今度はコツメカワウソ。「クマたちの丘」の熱帯ゾーンに住んでいます。

アミン(♂)。マレーシアのマラッカ動物園から、長崎バイオパークを経由してやって来た個体。
長崎バイオパークには2008年に4頭のコツメが入ったのですが、アミンはそのうちの1頭です。他の3頭はこんな↓やつら。

2009年11月撮影(長崎バイオパーク)。
後ろの2頭のメスがナンとウチョップという個体ですが、顔をよーくご覧ください。アミンにそっくりでしょ。3頭は兄弟姉妹なんです。したがってアミンは繁殖のために出されてしまったというわけ。手前のでっかいオスがゲモック。ナン&ウチョップ姉妹のダブル誘惑に応じず、アミンと入れ替わりに上野から行ったメスのナオコのお尻に敷かれておりましたが、その後どうなったかなあ。
長崎バイオには、昨年10月にまたマラッカからコツメが入ったので、会いに行かねば!ですね。
上野に戻ります。アミンのパートナーがこちら。

ミオ(♀)。以前はオスと誤認され、タミオという名でナオコと暮らしていた、というのは公然の秘密・・・。ちょっとワイルド系な顔立ちで、おヒゲもぴょんぴょん奔放系。

この2頭はとっても仲よく暮らしています。昨年はご懐妊かとウワサされ(実際に展示中止してました)たのですが、残念ながら産まれませんでした。仲よすぎなんじゃないの。

「おまいさん、何か見えるのかい」「ああ、ちーっと面白いもんがな」
・・・

コツメ夫婦の視線の先が、これ。

マレーグマです。

予備知識なく撮ってたのですが、人気のウメキチくんらしい。

ちょっと面白すぎなんじゃないの、このひと。

はい。言うまでもなくこの展示場メインはマレーグマでして、コツメカワウソはパセリ的な存在です。案内図にもマレーグマとしか載ってません。上野でカワウソといったら、あくまでミーちゃん池の方を指します。「クマたちの丘」がそういう展示コンセプトなんだから仕方がない。ツキノワグマとヒグマのところにも、タヌキとキツネがやっぱり添え物っぽ〜く混合展示されています。

ぐでーん。

ところが、コツメカワウソはやっぱりただものではありませんでした。パセリのくせにやたらとアトラクティブ。

パセリのくせにお客さんに愛嬌をふりまきまくり!です。
ただし、愛嬌にはムラがあります。そこはカワウソなので仕方がありません。
また、これも定番中の定番の小話ですが、お客さんの1〜2割はコツメを見てマレーグマだと思っているようです。これはお客さんが表示をよく読まず、そそっかしいのが悪いのですが、この誤解が常に生まれ続けているのはやはり問題。表示にさらなる工夫があってもいいのではないかと思います。コツメカワウソとマレーグマはマレーシア仲間なので、ようするにこの共生をもっと明確に主張してくれればいいのだけど、あくまでクマが気候区別に3種展示されている、という「クマたちの丘」の上位コンセプトが強すぎて、そういう微妙なコンテクストに導けていません。惜しいなあ(わたしがカワウソ好きだから、どうしてもカワウソを真ん中に据えて考えてしまうこともあって、これらの問題ってまだうまく仕分けできてない)。
ただ、ミーちゃん池の方も混合展示になった今、何かがクリアになってきたような気もする。
ではもう一度。

こっちがアミン。見分けるポイントは、体色が薄い方、です。

こっちがミオ。黒っぽくてヒゲが奔放な方です。これからもよろしくね。