Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

オオカワウソ探索4@ブラジル

[ It's the second day's afternoon. We met Coati and Tufted capuchin in the flooded forest. It was great encounters again. On the other hand, I was getting nurvous because I couldn't take photos of Giant otter yet. Where is Giant otter at all? ]

140908_01
アカハナグマ〜!

ブラジルはカンタオ州立公園でのオオカワウソ探索、2日目の午後になりましたが、まだオオカワウソの写真が撮れていないのでちょっとあせってきた。それでも今日は朝から野生動物がいろいろ出現するので、1〜2時間おきに興奮しています。


140908_02
アラグアイア協会(Instituto Araguaia)の観察ステーション、じゃなかった、正しくはリサーチベースの昼下がり。


140908_03
ここで飼ってるんだか、野生のが来て居着いているんだか、な鳥。


140908_04
こんなところに何週間か腰を据えてオオカワウソをじっくり撮影する、というのもよさそうです。

そういえばここ、以前NHKのチームがオオカワウソの取材に来ています。2年ぐらい前のワイルドライフでオオカワウソの回があったのを覚えてますか。今年の7月ぐらいにたまたま再放送してたのを大学の研究室でぼ〜っと見てたら、最後のクレジットにInstituto Araguaiaと出てきたので、あー、あの番組って実は今度行くカンタオで撮ったんだったのか!と驚いたものですが、それがまさに「ここ」なのであった。


これまでの放送[124] 南米アマゾン オオカワウソ 家族の団結で子どもを守れ│ワイルドライフ


ところでこのリサーチベースでは、川の水をろ過して飲んでいます(上のワイルドライフの「フィールドリポート」というところに、まさにそのろ過器の写真が出てる。つまりNHKの人たちも飲んだw)。はじめにその話を聞いたときは、そんなもん飲んで大丈夫か〜!?と思いましたが。結論から言うと・・・わたし、もう何杯も飲みましたがな。で、別にお腹は何ともなかったので、ものすごくきれいな水なんでしょうね。たしかアマゾンの黒い水は弱酸性で微生物とかいない、みたいな話だったと思うんだけど。他所の川では絶対にマネできんなきっと。



140908_05
ふたたび浸水林へ。これはジャノメドリ(Sunbittern)。羽根を広げると蛇の目模様が見えるそうですが、


140908_06
ぜんぜん広げてくれませんでした。
遺伝子的にはハチドリに近いそうですが、ぜんぜんそうは見えません。


140908_07
ぐわー、これまた巨大なブラックカイマンの足跡。


140908_08
こんなところを5〜6メーターあるカイマンが、ずりずりと歩いているのである。おそるべしアマゾン浸水林。


140908_09
でも、乾期だからか基本的に明るく楽しげな風景に見える。左下の人物で大きさを察してね。


140908_10
あ!


140908_11
アカハナグマ(Coati)の群れが前方を横切ります。


140908_12
固まってこっち見てる。たぶん好奇心旺盛なやつw


140908_13
木の上で警戒。


140908_14
日本の動物園水族館でもちょくちょく見かける動物ですが、こんなところでこんな風にしておるのだなあ。


140908_15
対岸のサンドビーチ。こういうところでオオカワウソファミリーがゴロゴロしている予定だったんだけど。


140908_16
巣だけはね、いっぱい見つかるんだわ。


140908_17
これは古い巣。天井が落ちてあちこち穴があいてます。オオカワウソは水際の斜面部からかなり奥の方まで、せっせと巣穴を掘っていることがわかる。


140908_18
尾が派手な魚。

ところで乾期に水が残るこの湖沼群は、魚類のゆりかご、と呼ばれているそうです。乾期の間、ここで稚魚がふ化して育ち、大きくなった頃に雨期がやってくる。雨期になると湖は川とつながります。いや、つながります、なんてもんじゃなくてそこいらじゅうがすべて川になっちゃうってことですが。とにかく魚類にとっては実にすばらしい成育環境なのである。


140908_19
そんなゆりかごな観察ポイントの午後。写真で見ると実に素敵な風景ですけど、


140908_20
実際には暑いし、しょっちゅう虫よけ塗ってないと何か寄ってくるし。それほど素敵な状況ってわけではない。カワウソ出ないし。


140908_21
あ!また哺乳類出た!


