Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

東山カワウソ・ゾウとコツメでゾージアム?

[ Last year, Nagoya Higashiyama Zoo and Botanical Gardens opened their new Asian elephant exhibit named "Zouseum". Actually, there is second ASCO exhibit in this area. The idea was good because these two species' wild distribution overlaps. But this new exhibit didin't express that kind of information at all. So I felt that ASCO exists as just a garnish here. ]

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東山動植物園がつづきます。昨年オープンしたアジアゾウ展示「ゾージアム」にはコツメがいるのですが、ようやくそれを見に来ることができました!


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あら、こんだけ?


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「かわうそだってー」「おーいかわうそー!」「カワウソぉ〜」





呼んだって起きないよ。





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あら、起きたw


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あ〜あ、やってらんねえなあ。


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え? なに? ごはん?


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なんだ違った。


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ふぃ〜


ゾージアムはもちろんゾウの展示です。ここではコツメは添え物、パセリぐらいの存在にすぎないようです。

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かなり広いですよね。というか、前はいったい何があったんだっけここ?


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出た〜! さくらちゃんとお母さん。


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父ちゃんも来ました。ファミリー写真だ!


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とてとて・・・


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もしゃ。


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わーい。


子ゾウの動きって、表情って、ほんとに「わーい」って感じなんですよね。


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草まみれ。


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目線もらいましたー



・・・



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んで、ふたたび添え物ちゃんです。

ちょっと残念な気持ちがあります。

せっかく生息域がかぶっているアジアゾウとコツメで新展示を作るわけですから、両者をもっとうまく溶け込ませて見せることができなかったのかなあ、と思います。この2種の大きさの違いを考えると、展示デザイン上、いろいろ難しい問題があることはわかります。でも今のこの展示では、コツメカワウソがここにいる意味がさっぱりわかりません。伝えるべき根本的なメッセージが、抜けているのです。

このエリアに全くメッセージがないわけではありません。しかしそのベクトルは主に過去の方へ向いているんです。戦中戦後を通した「動物園のゾウ」への強い思い入れが、生息地の動物の姿を可能な限りトータルで伝える、という「大きな動物園が今やるべきこと」に勝ってしまっているように見えます。

もちろん「日本最大級のアジアゾウ舎」にコツメカワウソを入れたことは、とても評価されることです。だからこそ、なんです。せっかくお金をかけてこれだけ素晴らしい規模のものを作ったのだから、コツメのような小さい動物の展示にまで、末端の細かいところにいたるまで、効果的な見せ方の工夫が貫けなかったものか、と。そこのところがどうにも残念でなりません。


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あ、寝てるんじゃなくて石で遊んでますからw


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いわゆる「壁ぎわジャグリング」の状態です。


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決まった!


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何やってんの〜?


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まぶしー!

ここちょっと陽当たりがよすぎかもしれませんね。砂漠にいるマングースとかだったらいいのかもしれませんが、コツメカワウソとしては、もう少し薄暗い場所の方が、いろいろと生活がしやすいのではないかなあ、などと思ったり。


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さかなもらったぁ!

やっとごはんになりました。


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やはり東山といえば、無敵ラーテル!


Trackback

yumi | 2014年11月21日 11:33
そうなんですよね、リニューアルオープンした時もゾージアムの話題ばかりでコツメの展示に何もふれずなぜここにいるのかもよくわからない感じでした。
ただ以前の真っ暗展示に比べたらカワウソ臭も感じることのできるこちらの展示はうれしいですよ。
jsato@otterhaus | 2014年11月21日 18:38
>yumiさん
まったくです。コツメが東山の大通りに進出してきたこと自体はめでたいのです。それに加えて、ここでコツメを見せる意義までしっかり伝えてもらえればもっといいのにな、ということです。
はまうそ | 2014年11月21日 22:03
ごぶさたしております。
地元出身として盆の帰省時、延期になったナイトズー初日に開園から閉園までいて感じたこと。
まさに同感です。彼ら(動物たち)にとっては『やってらんねえなあ』でしょうね。『オレたちをどうしたいの?』とも。
いまだにそんな旧態依然とした園館が多くて困ります。
予算や時間がなくてもないなりに、あるのならなおのこと展示には心意気(工夫)をみせてもらいたいものです。
jsato@otterhaus | 2014年11月21日 23:40
>はまうそさん
毎度ありがとうございます。
たしかに展示の心意気のあるなし、ってのは見る側に確実に伝わってきますよね。小さな園館は細やかな工夫で、大きな園館はぜひ、高い理念を形にしてほしいと思います。

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Where captive otters live in Japan.

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Junichi SATO

self portrait

[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

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