Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

おたる水族館 2310

240721_01
おたる水族館のコツメカワウソ、カオル!
昨年(2023年)10月の撮影です。データ寝かせてまして申し訳ないです


240721_02
何か見つめています。このドンゴロス製ハンモックを吊ってる青いカラビナ、わたしのカメラバッグにも付いてるので、何だか他人ごととは思えないんだけど


さて、前回の記事↓はいつだったかのな、と思ったらまあ何と2012年。干支がひとまわりというか、当時生まれた方がもし人間だったらもう中学生、ってぐらい前だった




Das Otterhaus 【カワウソ舎】 | おたるカワウソ・ペンギンも♪


当時から展示が暗くて苦労してましたっけね〜。粘りの撮影とど根性の現像処理で何とか見えるように仕立てて乗り切った覚えが・・・


240721_05
当時よりもっと暗くなったような気がするけど、もちろん単なる気のせいでしょう。というか機材が最新の高感度ミラーレスだと、今では普通に撮れる暗さだと思うので安心してください。12年分のデジタルの進化は半端ないです。ところがわたしの機材は12年前とほとんど変わってないので、やっぱり暗いのでしたすいません


240721_03
さて、それでどうするかな


240721_04
上がるか?


240721_06
お、ブリッジ行きますね!

ブリッジ中央部の通過中は真っ暗なので撮れません(いや、もし最新の撮影機材だったらごにょごにょ・・・)


240721_07
下ります


240721_08
対岸サテライトに着地


240721_09
ま、ここでポーズはキメるでしょ

で、このあと地下水路トンネルを抜けて元の展示場所に戻るのですが、トンネルのアクリルも12年以上分の年季が入ってて切ない感じだったので写真は省略しますね


240721_10
というわけでカワウソ展示は以前とほぼ一緒でありました。内部の木組みやなんかはチューニングされているようです


240721_11
最近のカワウソ展示では、どこもこのようにカワウソの詳しい情報を出していただいて、本当にありがたく思っております


240721_12
そういえば今まで真冬とか、春でも雨天(記事にはしてません)とかにしか来たことなくて。実はこんなに天国だったのかよ〜おたる水族館! 今日は公式コピー「国定公園の大自然に囲まれた水族館」ってのがしみじみと実感されるほどの絶好なお天気です

ところでこの写真右側の食堂、ニュー三幸さんですが、水族館内にあるこのお店は実に水族館の食堂、という雰囲気ですが、今回、小樽市内のお店(ニュー三幸小樽本店)に行ってみたのですよ。そしたらすんごいいい感じの昔ながらのビアホール風レストランで驚きました。小樽〜札幌に住んでいる方はみなさんご存知なんでしょうけど。また行ってみたいです(おお、2021年には新千歳空港にも出店してるんですね!)


では、このへんで下の海獣公園にまわってみましょう


240721_13
寄ってらっしゃ〜い


240721_14
ジェンツーの新プールできてました


240721_15
その名も「しゃっけー!プール」。東北地方より北の出身者は一発で意味分かりますね。もちろんこの写真のように借景の意味もあります


240721_16
トドが泳ぐよ〜


240721_17
世界のペンギン18種実物大パネル(カラス付き)


240721_18
何か人生における教訓みたいなことが書いてあるのかな、と思ったらペンギン界の事情が淡々と書いてあるだけだった。いや、それでいいんです


2023年の撮影がしばらく続きますよ



名古屋港水族館に坂巻さんのお仕事を見に行く

[ I visited Port of Nagoya Public Aquarium to see the works of exhibition designer Masuo Sakamaki. His works around aquariums and zoos are unique and exellent. They have exquisite adjustment of viewpoint and some fine inventions. By the way, this aquarium's features are Beluga whale, penguins of polar region, Sea turtles and Orca. ]

150314_01
名古屋港水族館のヒゲペンギン。


150314_02
ぶったまげる園児たちに興味津々なベルーガ。


150314_03
ベルーガのトレーニング。まずは検温ですね。


150314_04
ちょうだい


150314_05
たりない


150314_06
指示見えてる?


