早苗別川水門。


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去年の秋、熱中時間の水門ロケをちょっと無理やり北海道でやってもらったときのこと、ディレクターさんとカメラのお兄さんと3人で、江別に泊まった。
最近、江別に行ったことのある人はわかると思うのだが、江別の駅前には一見、泊まれるようなところは発見できない。でもよーく見るとしっかり宿があって、それも駅前旅館がそのままホテル化した、いわゆるビジネス旅館、というカテゴリーの宿でなんか懐かしい感じがして、フロントにウサギがいて(かわいいな)、寝酒を買いにコンビニに行ったら片道2キロぐらい歩かされて、街中のお寺なんかもうあり得ないほど立派で、なんだこりゃ江別、という感じなのであった。
それより何より、電車で江別に降り立つと、経験のない人にはびっくりの、かなり特徴のある匂いがする。
わたしは昔住んでいた土地が、風向きによってその匂いが来るところだったので、むしろ懐かしいぐらい。しかしディレクターさんとカメラ兄さんはかなり微妙な顔をしていて、お気の毒様であった。その特徴のある匂いの正体を説明してあげても、それ、ほんとですかぁ?という感じで何の慰めにもならなかった。お二人は次にどこかであの匂いを嗅いだとき、江別を思い出すことになるに違いない。嗅覚の記憶はなかなか根深いからだ。
そんな町、江別。
あれから1年もたたないのに、今度は水門プロフェッショナルズに連れてきてもらえるとは、想像もできなかった。うれしいなあ。
早苗別川水門は住宅地のはずれにあって、すぐ近くまで人家が迫る。シックなお屋敷の門みたいなレンガ造り風になっていた。江別ニューカマーな住民のみなさんをマッチョな水門で驚かせたりしないようになっている。景観配慮というよりは、これはもう心理戦だよね。
なぜにレンガか。今でこそ江別は札幌に通える住宅地というイメージだが、開拓時代にはレンガの一大産地であったのだそうだ。なるほどなるほど。
でも実はこれ、レンガじゃなくて塗ってあるんですよ、と水門プロに教えていただく。最初に目地の黒い塗料を塗って、そこをマスキングしてから石材風の特殊塗料を吹きつけるのだそうだ。うまくできているもんだ。

なかなかの風合い。これならスプレーで落書きなどできまい。つまりヤンキー対策も万全、ということになっている。
しかし、勢い余ってか扉体までレンガ色だ。扉体ばかりか、らせん階段や各種金具にいたるまで徹底的にどこまでもレンガ色。この色、はじめっからサビてるみたいでイヤです、と正直に言ってみました。いろいろと大人の事情でこの色になっちゃったものらしい。塗ってしまったものは仕方がないし、もちろんわたしの好き嫌いで何かが変わるほど、世間は甘くない。

やっぱりサビているようにしか見えない。
さて水門には付きものの排水機場。その排水樋門がこちら。
早苗別排水機場樋門。


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あくまでレンガ風味に徹する一途さ。上屋の部分はタイル貼りで、メインの水門を食っちまうゴージャス感。ちょっと面長な印象なのは扉体を引き上げるラック棒が屋根から飛び出すのを避けるための高さ稼ぎか。屋根から煙突が別に出てもかまわないと思うのだけど、何かそうしない理由があるのだろう。
早苗別川水門の近所には江別河川防災ステーションというのがある。基本的に水防倉庫なんだけど、楽しげな飲食店やお土産ショップまで付いている多機能な施設である。


中には昭和10年まで石狩川を航行していた蒸気船、上川丸の原寸模型が吊ってあるのをガラス越しに覗かせてもらう。月曜は休業日なのだった。
上川丸もいいが、次に来た時は、必ずこの食堂で食べることに決めた。
