6月17日発売。

ワンダーJAPAN 12
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さて、ワンダーJAPAN12の「水門探険」は、佐賀県の『六角川河口堰』を取り上げた。ここ。


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六角川河口堰はとにかく堰柱が太く、それに合わせてか開閉機器室もでかい。ゲートも一般の河口堰にくらべると、かなり背が高くて迫力満点。今まで訪ねた中で、最も押しの強い河口堰であった。株分けみたいに1門ずつ切り離してあちこちに据えても、それぞれが十分に大水門としてやっていけるものと思うので、誰か試してみてください。

去年までうっかり気づかずにいたのだが、干満差が大きい有明海に流れ込む川のゲートは、どれも頑強である。筑後川下流域などは、なかなかの大水門が割拠する、水門連合王国になっていたのだった。知らないのはわたしだけかと思ったら誰もそのことを気に留めていないらしく、ネット上にも画像はほとんどアップされていない。佐賀県の人たちは水門なんてどうでもいいと思っているんじゃないのか。そんなんでいいのか。

幸か不幸か佐賀県はそういう事情になっていたので、知られざる大水門を1日に立て続けに何門も、ざくざく撮影するという、ほとんど夢のような撮影を3月に行うことができた。ギアナ高地にはじめてたどり着いた植物学者は、おそらくこういう気持ちだったのだろう。もちろん根こそぎ撮らずに残してきたので、また行きたい。ドボクは植物なんかと違って独り占めできないところが、大人だと思う。

で、六角川河口堰はバロック建築のように壮麗である。と書いた後で、自分はバロック建築の何たるかを知ってるのだろうかと思ってちょっと不安になった。細かい部分は怪しいかも知れないが、何というかその、方向性としてはだいたい合ってるんじゃないかと思う。何でバロックっぽいのかというと、でかいことの他に、らせん階段と扉体の補強がしつこくて、視覚的な情報量が多いことと関係がある。

とにかく素敵な河口堰なので、ご近所のみなさんはぜひ一度、見に行ってください。その前に「ワンダーJAPAN12」で見てね。

金髪・青い目の浴衣美人水門

発売中です。

ワンダーJAPAN 11(三才ムックVOL.239) (三才ムック VOL. 239)
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今回で、1年間続いた『水門タイポロジー』は最終回。あ、1年間といってもたったの4回か。ベルント・ベッヒャーさんの追悼企画ということもあり、タイポロジーで水門を見せる実験、というのをやってみたものの、やはりとっても大変なので4回で挫折です。関口編集長からは「もうやめるんですか」と突っ込まれた。

で、本体の『水門探険』の方は続きます。

今回は川口の領家水門。場所はここ。


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領家水門は首都圏の秘蔵中の秘蔵水門、超隠し球ともいうべき水門で、わたしに言わせれば、もはやこれは「川口の至宝」だ。これまで紹介せずに我慢してきたもので、いよいよ満を持してのご開帳である。なんていうわけはなくて、単にすっかり存在を忘れていたのであった。

年明け早々、10年ぶりに訪ねてみたら、再塗装直後でやたらきれいになっており、すっかり見直した。しかも他に例のあまりない、躯体が鉄骨というオリジナルな水門なので、今回ご紹介することにした。それはいいんだけど、忙しさに紛れて、「金髪で青い目の浴衣美人が川口の工業地帯の堤防で向こうからやってきた」みたいなわけのわからない原稿を書いて送ったら、そのままでかでかとタイトルコピーになっていて赤面しそうである。

今号も、わたしの水門や萩原さんのダム、石井さんの工場がとってもおしゃれに見えてしまうほど、他の記事はズンドコに濃い。廃墟や珍寺はやはり深層心理方面に切り込んでくる。しかし10号突破しても全くパワーが落ちずに、というかますますやばくなっているWJ。こういう雑誌がとにもかくにも10号以上、続くということは、日本もまだ捨てたものではないぞ。

ほとんど広告らしい広告も付いてないというのは、ちょっと心配ではあるが、まあそこは雑誌のビジネスモデルが一般誌とは根本的に違うのだと思いたい。

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[佐藤淳一]写真作家。1963年生まれ。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

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