
ストレピ・テュー運河エレベータ。この写真で見ると、延々と伸びてきた高速道路がここでブチ切れているように見える。力学的にはこの建物の上からクルマが水平に打ち出され、高級欧州車が放物線を描きつつ眼下の水たまりにダイビングする、みたいな気がするが、そんな気がするだけである。
ところでストレピとかテューっていったい何だ?と思われているかもしれないが、地名である。前回、悪い景観として見てもらったステキな駅前。あれがストレピ=ブラッケニーという駅で、そのひとつ前はテューという駅がある。つまり国分寺と立川の中間だから国立、みたいなざっくりとした考え方は、実はベルギーあたりでも有効なのであった。いや待て、よく考えたら「ストピュー」ぐらいに略さないと国立レベルにはならないのではないか。そう考えると国立ってのは地球規模で思い切りのいい地名である。今となってはとても無理だな。今は白金高輪とか溜池山王とか赤羽岩淵とか浦和美園とか、そういう時代なのだ。あ、はじめからそのへんの駅名を挙げた方が例としてはわかりやすかったのか。
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さて、この運河エレベータは出来たのが1997年、割と最近なので、見学施設が充実しているのだ。前回のYouTubeの映像の中でもちらっと出てくるが、建物の最上階に見学センターみたいのがあって、そこには実動模型もあって超楽しい。さらには水門で言ったら開閉機器室、つまり上屋の巻き上げ機械類が内側から見放題である。こんな感じ。

さらに見学センターのとなりにはカフェまであって、こんなかわいい機械を見ながらビールとか飲める。もうどうにでもして、というかもう皿洗いでも何でもしますから店で使ってください、という感じである。それにしてもこの機械の色使いはかわいすぎ。レゴみたいでいいんだけど、現実の大きさが全くわからない写真になっている。

中でビール飲みながらホイールとかぐるぐる回ってるのを見て過ごすのもよいが、やはり「船はどうやってエレベートされるのか」を見届けなければなるまい。というわけでまた外へ。
これは今、下の水路から水槽に船を入れて引っぱり上げている途中だ。ごつい鉄の塊はゲートである。さすがに水漏れはまずいので、しつこいほどの水密構造になっているのが見て取れる。水槽の側面からワイヤーがいっぱい出ているが、これで水槽を吊っているのである。ワイヤーなんかでいいのか。水入れて船入れて合わせて8000トンとか書いてあるけど、8000トンってワイヤーで吊れる重さなのか。

いいところだけどこのつづきは次回。