Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

憧れの白い水門

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白い水門、ってあんまりない。なぜか。答えは簡単。汚れるから。しかしオランダのロッテルダム近郊にあるマエスラント防潮水門は白い。


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これってベージュだろ、と思われるかもしれないが間違いなく白である。この黄ばみは夕陽のため。

マエスラント防潮水門がただ白いだけだったらわざわざ見に行ったりはしない。何が凄いのかと言うと、一対のセクターゲートで360メートルの川幅をひといきに閉めることができる点だ。

1径間360メートル!!!

土木の中の人はよくこういう時に「飛ばす」という言い方をして、そういうのかっこいいなあと思っているのだけど、360メートルっていうのは、これは水門的には飛ばし過ぎなのではないか。どうなのだろうか。

まずは上空から見てほしい。


大きな地図で見る

ね。凄いでしょ。飛ばし過ぎでしょ。

説明しなくてもわかると思うけど、この白い扇形のが両側から来てがしゃんと閉まるわけだ。行く前から地上からは絶対に全景が撮れないことがわかっているので、ぜんぜん撮影に気合いが入ってない。そういうこともあってコンデジだし、だいいち思いっきり逆光の時間だ。
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まあこういう鉄塔が横倒しになったようなのがぐるんと回る、と。で、ここ↓がその回転の中心になる。この軸の部分には動力がないので、意外にあっさりした設備。

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淡々と紹介しているのでつまらなそうに思われるかもだが、ものすごく感動してる。これだけ巨大だとほとんど神の領域なので、地上の人間としては撮影のしようがない。ひたすらぼけーっと眺めているしかない。

これがグルメ番組だったら、ヨネスケみたいに顔をしかめて店主の手を取り「もうううっ大将、最高!」みたいにそのすばらしさを全身で訴える場面なんだが、もちろん大将というか設計者は目の前にいないので、そういう気持ちだけが宙づりとなって身悶えしそうだ。


さて、水門付近には動物などもやって来る。

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野生のウサギは掃いて捨てるほど、というか取って食べるほどいる。あ、ほんとに食べるかウサギは。堤防沿いではどこ行っても必ずウサギがぴょこぴょこ/もふもふしている。さすがはミッフィーの産地オランダである。

ちなみにオランダではミッフィーはミッフィーとは呼ばれない。ナインチェ、っていうから驚きだ。好きなアイドルの本名を知ってびっくり、みたいな経験はみんなもあるでしょ。


それで鉄塔も凄いので撮ろうと思ったら、向こうから変な馬が寄って来た。


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おいおい。どういう趣味してんだよキミの飼い主は!


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Trackback

なごみ | 2008年11月02日 20:58
!?
あ…あああ!
なんか被ってんですね!!
びっくりした(笑)
白い水門に白い馬なんてステキですね〜
うえさか | 2008年11月04日 11:09
びっくり。馬がマスクをしていることを理解するのに、時間がかかりました。

おやすみ前にこの一冊・・・
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Where captive otters live in Japan.

 Otter holding facilities in Japan

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Junichi SATO

self portrait

[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

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