Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

しな水カワウソ・その2

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しながわ水族館のコツメカワウソ、ニコ(左)とシュラ(右)。つづきです。


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なんだなんだ〜


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ときどき天から神の手が伸びてきて、食べ物をくれたり、


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ターゲットトレーニングをしてくれます。

で、このコツメワールドが緑色なのは、もちろん照明によるものです。

一般に水族館の水槽の照明ってクセのある光源が多いですよね。主に明るさの効率と、水槽内の動植物への影響を考慮してセレクトされているわけです。肉眼ではそれほどクセを感じないのは人間の目のフレキシビリティのたまものですが、写真装置はそのあたりのフレキシビリティが足らないので、写真に写すと色が変、ということがしばしばあります。

中でもメタルハライドというランプは独特の色合いになってしまうので悩まされたもんですが、最近ではこれが高出力のLEDに置き換わりつつあるようです。こちらのコツメ水槽も最新のLEDだそうです。

ではそのLEDの光が緑色に写っちゃうのか、というと必ずしもそうではないようです。最新のフルスペクトルLEDという光源は可能な限り可視光線のすべての波長の光を含むように作ってあります。蛍光灯のように特定の波長が強く出ているために緑色に写る、ということは基本的にはないはず。

ということは、天井を覆うプラスチックの葉っぱを通った光が緑なんでしょうかね。フルスペクトルLEDは演色性が高いので、緑色がより鮮やかに写ってしまうのかも?


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で、とにかくこういう場合は写真を補正する必要があるわけですが、ここでちょっと注意が必要です。緑色を消すためにはその補色であるマゼンタ(赤紫)を足していくという補正をするんですが、緑を完全に消すまで補正すると、カワウソの毛皮がありえない色(紫色)になっちゃいます。

つまり毛皮の色を自然な状態にするところで補正を止めると、どうしてもこの緑色は残ってしまうのです。

さらに、上の写真のように水槽の外(別の白熱系の光源?)も写っていると、完璧な補正はかなりの手間になります。部分的にホワイトバランスを変える、という処理はできればやりたくないものです。こういうのはAIがやってくれるなら任せたい。


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ドアが開きました。


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出たり入ったり。奥行きはあまりないみたいですね。


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ぷかぷかニコちゃん。


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奥のくつろぎスペースには、


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しな水トレーナーみたいなのが落ちてまして、


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主にシュラがもぐって遊んでました。


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出たり、


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入ったり。


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ふがふが・・・


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ん?


・・・



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「カワウソえさやり体験」の時間になりました。もちろん大人気です。


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ここで水槽の側面の上部にある、謎の小型ドア(右のやつ)が活躍します。時間になるとここへ写真のように、アクリルパイプがセットされます。ちなみに左のアクリルの丸いやつはカワウソ出窓。カワウソの気が向いた時に階段で上がってくるそうです。


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で、そのままだとえさ(小さい切り身?)が下に落ちないので、その中に水が流れるように工夫されています。これはすごい!


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こうやって祈っていると・・・


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・・・出ませんね。まだ信心が足りない。


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まだか〜っ


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えさ入れるのにもコツがいるみたいですね。


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出た出た〜♡


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いただき〜

コツメカワウソの習性を見せるためのいろいろと細かい工夫のある、水族館ならではの展示と思いました。まだ見に行ってないみなさんもぜひ!


おやすみ前にこの一冊・・・
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東京書籍刊『カワウソ』をお買い上げくださいましてありがとうございます。おかげさまで何と4刷!

「カワウソなび」の最新情報はこちらをどうぞ↓


Where captive otters live in Japan.

 Otter holding facilities in Japan

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Junichi SATO

self portrait

[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

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