Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

オランダの巨大仏風水門

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昨日にひきつづき、オランダのホランチェ・アイセル防潮水門をしつこく検証するよ。

これは開閉機器室、つまり水門を巻き上げる機械が入っている部屋を側面から見たところ。はじめて見た時から、なーんかひっかかる。クセのあるスタイリング。

まず屋根が変。妙に装飾的。端部のそり返りは何なのだろう。これがあるおかげで一気にインチキな東洋風になってしまい、「やっちゃったテイスト」がただよう。中に仏像とかあってもおかしくない程度にオリエンタル。

それと色がぞんざい。赤白青って。誰かが夜中にレゴででっち上げた水門みたいな、思いきりのよすぎる配色である。

階段やテラスも鉄製の別付パーツじゃなくて、手すり以外はすべてコンクリで作られているように見える。コンクリートの造形度が過剰になると、「ワンダーテイスト」がただよい出す。なにしろ白塗りだし(笑)。このままどんどん肉付けをしていくと、最終的には巨大仏にだって到達可能だ。

水門の窓は普通、川が見える方向に積極的に開けられるものだ。でもこの水門は川の側に窓がなく、二つの塔がお互いを見つめあうような方向に、窓が開けられている。そのためかどうかわからないが、なんだかひとっぽい。

いっそ巨大仏が4体、向かい合わせでゲートを支える水門。そんなものを想像しても全然OKだろう。正月だし。

・・・・・・。

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あー、いろいろ思い出した!

ここ、去年の8月31日に探訪したのだけど、何か祭りのステージのようなものがあり、なんだこりゃと思ったのだった。そういや水門完成50周年記念?みたいな看板もあった。あれは何だったのか。

おお、これだ。祭り。
http://www.flickr.com/photos/jankruithof/sets/72157607033921894/?page=2

なんだ、8月30日ってちょうど前の日じゃん(笑)。

ヘリは飛ぶわ、パラグライダー飛ぶわ、ロープでひとが降りるわ。放水までしている。オランダの消防出初式か(笑)。

要するに、あれは50周年記念防災エンタテインメント大会、みたいなのをやってのではないだろうか。そこにちょうどブチ当たらなくてよかったのだか、あるいは残念だったのだか。

でもみんな水門に集まって、とても楽しそうだ。ちょっとくやしい。


しかしよく考えて見るとこの水門、50年も前の作で1径間が80メートルもあるよ。凄いな〜こりゃ。あらためて感心した。

Trackback

sgm | URL | 2009年01月03日 00:15
50周年記念祭の翌日、何事もなかったかのようにすっきり片づいているところは、
さすがオランダですなぁ。
これがメキシコとかブラジルあたりだとこういうわけにはいかない。
祭りだって1週間ぐらいグダグダやりたがるし。あとはゴミの山だし。
jsato | 2009年01月03日 17:31
メキシコやブラジルあたりでは、絶対に水門でお祭りはしないでしょうし。

おやすみ前にこの一冊・・・
160px_kawauso_book
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Where captive otters live in Japan.

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Junichi SATO

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[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

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