Das Otterhaus 【カワウソ舎】旧サイト

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

北空知頭首工

北空知頭首工。
Kita-Sorachi_HW
写真をクリックすると、Panoramio上のわたしの写真に飛びます。

位置情報&でかい写真は、いつものように上の写真をクリック→Panoramioへ。

石狩川に限らず、中流域より上には水門は少なくなる。その代わりしばしば現れるのが可動堰だ。可動堰のうちでも、取水用に本川を堰上げするためのもので、特に農水省管轄のものを頭首工と呼んでいるようだ。いや違うな、農水省の用語で取水用の堰のことを頭首工と言う、と言うべきなのか?

もうちょっとちゃんと書きなさい。

「頭首:head」というのはそもそも用水路が本川から分岐するポイントのことらしく、本来的にはその取水に関わる施設(堰と取水口、ゲートなどもろもろ)を総称して頭首工と呼ぶらしい。

「○○頭首工」という銘板を取り付けやすいのが大きな可動堰の堰柱や門柱だったりするので、可動堰が頭首工のように見えるが、そういうわけではない。

樋管という語が堤防を貫く水路とゲート(樋門)を含めた総称なのに、「○○樋管」という銘板が樋門に付けられているので樋門が樋管に見える、というのと同じ構造だ。初歩的な記号のアヤ、記号論のネタにできるような話。


わたしはこんな夜中に何を書いているのか。


どの部分が頭首工か、という話よりも、頭首工という語はあまねく使われているわけではないということを言いたかったのだ。どうもその名で呼んでいるのは農水省、土地改良区の方面だけのように見受けられる。

こういうのは縦割り行政による弊害、用語の無駄な冗長化なのでけしからんなどと言って糾弾すべきなのかというと、必ずしもそういうわけでもなくて、その施設がどこの管轄であるかが名前聞けば一発でわかるから、実は便利なのね。


それで、頭首工にも管理橋が付属しているが、川の幅いっぱいに作られていても、多くの場合は通行できない。

090829a
この橋は関係者以外通れません。らせん階段が見たいぞ。

水門の場合、管理橋は堤防を切ってしまっているところに架けられるので原則的に誰でも通れるわけだ。また頭首工じゃない可動堰は国交省なので、まあ何というか国交省内で融通が利くのか、ついでに道路橋として供されていることが多い。ところが頭首工の場合は単一目的というか、農水省は道路のことなんか知らんぞというか、とにかく通れない例が多いようだ。

ところが、現在建設中の新石狩川頭首工では、立派な道路橋(でもやっぱり広域農道につながるそうな)を併設していた。ということはこのあたりの事情も徐々に変化しているかもしれない。

何か歯切れの悪いエントリで申し訳ない。ちゃんと調べたわけじゃないことを書き散らしていてはいかんなあ。というか「国営かんがい排水事業」とか、ぜんぜんわかってないので今から勉強します。

このあと何回かで、石狩川の頭首工を追いかけるぞっと。

090829b
頭首工は部長のサインでした。

Trackback

おやすみ前にこの一冊・・・
160px_kawauso_book
東京書籍刊『カワウソ』をお買い上げくださいましてありがとうございます。おかげさまで何と4刷!

「カワウソなび」の最新情報はこちらをどうぞ↓


Where captive otters live in Japan.

 Otter holding facilities in Japan

動物園・水族館・生息地

[動物園・水族館・生息地ごとの記事アーカイブ。カワウソ中心ですが、たまにほかの動物も出ます]

月別アーカイブ
カテゴリ別アーカイブ
記事検索
タグ絞り込み検索
Junichi SATO

self portrait

[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

 Biography + Bibliography
(展覧会と各種掲載リスト)


 Floodgates

 Twitter : otterhaus
 Facebook : otterhaus
 Tumblr : otterhaus
 Tumblr : otterhausanbau
 Flickr : Otterhaus

* 依然として記事の内容に無関係なスパム的書き込みが多いため、各記事に対する新規コメントは現在、受け付けておりません。ご連絡はFacebook、Twitterをご利用いただければ幸いです。


キュイキュイ書房
カワウソ本とカワウソグッズの密林セレクトショップ♪

かわうそ店長、とってもハマります。すでに9巻まで出てるよ。

かわうその自転車屋さん 1 (芳文社コミックス)
かわうその自転車屋さん 1 (芳文社コミックス) [コミック]

こやまけいこ
芳文社
2014-10-16


酒ケーキもいいんだけど、せんべいの方がもっといいよ獺祭。

旭酒造 獺祭 煎餅 だっさい せんべい 山田錦の砕米で作りました 30枚入り
旭酒造 獺祭 煎餅 だっさい せんべい 山田錦の砕米で作りました 30枚入り [その他]
旭酒造


世界13種のカワウソが網羅されているすばらしい入門書が出ました。写真もいっぱい!

Otters of the World
Otters of the World


ハンザのぬいぐるみが各種、買えるようになってますよ。
カワウソ No.3320
カワウソ No.3320 [おもちゃ&ホビー]


フィギュアはシュライヒが造りがいいですね(なぜか最近すごい値段になってる!)。
Schleich シュライヒ カワウソ
Schleich シュライヒ カワウソ


かわうそ3きょうだい そらをゆく (にじいろえほん)
かわうそ3きょうだい そらをゆく (にじいろえほん)


かわうそ3きょうだいのふゆのあさ (えほんひろば)
かわうそ3きょうだいのふゆのあさ (えほんひろば)


かわうそ3きょうだい (えほんひろば)
かわうそ3きょうだい (えほんひろば)


空がレースにみえるとき (ほるぷ海外秀作絵本)
空がレースにみえるとき (ほるぷ海外秀作絵本)


ぼく、およげないの
ぼく、およげないの


ニホンカワウソ―絶滅に学ぶ保全生物学
ニホンカワウソ―絶滅に学ぶ保全生物学


Otter (Animal)
Otter (Animal)


Otters: Ecology, Behaviour And Conservation (Oxford Biology)
Otters: Ecology, Behaviour And Conservation (Oxford Biology)


カワウソと暮らす (富山房百科文庫 (34))
カワウソと暮らす (富山房百科文庫 (34))


The Ring of Bright Water Trilogy: Ring of Bright Water, The Rocks Remain, Raven Seek Thy Brother
The Ring of Bright Water Trilogy: Ring of Bright Water, The Rocks Remain, Raven Seek Thy Brother


椋鳩十全集〈20〉カワウソの海
椋鳩十全集〈20〉カワウソの海


ガンバとカワウソの冒険 (岩波少年文庫)
ガンバとカワウソの冒険 (岩波少年文庫)


河合雅雄の動物記〈2〉カワウソ流氷の旅
河合雅雄の動物記〈2〉カワウソ流氷の旅

・・・
わたしの本も、ついでにいかがでしょう?


カワウソ

おそらく日本初の、カワウソだけ写真集


ドボク・サミット
ドボク・サミット

みんなで作ったドボク本



恋する水門―FLOODGATES

一家に一冊!世界初の水門写真集


Das Otterhaus 【カワウソ舎】旧サイト