Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

三色カワウソ

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高知県立のいち動物公園のユーラシアカワウソ、ミンさん。お正月にも登場したので覚えてますよね?

毛が濡れていると色がよくわからんと思うので、乾いている様子を見てみよう。

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日本の動物園で見られるユーラシアカワウソってわりと色白で、色調は茶色というより小豆色っぽい。あずきバーアイスの色、あるいはミルクココア色とでも言えばいいのか。ユーラシアカワウソは分布範囲が広く、西ヨーロッパからシベリア、中国、朝鮮半島まで散らばって住んでいるので、地方ごとに色が違うことは十分に考えられる。日本に来ている個体はだいたい中国産らしいのだが、詳細はよく知らない。

ユーラシアに比べると、コツメカワウソは茶色の黄みが強い感じ。これは同じくのいち動物公園所属のメコン。

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実はコツメの毛の色って条件によってかなり変わる。太陽の直射光だと赤茶色になるけど、曇っているときはユーラシアに近い感じになる。室内飼育で蛍光灯の下だったりすると、ぐっと黒っぽくなる。同じ個体で色を揃えようと思うと、RAW現像のときに余計な苦労をさせられるのだ。それでがんばって毛の色を無理に合わせても、今度は周囲の色が不自然になっちゃったり。これはホワイトバランスとか色かぶりとかいうような写真側の問題というよりは、単純に毛の色が光線条件によって変わって見える、と考えた方がいいようだ。

さて、ふつうは2種類で終わりだけど、のいち動物公園には3種類目がいるのだ。

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ツメナシカワウソのクラ。この写真は濡れている上に直射光も当たっているので、ちょっと色が派手目に出ているが、色調の傾向としてはこのとおり。黒っぽい茶色というかチョコレート色。ヒゲが白くないのが面白い。ツメナシカワウソはアフリカ産で、コツメが二回りほどふくらんで、ぐっとワイルドになったような雰囲気。ちょっとコワいかな。

・・・

さて、のいち動物公園のすごいところは、上の3種類のカワウソが目の前に並び、じっくり比較して観察できるところだ。何と、三つの放飼場は隣り合っているのである。昨年10月の時点で、右からユーラシア、コツメ、ツメナシの順である。それぞれの放飼場はガラスで仕切られており、放射状レイアウトだからコツメの前にいれば3種類のすべてが見渡せる。

実は正面からのわかりやすい写真が撮れてなかった。申し訳ない。そのかわりツメナシ放飼場の横にある水中観察窓から全体を透かして見た写真を出しておきます。

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しかし、よくわかんないですなこの写真。いい?手前からツメナシ、その奥がコツメ、さらにその右奥がユーラシア、だ。どうだ、すごいだろ、ってわたしが作ったわけでもないのに自慢したくなる実にゴージャスなカワウソ展示ですね。

カワウソの種類による色の違いって、個体差じゃないのと思っている人はぜひ、高知に行ってこの三色カワウソ放飼場の前に半日、立ってた方がいい。肉眼で、同じ光線条件下で比べると、明確に違いがあることがわかるよ。3種類のカワウソはそれぞれペアで展示されているので、オスメスの色の違いでもないこともわかるはず。しかし今。あらためて思い起こしてみると、このカワウソ展示施設はすごい体験だった。数だけいっぱいいるゴージャスなカワウソ展示は海外にあるけど、3種類比較って、ありそうでないんじゃないか。それとも世界にはこの上があるのというのだろうか?

前回、愛媛のとべ動物園を「ニホンカワウソ動物園」みたいに書いたけど、高知ののいち動物公園は名実ともに「カワウソ動物園」と呼んでもよいのではないか。それというのも、のいちは日本の動物園・水族館にいるカワウソの血統管理を行っているからだ。その血統の台帳(?)をいつか見てみたいと思っている。だってそれ見たら日本中のカワウソの恋愛関係が一目瞭然ってことでしょ。小学校のときに「クラスの中で好きなひとと嫌いなひとを書いて出しなさい」と言われて書いて出したら、先生がクラスの好き嫌い相関図というのを作っていて、もちろん絶対に見せてくれなかったのだけど、きっとその相関図なみにドキドキすることは間違いない。

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Junichi SATO

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[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

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