140908_22
木の実をぶつけて割っていますよ。進化してんなあ。


140908_23
この毛の色、この主張あるヘアスタイルからすると、フサオマキザル(Tufted capuchin / Brown capuchin)と思われます。


140908_24
お〜い、クチのまわりに食べかす付いとるよ。


というわけで、この日はこのまま陽が暮れたのでした。
夜は満天の星空が川面に反射して、それはもうすさまじい風景でした(写真はありません)。


3日目につづく。
明日はいよいよオオカワウソが出ます。




【追記:2014.10.10】
尾が派手な魚、ピンクテールカラシンでは、とのことです。ご指摘ありがとうございました。

おやすみ前にこの一冊・・・
160px_kawauso_book
東京書籍刊『カワウソ』をお買い上げくださいましてありがとうございます。おかげさまで何と4刷!

「カワウソなび」の最新情報はこちらをどうぞ↓


Where captive otters live in Japan.

 Otter holding facilities in Japan

動物園・水族館・生息地

[動物園・水族館・生息地ごとの記事アーカイブ。カワウソ中心ですが、たまにほかの動物も出ます]

月別アーカイブ
カテゴリ別アーカイブ
記事検索
タグ絞り込み検索
Junichi SATO

self portrait

[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

 Biography + Bibliography
(展覧会と各種掲載リスト)


 Floodgates

 Twitter : otterhaus
 Facebook : otterhaus
 Tumblr : otterhaus
 Tumblr : otterhausanbau
 Flickr : Otterhaus

* 依然として記事の内容に無関係なスパム的書き込みが多いため、各記事に対する新規コメントは現在、受け付けておりません。ご連絡はFacebook、Twitterをご利用いただければ幸いです。


キュイキュイ書房
カワウソ本とカワウソグッズの密林セレクトショップ♪

かわうそ店長、とってもハマります。すでに9巻まで出てるよ。

かわうその自転車屋さん 1 (芳文社コミックス)
かわうその自転車屋さん 1 (芳文社コミックス) [コミック]

こやまけいこ
芳文社
2014-10-16


酒ケーキもいいんだけど、せんべいの方がもっといいよ獺祭。

旭酒造 獺祭 煎餅 だっさい せんべい 山田錦の砕米で作りました 30枚入り
旭酒造 獺祭 煎餅 だっさい せんべい 山田錦の砕米で作りました 30枚入り [その他]
旭酒造


世界13種のカワウソが網羅されているすばらしい入門書が出ました。写真もいっぱい!

Otters of the World
Otters of the World


ハンザのぬいぐるみが各種、買えるようになってますよ。
カワウソ No.3320
カワウソ No.3320 [おもちゃ&ホビー]


フィギュアはシュライヒが造りがいいですね(なぜか最近すごい値段になってる!)。
Schleich シュライヒ カワウソ
Schleich シュライヒ カワウソ


かわうそ3きょうだい そらをゆく (にじいろえほん)
かわうそ3きょうだい そらをゆく (にじいろえほん)


かわうそ3きょうだいのふゆのあさ (えほんひろば)
かわうそ3きょうだいのふゆのあさ (えほんひろば)


かわうそ3きょうだい (えほんひろば)
かわうそ3きょうだい (えほんひろば)


空がレースにみえるとき (ほるぷ海外秀作絵本)
空がレースにみえるとき (ほるぷ海外秀作絵本)


ぼく、およげないの
ぼく、およげないの


ニホンカワウソ―絶滅に学ぶ保全生物学
ニホンカワウソ―絶滅に学ぶ保全生物学


Otter (Animal)
Otter (Animal)


Otters: Ecology, Behaviour And Conservation (Oxford Biology)
Otters: Ecology, Behaviour And Conservation (Oxford Biology)


カワウソと暮らす (富山房百科文庫 (34))
カワウソと暮らす (富山房百科文庫 (34))


The Ring of Bright Water Trilogy: Ring of Bright Water, The Rocks Remain, Raven Seek Thy Brother
The Ring of Bright Water Trilogy: Ring of Bright Water, The Rocks Remain, Raven Seek Thy Brother


椋鳩十全集〈20〉カワウソの海
椋鳩十全集〈20〉カワウソの海


ガンバとカワウソの冒険 (岩波少年文庫)
ガンバとカワウソの冒険 (岩波少年文庫)


河合雅雄の動物記〈2〉カワウソ流氷の旅
河合雅雄の動物記〈2〉カワウソ流氷の旅

・・・
わたしの本も、ついでにいかがでしょう?


カワウソ

おそらく日本初の、カワウソだけ写真集


ドボク・サミット
ドボク・サミット

みんなで作ったドボク本



恋する水門―FLOODGATES

一家に一冊!世界初の水門写真集


Das Otterhaus 【カワウソ舎】