150314_07
ちゃんとやってますよー


150314_08
またね〜


さて、以前から生態展示造形デザイナー(ってお呼びしていいのかな?)の坂巻さんのお仕事が気になっているので、少しずつではありますが意識して回ってみようと思っておるわけです。

Das Otterhaus 【カワウソ舎】 | 八木山のアフリカ2・キリンにサイに

そう、あの八木山のアフリカ平原を設計された坂巻加夫さん。

名古屋港水族館は1991年の開館時と、2001年の2期(つまり北館)の両方にかかわっていらっしゃる。そんなわけで、今回はじめて名古屋港水族館にやって来ました。


150314_09
で、このベルーガ展示(オーロラの海)が実に、というかおそらく坂巻作品だなあ、と気付く。どこかに書いてあったりするわけじゃないですからね。


150314_10
ホッキョクグマの巣穴なんかも作ってあります。植物の植わり方とかいろいろ細かいのだ。手押しポンプでプールの水を汲んで触れられたり、とかも(←壊れてました)。


150314_11
オーロラの海を出てスタジアム方向へ。


150314_12
客席から見たメインのイルカプールですが、後の壁面(と、大型スクリーン)に注目してください。みごとな柱状節理です。高さはそれほどでもないですが、広くスタジアムのステージ背景を形成しています。


150314_13
その柱状節理の擬岩の中は、切り通しみたいになってて、歩くことができます。

歩いていくと、「北の海の豊かな生態系」の説明板が見えてきます。その手前の壁面に注目。


150314_14
ウミガラスの模型があって、ブック型の説明パネルがあって、その下に卵の模型も置かれています。

ウミガラスは巣を作らず、岩の上にいきなり卵を産み付けるそうです。それでも転がらないのは、卵の形状のためで、尖った部分を中心にして小さく円を描くように転がるので、ころころとどっか行ってしまうことがない。なるほど。

こういう、あまり人通りのないようなところの細かい展示を見つけたりするのも、楽しい。


150314_15
南館へ。ウミガメ回遊水槽。


150314_16
産卵用の人工砂浜があります。


150314_17
昨年8月に孵化したアカウミガメが。

写真は載せませんが、水族館の隣にある「カメ類繁殖研究施設」には、同じ日に生まれた子ガメがいっぱいいました。


150314_18
その先、ペンギン水槽。


150314_19
ぼよよ〜ん


150314_20
ヒゲにアデリー、エンペラー。


150314_21
これらのレアペングループと、


150314_22
わりとよく会うジェンツーグループが、仲よく同居しています。


150314_23
冬の間、ジェンツーたちはおさんぽの仕事があります。


150314_24
ヒモに興味がございます。巣材にいいかも。


150314_25
ここまで歩いては来たものの、ここから先どうしたもんだか。


150314_26
テープに興味がございます。巣材にいかがでしょう。


150314_27
おっ!


150314_28
こんなところでディスプレイですか。


150314_29
ふぃ〜


150314_30
しかし、こんなでかいのがジャンプしていいのか!

おもいで博覧会・マリンピア松島水族館

[ Japan's second oldest aquarium Marinepia Matsushima Aquarium will be closed on May 10, 2015. Their fishes and animals will move to the new aquarium which is building now in Sendai city. ]

141217_01
2015年5月10日に閉館することになった、マイ・ファースト・アクアリウムのマリンピア松島水族館。おそらくこれが最後の訪問になりそうです。

実はこのブログでも震災直後に1度、取り上げただけでした(カワウソいないからね)。

Das Otterhaus 【カワウソ舎】 | 松島どうぶつ・不滅のマリンピア!

