
旭川から、この子を連れて帰ってきましたw。日曜日のシンポジウムでは、彫刻の話なのに無理やり写真の話をして、コツメのおしり写真までプロジェクターで大写しにして、かなり微妙な存在だったと思われます。旭川市彫刻美術館のみなさま、関係者のみなさま、大変にお世話になりました。

前の記事のコメントの部分をお読みの方はご存知と思いますが、旭川のギャラリープルプルを訪ねました。ここがプルプル。

すてきなプルプル内部♪

そしてここが「かわうそ倶楽部」の本拠地!

そしたらいきなり、フェルトカワウソ登場!
ひつじ草フェルト作業所製のフェルトコツメです。右は等身大くんといいます。

ちっちゃいのも!
でっかいのが欲しかったのですが、ヌシを連れて帰るとバチが当たりますので今回は小さい子でがまんです(ぜんぶほしい)。
ギャラリープルプルはもちろん、フェルトカワウソを売るためだけのギャラリーではなくて、基本的にはあべ弘士さんの原画展示をメインとしたギャラリーです。しかし、あべさんが一番好きな動物がカワウソであることから、かわうそ倶楽部というNPOができていて、そのかわうそ倶楽部が運営するギャラリーというしくみになっています(この理解で間違ってませんよね?)。したがってやっぱりカワウソとは切っても切れない関係にあるのだ。ちなみにプルプルって名前は、あべさんの作品「ハリネズミのプルプル」シリーズから来ているのだそうな。ってことはプルプルのぬいぐるみの方がヌシだな。
・・・
そしてもちろん、旭川に来たからには旭山に寄らないわけにはいかない。

雪のない季節の旭山ははじめてです。6月なんてこれ以上考えられない絶好なシーズンでしかも快晴で、んも〜うぉこれ以上の気持ちよさなど想像できないような旭山です。暑くも寒くもない風がそよそよ〜っと吹いてきます。背後の盛り上がってこぼれ落ちそうな緑の山では、セミ(ハルゼミ?)がわんわん鳴いてます。
さて旭山に寄った理由はいろいろあるのですが、

そのひとつがこれ。コツメの剥製。前にも書きました。
Das Otterhaus 【カワウソ舎】 | 旭山どうぶつ・生モフモフと元モフモフ
ああ、そういえばこのとき↑長時間貼り付いてたホッキョクギツネのモフモフ夫婦も、亡くなってしまいました。合掌。

どうも。
この剥製になっている個体の正体を教えてもらおうと、どうぶつ図書館を訪ねます。
あべさんの『どうぶつえん物語』にはカワウソと昼寝してて園長におこられる話が、『どうぶつ友情辞典』には、カワウソ舎で昼寝をしてたらカワウソが上着のポケットに入ってた飼育手帳を抜き取って洗い、中の一万円札をバラバラにして獺祭してた話が出てきます。

どうぶつえん物語
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あべ弘士 どうぶつ友情辞典
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この話に出てくるカワウソがこのコツメの剥製なのかどうか、を解明したいと思ってました。一万円を獺祭してたコツメ、名前はチャックっていうらしい。
で、図書館の担当さんを煩らわせてようやく見つけてもらった記録によると、旭山では1973年から1981年まで、メスのコツメ1頭を飼育していたのだそうです。ってことは、この剥製はそのチャックである可能性が高い。いずれ、あべさんにお会いする機会があればぜひ確かめてみたいと思ってます。

あなたがチャックなの?

となりにはユーラシアがいますが、こっちの正体はすでに割れています。去年、前の園長の小菅さんに直接お聞きしました。
安藤元一先生の『ニホンカワウソ 絶滅に学ぶ保全生物学』(アマゾンへのリンクは右のどっかにあります)のp.117に書いてある、交通事故死体で発見されたカワウソが、まさにこの個体。1989年に旭川市神居古潭で見つかって日本中をぶったまげさせたのだそうです。小菅さんを始めとする専門家11人による解剖〜鑑定の結果、飼育個体であると結論づけられました。しかし何でまた飼われてたユーラシアがこんなところで車に引かれて死んだのか、そのあたりはまったく謎のまま。
・・・

というわけで、はるばる旭川からうちにやってきたフェルトうそですが、

鼻がピンクでいい感じです。構えたポーズで「こっち見た!」瞬間が見事に表現されてますね!
【追記 2012.6.6】
書き忘れ。1989年の謎のユーラシアカワウソの鑑定については、以下の資料に記述があります。というか下は報告書そのもの。どちらも旭山動物園動物図書館で読むことができます。
●モユクカムイ No.19
旭山どうぶつえんニュース 1990年1月
●旭川のカワウソ —北海道旭川市で発見された『カワウソ』の出自調査報告書—
北海道保健環境部自然保護課 1990年3月
【追記 2012.7.6】
「旭山のコツメ剥製がチャックなのかどうか問題」ですが、確認がとれました!
あの剥製はチャックです! ギャラリープルプルのさいとうさんが、あべ弘士さんに聞いてくださいました。
ひっそりと何の説明もなく展示されている2体のカワウソ剥製ですが、実はどちらも由来のある個体なんですね。