
約1か月ぶりの市川市動植物園のコツメカワウソ。

もちろん8頭とも元気にしてたんだけど、ちょっと気になることが。

これ。ウッドデッキのかじられ方↑がものすごい。
11月下旬の様子を見てみて。
Das Otterhaus 【カワウソ舎】 | 市川カワウソ・ワンポイントガイド!
このときには全くかじられていないではないか。それが1か月ちょっとでこんなにボロボロになるまで噛まれている!

どうしたんだきみたち。

なに? 掘る砂がないって?

掘る土がないって?

若いカワウソたちは常にケンカするもんだけど、今日のきみたちは何だか必要以上にヒステリックだな。

なぜそんなに殺伐としているんだ?

何か足りないの?

口がきければいいんだけど。

たまたま葉っぱが1枚飛んできたら、奪い合いに。

ムツキも何も言ってくれない。
実は、カワウソの担当者が交代してもう半年以上たつのだ。飼育方法やそのポリシーなど、担当者によって違いがあることは十分予想していたので、何か変化を発見してもこれまで何も書かないでいた。何といってもこちらは飼育一般に関しては100%の素人である。しかもせいぜい月に1度程度しか見ていないわけだから、何かを偉そうに言える立場にはない。しかし、今日、ちょっと考えが変わった。このまま何も言わないでいると、いつか取り返しのつかないところへ到達してしまうのではないか、という気がしたからである。彩りの乏しい、味のしない、鈍重な空気の占めるところ。このカワウソたちがそこへは行ってほしくない。
はっきり言ってしまおう。他の園館だって担当者の交代はあるが、これほど展示が不活性化する方向へ行った例を、これまでわたしは見たことがない。
いわゆる「エンリッチメント」をマイナス方向へ進めるとこうなるのではないか。動物が喜んで掘りまくっていた砂場を埋め、土をブロックで封じ、彼らの日々の仕事である「遊び」ができないような放飼場へ改変されてしまった。その代用となるはずのジャグリング(手遊び)の道具も、供与されているようには見えない。いじくりまわす対象を取り上げられてしまった動物は、代わりに施設を破壊するか、それができない場合は自分たちの体を破壊する方向へエネルギーを向けるしかなくなってしまうだろう。この「動物本位」の時代にあって、それに逆行するような改変(飼育下動物の生活における行動の選択肢を減らし、人間の管理の都合を優先している)がなされたことはたいへんに残念だ。あるいは他の種の動物には何か効果的な飼育手法なのかもしれないが、少なくともコツメカワウソという種に対してはQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の低下となっているいるようにしか見えない。
カワウソの行動特性に鑑み、放飼場の地面を以前の状態へ戻してほしい。それができないのなら、せめて遊具(小石や枝や葉っぱでかまわない)を大量に与えてもらえないものだろうか。
【追記 2012.1.13】
本日、市川市動植物園より、コツメカワウソの飼育環境整備に関して連絡をいただきました。詳細は下のコメント(Comment)に書きます。