その後、紆余曲折を経てやっぱり仙台水族館を作ることになって、お約束通り松島は幕を下ろすことになったわけです。今回の撮影は11月下旬です。


141217_02
現在の松島水族館の雰囲気を決定している大屋根がかけられたのは1993年。意外と最近なのでした。


141217_03
このレリーフのついた建物は「第二水族館」という建物で、1980年にできました。


141217_04
ですので、わたしは数年前に大人になってから初めて来たときに、以前の記憶と全く一致しなかったのは当然といえます。


141217_05
水族館のある場所は88年前からずっと同じです。同じ場所で営業している水族館としては日本最古を誇ります。


141217_06
それだけに、各時代で景観が大きく変わっているということです。


141217_07
「ペンギンランド」ができたのが1989年。この年、単なる「松島水族館」から「マリンピア松島水族館」に名も変わっています。


141217_08
このモノレール?は意外に古くからあり、1970年の写真にもレールが写っています。


141217_09
スイカペンギンがw


141217_10
で、何で歴史に詳しいのかと言いますと、


141217_11
この展示を見たからです。なーんだw


141217_12
大屋根がかけられる前の全景。


141217_13
宮城県出身者にとって松島水族館といえば、もうラッコとマンボウなわけですが(CMがすごかったからね)、ラッコが入ったのは1984年のことでした。実は、ラッコ存命時代にわたしは来ていないのであった。すいません。


141217_14
剥製が2体。成獣の方は人気者だったアイ。


141217_15
かなりかわいさを意識して剥製化されてます。


141217_16
ラッコ金貨。


金貨というのはウソで単なるメダルだと思いますが、実際、ラッコ登場の翌年の1985年に年間入場者数が過去最高を記録しています。ラッコは水族館にとって、まさに金貨のような存在だったと言えましょう。


141217_17
他に目玉であったマンボウ、スナメリ、イロワケイルカの展示があり、当時の写真や資料は興味深いものでした。そして現在の目玉であるペンギン。そもそもの発端はイロワケイルカ入手の際にチリにできた人脈を使って、マゼラン、イワトビ、マカロニを入手したもの。1989年のこと。

一般論として、この時代がいい時代だったのか、何とも言えません。今の価値観からするとまあ、かなり思い切ったことをやっていたものだと思うしかないのだけれど。実際に当時、海外から動物を入手するプロジェクトで仕事をされていた某水族館の方にうかがうと、それは冒険譚満載で、超一級の面白い話だったりします。もちろん今日、そんな話はおおっぴらにはできないわけで、そういう意味からもやはり「いい時代だったのですね」としか言いようがないのかもしれない。何とも歯切れの悪い言い方で申し訳ないです。


141217_18
ここまで見て、本当に終わっちゃうんだなあ、と実感がわく。



・・・


141217_19
ジェンツーの繁殖賞は松島なんですね。

ペンギンランドは仙台水族館にどの程度、引き継がれるのだろうか。


141217_20
「第一水族館」に入ります。入口は「ジャングルゾーン」。

夏にブラジルに行ってから、日本の水族館でわりと普通に見られる巨大なピラルクが現地ではなかなか見られないことを知って、見方がちょっと変わりました。何だかんだで日本の水族館すごい。


141217_21
松島といったらこれでしょう。しかしカキの展示はその後、宮島がでっかいのを作ってしまったので、今見るとおとなしめの展示です。


141217_22
黒潮の海水槽。こちらも他館の巨大水塊を見慣れてしまうと、かわいく見えてしまいます。以前の記事で、小さくてもいい水族館になる方法はあるだろう、とか書きましたが、そういう趣味的なレベルでは経営は成り立ちませんわね。


141217_23
コワモテなのに意外に人気のある、バイカルアザラシ。


141217_24
バイカルアザラシ展示横の登り通路が、第二水族館へのブリッジになっています。


141217_25
通路にはイロワケイルカの展示が。


141217_26
第二水族館へ渡ったところから、第一水族館を見るとこういう感じ。


141217_27
イロワケちゃん!


141217_28
ところで、松島になぜイロワケイルカがいるのだろうか、と思ってましたが、予定ではリクゼンイルカ(イシイルカのリクゼンイルカ型)を入れるつもりだったらしい、ということをさっきの「おもいで博覧会」展示で知りました。というか、リクゼンイルカ入れたのはいいが長生きせず、次善策として塗り分けが違うけど同じ白黒のイロワケイルカになったのだそうです。


141217_29
第二水族館外壁のあのレリーフ(3枚目の写真)、リクゼンイルカの塗り分けで作ってしまったのを、あとでイロワケに直した、というエピソードが紹介されていました。


141217_30
マンボウを経て、


141217_31
ウミガメを通って、


141217_32
イロワケプールの上を覗くことができます。しっかりトレーニングされておりました。


というわけで、ほんとにさようなら松島水族館。
水族館の歴史に興味のある方は、「おもいで博覧会」はご覧になった方がよいと思います。


この記事書いてたら、来年5月までの間、もう1回行っちゃうかもしれないような気になってきました。

おやすみ前にこの一冊・・・
160px_kawauso_book
東京書籍刊『カワウソ』をお買い上げくださいましてありがとうございます。おかげさまで何と4刷!

