Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

大森山キリン・ハズバンダリートレーニング2

[ Continuing report of Giraffe's training at Akita Omoriyama Zoo. The giraffes are given a lot of leaves as a snack. And the giraffe keeper Mr. Shibata has a training for Llama too. ]

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カンタと柴田さん。秋田市大森山動物園のアミメキリンがつづきます。


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わーい♪


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こっちこっち!


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いや、あっちだ〜!


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もしゃもしゃ


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うまうま〜♪


ふたたび柴田さんにうかがったこと。

動物園にいるキリンたちは、基本的に乾草(主にウシ用の牧草を干したやつ)が主食で、本来の主食である木の葉はおやつ程度にしか与えられません。大森山では、何年か前に動物園周辺の公園までが動物園の管理?になったらしく、木の葉を入手するのが楽になったのだそうです。とはいっても、いちいち枝を払ってキリン舎まで持って来る必要があるわけですから、キーパーさんの仕事は増えてしまいます。枝ごと水に浸けとくと3日は持つそうですが、大変な作業であることに違いはない。

同じ乾草でもイネ科主体のものを与え続けていると、だんだん歯が弱くなるんだそうです。カルシウムが足らんのでしょうか。これをマメ科主体のやつに切り替えると、そのあたりが改善されるようです(実際、キリンの食い付きもよい)。値段はそんなに変わらないらしいので、他の動物と共用の乾草にしないで、ちゃんとキリンに最適なものを選ぶ必要がある、ってことですね。


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おいしい葉っぱタイムです。


では動物園で木の葉をキリンの主食にすることが可能かどうか。これにはもちろん量の問題もありますが、冬に入手困難になってしまうという問題の方が大きいのです。柴田さんは木の葉で乾草を作って保存することを試みられてました。しかし作業量が膨大でリアリティがないので、飼料メーカーで作ってくれればいいのに、ということでした。こうなるとやはりコストの問題になるのか。

極端な話、ジャイアントパンダとは言わないにせよ、せめてコアラなみの予算を投入すれば可能なはず。そしてそれによってキリンの寿命(今よりもっと延ばせるはず、と柴田さんは考えてた)を延ばすことが期待できるわけだけど、何となくいるのが当たり前みたいな存在であるキリンのために、そこまで潤沢な予算を確保するのは一般的に難しい。そこを彼のような情熱あるキーパーさんの自主的な努力が埋めているのが現状なんだけど、そのあたり、もうちょっとどうにかならないもんだろうかと思ってしまった。

問題の根源は、キリンなんか動物園にいて当然、とどこかで思ってる、われわれの安易な動物観にあるのだろうなあ。もちろんキリンに限らず、もう動物園にいて当たり前、なんて動物はいるわけなくて、すべての動物は動物園にいてくれて「大変にありがたい!」と思わなきゃいけない時代に、われわれはいるんだけど。



・・・



さて、大森山のキリン舎にはリャマ(ラマ)もいます。

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いえ〜い!


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えっへん。

1歳の♂、ヒロです。


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当然、ヒロくんもトレーニングの対象w


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さあ、トレーニングはじめるよ


リャマのトレーニングは、やたら人間に唾を吐きかけない個体にすることであり、あとはリードをつけて安全にお散歩できるようになること。本来は使役動物なので、ゆくゆくは荷物も背負えるようになるといいよね! リャマが他の動物のエサを運ぶ動物園、なんていいなあ!



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まずは首輪をさわってもいやがらないように。


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ピー(よくできました)。


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そしたら次は・・


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リードをつけます。


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準備完了。


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では出発!


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外は暑いねえ・・・


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リードを付けた状態で、


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ぐるぐると


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パドックを歩き回ります。


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よくできましたー♪


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そしたら最後に、おすわり!


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グッジョ〜ブ!


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ところでこのキリン舎の床をご覧ください。砂が敷かれてますね。

一般にキリン舎の床はコンクリートで、フンや食べ残しを水で流す掃除がしやすいようにわずかな傾斜がつけられており、その上にワラが敷かれています・・・というのは要するに牛舎と同じ発想でできているわけですな。しかし大森山ではそんなふうに作られていた標準的なコンクリの床の上に、あえて厚く砂が入れられています。

たしかにこの方が滑りにくく、どう考えてもキリンのためによさそうに見えます。なのにどうして他所がこれをやってないのかというと、やはり掃除が大変と思われているからだろうとのこと。いつもは掃き掃除だけで、砂の交換は何と年に1回。それで特に匂いもない。だったら絶対、砂の方がいい!


Trackback

hotall | URL | 2012年08月04日 20:54
詳しいレポートありがとうございますです。敷き砂とか干し葉?の話とか、色々興味深いです。何より2頭(+リャマ)とも楽しそうなのがいいですね。

イネ科の乾草は、ケイ素なんかが含まれていて硬いので、キリンの歯が摩耗してしまって良くない、とかいう話をキリンの飼育マニュアルで読んだことがあります。(確か千葉ではまだ与えていたような気がしますが〜)読ませていただいた感じでは、大森山は葉っぱの物量的には確保できているのでしょうか。うまく活用できるようになるといいですね。
jsato@otterhaus | 2012年08月05日 07:56
>hotallさん
そりゃもう楽しそうで^^

ああ、イネ科は歯そのものが摩耗するんですか。乾草の中の茎も食べないそうなので、やはり硬いのがイヤってことなんですね。

葉っぱの量ですが、2頭のわりにはかなり多めにあげてました。放飼場のまわり何か所かに枝を結びつけて、ぐるっと移動して食べられるようにしているそうです。近場に切り出せる場所があるので、人手さえあればということになりますが、豊富に供給できるのではないかと。

干し葉も見せていただきました。葉を枝からちぎって乾燥させたもので、作るのにかなり手間がかかるようです。

それとさきほどパート1の方のコメントにも書きましたが、あの注射針は先を折って刺さらなくした練習用なんだそうです。

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Where captive otters live in Japan.

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Junichi SATO

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[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

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・・・
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