Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

井の頭どうぶつ・夏毛と冬毛

家からもっとも近い動物園である井の頭自然文化園。カワウソの展示こそありませんが、去年2月には「カワウソ講演会」なんかやってくれて、実に素晴らしい動物園です。東京育ちでないわたしは、実はわりと近年までここがれっきとした動物園であるという意識がありませんでしたー。ごめんなさいよ。

さて、カワウソはイタチ科の動物ですが、同じイタチ科のテン(ホンドテンとツシマテン)が井の頭にいます。ホンドテンはこんなやつ。

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いい面構えだねえ。これを何十万年も水に浸けとくと、カワウソに進化するんだなあ。



さて、実は上の2枚、去年の6月に撮影したものです。つまり「夏毛」なんですな。
ホンドテン、今はこんな色をしています。

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わー。顔が真っ白です。たぶん同じ個体だと思うのですが(展示場所が同じなので)、まるっきり別の動物に見えます。

動物図鑑で、テンの夏毛と冬毛の絵が載ってたりしますよね。へぇーっと思うけど、なんというかイマイチ半信半疑というか、ほんまかいな、という気持ちだったのですが、本当にこれだけ色が変わるんですね、まあびっくりです。

そもそも、テンってすごい色してますよね。

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これは夏毛ですが、ちょっとありえない黄色です。黄色すぎ。ふつう、動物って基本的に地味な色してるじゃないですか。黄土色とか茶色とか。そんなんじゃなくって、とんでもない黄色。オレは危険な動物だぜ、って言って歩いているようなもんだ。かっこいいなあ。




さて、夏毛と冬毛といえば、このひとたちも。


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そうです。ご存知ニホンリスです。それにしてもなんつうだらけたリスなんだw。こちらも6月撮影の夏毛です。結構、赤味の強い毛が生えています。もうちょっとコントラスト上げるとミケリスになりそうw


それが冬毛になると、こんな感じ。

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まあ地味w。すごい真面目なリスって感じに見えます。おなかの毛はもっふもふ。耳毛もふっさふさ。


あ、知ってました? リスって笑うんですよ。

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シャッターによる一瞬のアヤ、じゃないですよ。この個体はかなりしばらくの間、こんな顔をし続けてました。


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これも同じ個体かな。どう見ても笑ってんの。人間が笑うのと全く同じ状態にあるのかどうかはわかりませんが、少なくともこの顔の状態は、人間から見ると「笑い」という範疇のものです。

考えてみると、夏のリスって繁殖シーズンで浮かれまくってるわけで。たぶんもうわけわかんなくなって、要するにちょっと狂っちゃってるんだと思いますね。それに比べると今ごろのリスは、実に真面目ですよやっぱり。


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でもやっぱり、冬でも笑ってる個体がいるんだよねえ。

Trackback

カシワヤ | URL | 2011年01月10日 07:37
おはようございます。
ホンドテンかっこいいなぁ。
エゾオコジョ=アオタコタンポ(アイヌ語で地獄の子犬)やガンバの冒険のノロイなど、本来イタチ科はネズミなどの小動物から恐れられる存在なのだと実感します。
それなのにムツキらコツメカワウソの「のほほんさ」はある意味凄い。やっぱりあったかいところに住んでのんびりさんになったのかな?
jsato@otterhaus | 2011年01月10日 23:32
やっぱりテンって基本的に嫌われ者ですかねー。去年のトキ襲撃以来、特に。あるいは「クロテンの毛皮」のイメージが強すぎて、リアル動物としての姿がなかなか結像しないのかもしれません。

コツメカワウソは・・・まあ、進化の段階で何か方針変更したんでしょうきっと。

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Where captive otters live in Japan.

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Junichi SATO

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[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

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