「カワウソなび」の最新情報はこちらをどうぞ↓


Where captive otters live in Japan.

 Otter holding facilities in Japan

動物園・水族館・生息地

[動物園・水族館・生息地ごとの記事アーカイブ。カワウソ中心ですが、たまにほかの動物も出ます]

月別アーカイブ
カテゴリ別アーカイブ
記事検索
タグ絞り込み検索
Junichi SATO

self portrait

[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

 Biography + Bibliography
(展覧会と各種掲載リスト)


 Floodgates

 Twitter : otterhaus
 Facebook : otterhaus
 Tumblr : otterhaus
 Tumblr : otterhausanbau
 Flickr : Otterhaus

* 依然として記事の内容に無関係なスパム的書き込みが多いため、各記事に対する新規コメントは現在、受け付けておりません。ご連絡はFacebook、Twitterをご利用いただければ幸いです。


キュイキュイ書房
カワウソ本とカワウソグッズの密林セレクトショップ♪

かわうそ店長、とってもハマります。すでに9巻まで出てるよ。

かわうその自転車屋さん 1 (芳文社コミックス)
かわうその自転車屋さん 1 (芳文社コミックス) [コミック]

こやまけいこ
芳文社
2014-10-16


酒ケーキもいいんだけど、せんべいの方がもっといいよ獺祭。

旭酒造 獺祭 煎餅 だっさい せんべい 山田錦の砕米で作りました 30枚入り
旭酒造 獺祭 煎餅 だっさい せんべい 山田錦の砕米で作りました 30枚入り [その他]
旭酒造


世界13種のカワウソが網羅されているすばらしい入門書が出ました。写真もいっぱい!

Otters of the World
Otters of the World


ハンザのぬいぐるみが各種、買えるようになってますよ。
カワウソ No.3320
カワウソ No.3320 [おもちゃ&ホビー]


フィギュアはシュライヒが造りがいいですね(なぜか最近すごい値段になってる!)。
Schleich シュライヒ カワウソ
Schleich シュライヒ カワウソ


かわうそ3きょうだい そらをゆく (にじいろえほん)
かわうそ3きょうだい そらをゆく (にじいろえほん)


かわうそ3きょうだいのふゆのあさ (えほんひろば)
かわうそ3きょうだいのふゆのあさ (えほんひろば)


かわうそ3きょうだい (えほんひろば)
かわうそ3きょうだい (えほんひろば)


空がレースにみえるとき (ほるぷ海外秀作絵本)
空がレースにみえるとき (ほるぷ海外秀作絵本)


ぼく、およげないの
ぼく、およげないの


ニホンカワウソ―絶滅に学ぶ保全生物学
ニホンカワウソ―絶滅に学ぶ保全生物学


Otter (Animal)
Otter (Animal)


Otters: Ecology, Behaviour And Conservation (Oxford Biology)
Otters: Ecology, Behaviour And Conservation (Oxford Biology)


カワウソと暮らす (富山房百科文庫 (34))
カワウソと暮らす (富山房百科文庫 (34))


The Ring of Bright Water Trilogy: Ring of Bright Water, The Rocks Remain, Raven Seek Thy Brother
The Ring of Bright Water Trilogy: Ring of Bright Water, The Rocks Remain, Raven Seek Thy Brother


椋鳩十全集〈20〉カワウソの海
椋鳩十全集〈20〉カワウソの海


ガンバとカワウソの冒険 (岩波少年文庫)
ガンバとカワウソの冒険 (岩波少年文庫)


河合雅雄の動物記〈2〉カワウソ流氷の旅
河合雅雄の動物記〈2〉カワウソ流氷の旅

・・・
わたしの本も、ついでにいかがでしょう?


カワウソ

おそらく日本初の、カワウソだけ写真集


ドボク・サミット
ドボク・サミット

みんなで作ったドボク本



恋する水門―FLOODGATES

一家に一冊!世界初の水門写真集


Das Otterhaus 【カワウソ舎】