Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

ヘンリヒェンブルク(1)

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何となくだらだらと続けている「運河エレベータ」の旅だが、ひさびさにドイツに戻ろう。今回は工場ファンの聖地、あのルール地方にあるSHWヘンリヒェンブルク、だ。

SHWってのはシフスヘーベヴェルク(Schiffshebewerk:船のエレベータ)の略称。ドイツ語と言ったら、やはりひたすら略称を使いまくる言語である。BMWとかVWとかDDRとかVfBとか、もう何でもかんでもとにかく略すとドイツ語らしくなるのだ。近頃は日本語もKYとか言うようになったからドイツ語に近づいているようなんだが、惜しいことにKYは似て非なるものである。ドイツ語ではYは使わない。「空気ぜんぜんよめねえ」でKZZとかにすると、ぐっと近づいた感じだ。おめーはほんとにカードッペルツェットだぜ、とかツバ飛ばしながら使ってみたいものである。

さて、そのルール地方はドルトムント郊外のヴァルトロップ町(だか市だか村だか)に、水位差は大してないものの古今の運河エレベータとロックゲートがそれぞれふたつずつ、計4つも並んで設置されているとんでもない場所があるのだ。Westfälisches Industriemuseum(言わばウェストファリア産業博物館、か)という組織が主に工場などの産業遺産を保存して、それを楽しげな公園などに仕立ててブイブイ言わせているのだ、何がブイブイかと言うと、ルール地方のチルドレン(つうかドイツだからキンダー)はネズミーランドのごとき虚飾なテーマパークなど見向きもせずに、日本だったら明らかにマニアしか寄り付かないようなハードコアなインダストアル系テーマパークに家族総出で出かけるなどして、インダストリアルな遊びに打ち興じるのが普通だからだ。これ半分は推測で書いてるのだが、それを裏付けるような話を複数の人から聞いたことがあるので、方向性としてはあながち間違いではないと思う。うーむ。だとしたらそれはとんでもないことである。

で、その中に水運系のインフラ施設のテーマパークがヴァルトロップにあって、19世紀の鉄骨造りの運河エレベータが目玉なんだけど(後で見せます)、そこには現役稼働中のエレベータも存在し、それがこのSHWヘンリヒェンブルクであるわけです。

ほんとは稼働中のはずなんだけど、この日は明らかに修理中。上の写真は水槽をバカみたいに真正面から撮ったので何が何だかよくわかわないかもしれない。どのくらいの大きさであるかは、人の大きさと見比べてみてほしい。

斜めから見るとこんな感じだ。

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ブルドッグが踏ん張っているみたいな、妙に愛嬌のある構えだと思わないか。

Trackback

かざはや | URL | 2008年07月08日 21:28
やっぱ海外ってこういうの作らせるとスケールが全然違いますよねぇ

おやすみ前にこの一冊・・・
160px_kawauso_book
東京書籍刊『カワウソ』をお買い上げくださいましてありがとうございます。おかげさまで何と4刷!

「カワウソなび」の最新情報はこちらをどうぞ↓


Where captive otters live in Japan.

 Otter holding facilities in Japan

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Junichi SATO

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[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

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