Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

カワウソ探索1@シンガポール

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シンガポールの街中に現れるビロードカワウソ!

・・・というわけで、国際カワウソ会議の期間中から、ビロードカワウソを追いますよ。

まずは会議2日目の夕方、参加者有志でマリーナ・ベイ地区に出かけました。あの誰でも知ってる観光地であるマーライオンの沖がいつのまにか埋め立てられて、浮かれた空中プールなどのあるホテルなどができて近ごろ大層、賑わっている地区です。


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何げなく標識が立ってますが、


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なんとこれが、カワウソ標識です!

カワウソに出会ったら?
・犬のリードはしっかり保ちましょう。
・カワウソに触れたり、追いかけたり追い詰めたりしてはいけません。遠くから観察しましょう。
・大声でしゃべったり、フラッシュを使って写真を撮ったりしてはいけません。
・カワウソにえさをあげてはいけません。
・水中にゴミを捨てたり、とんがったものを水中に残してはいけません。



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こちらは路上のフン場。フンに大量に含まれる魚のウロコがばらけています。


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この写真だけ別の日の撮影ですが、実はこのあたりにカワウソファミリーの巣のひとつがあります。大型野生動物が、こんな街中のモダンな橋の下に住むか普通!


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橋を渡ってガーデンズ・バイ・ザ・ベイ方向へ。するとまたカワウソ標識が!
画面左側に水面があるんですが、そこから上陸して右側のガーデン方向へ、この人通りのある道を渡るらしいです。何がって? カワウソがですカワウソが!


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そこいらの砂場には足跡が・・・。ここまで証拠を示されても、まだ信じられません。


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ところで、シンガポールはいろいろ禁止事項がある国であるということはよく知られてますが、「釣り」まで禁止なのだった。国の魚はすべてカワウソに任せたい、ということらしい。


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だいぶ日が暮れてきましたが、そのまま歩いて行くと河口堰(Marina Barrage)と巨大なポンプ場が現れます。マリーナ・ベイ(湾)は出口が締め切られて、淡水化されているのでありました。写真のポンプ場が実に現代的なかっこいい建物でした。まさかここでドボクなアイテムが現れるとは。まさに自分の出番が来たなあ、という感じがします。

釣り禁止+河口堰による淡水化。どうやらシンガポール当局の施策は、すべてがカワウソ側に有利に作用しているような気がしてならない。


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結局、この日はビロードファミリーに会えずじまい。

しかし、どう考えてもこんな風景のところに野生のカワウソが出るとは思えないでしょ?


・・・



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さてその3日後、会議終了の翌日にフィールドトリップが行われました。この夜明けの風景、どう見ても団地内の小川ですが、ここビシャンAMK公園(Bishan-Ang Mo Kio Park)は先日のマリーナ・ベイと並ぶ、カワウソ出没ポイントなのだった。


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カワウソが、朝に巣から出てくるところを期待して出かけましたが、巣から出てくるのは鳥ばかり。これはゴシキセイガイインコ(Rainbow lorikeet)。


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会議参加者の大部分、バス2台分のカワウソ専門家がみんなでカワウソを探すのですから、カワウソの立場で考えると、やっぱり出にくいでしょうなあ。


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というわけで、朝食抜きでお出ましを待ちますが、どうやら空振りっぽいです。


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あ、ナンヨウショウビンだ!


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しかし、接近失敗して逃げられました。代わりにアオショウビン。代わりでごめんね。

というわけで、自分としては鳥を撮りに行ったようなものでした。



・・・



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フィールドトリップの後半は、チャンギの集落から船で島に渡ります。ご覧の通り、空港からそんなに離れてないところなんだけど。


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こんな船で渡りました。


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渡った先がウビン島(Pulau Ubin)。
ここはシンガポールで唯一、コツメカワウソの生息がある地域です(他の地域はすべてビロードカワウソ)。


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この島ではコツメの生息環境の保全活動が行われており、マングローブの林の中に、人工の巣を作る試みが紹介されていました。


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今からその現場に連れて行ってもらいます。みなさん真剣。


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これが人工の巣。コツメ用にしてはゆったりサイズか。とにかく使ってくれるといいですね。


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すると、頭上で何やら物音が。おや、サルが出た!


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カニクイザルです。われわれを偵察に来たっぽい。


もとよりそう簡単に野生のコツメカワウソに会えるとは思ってもいないので、生息地を実際に見られただけでも貴重な体験でした。



今回はカワウソの痕跡を追うだけでしたが、次回はいよいよ、生のビロードカワウソ様が降臨します。つづきをお楽しみに!

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おやすみ前にこの一冊・・・
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「カワウソなび」の最新情報はこちらをどうぞ↓


Where captive otters live in Japan.

 Otter holding facilities in Japan

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Junichi SATO

self portrait

[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

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かわうそ3きょうだいのふゆのあさ (えほんひろば)
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・・・
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