Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

鳥羽ラッコ・スナメリジュゴンにバイカルアザラシ

[ Actually, there is only one sea otter now at Toba Aquarium too. They lost their oldest sea otter in this April. And the male moved to another aquarium in March. So then, there is this female named May. I can't help hoping her long life. ]

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鳥羽水族館のラッコ、メイちゃん。


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ゲソジャ〜ンプ!


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今年になってメイの母ポテトが亡くなり、オスのロイズは繁殖を期待されサンシャインに移動。鳥羽もついに「ラッコ1頭体制」になってしまいました。

現実的に考えて、今から国内のあちこちでラッコがどんどん繁殖、ということは考えにくい。そうである以上、いま元気な各地の1頭飼育の個体にあってはその運動量を維持するなどして、可能な限り長生きしてもらうことを狙うしかない、ということがいよいよはっきりしてきました。残念なことですが、そういう段階に来てしまったのです。そしてこの問題はラッコに限ったことではなく、たまたまラッコが「曲がり角」を先頭きって走ってるだけなのかもしれない、ということを認識し、もっと広く知ってもらうことが大切なことと思います。


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タッチ。


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のびます。


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クチも見せてね。



・・・



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スナメリ親子。神々しい。


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スナメリの背中にイボイボがたくさんあることを初めて知りました。そしてその部位は親子のスキンシップに使われるのだそうです。


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何ともまあ、ひかえめなお知らせだことw



・・・



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ジュゴン水槽。なんかすごくにぎやか。このままアロハの柄になりそう。


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そんなやってえさに首をつっこんでると、


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まるで盆栽みたいです。



・・・



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地味派手なバイカルアザラシですが、新人さんが入ってました。


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ごは〜ん! ごはーん!


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つくづく巨峰のような、あんこ玉のような目です。


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上陸したいかも。


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さかなほしいかも。


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えー何するのー!



・・・



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昼のお食事にはウチムラサキが出ます。もらってざっと食べた殻はポイ捨てします。実にラッコらしい態度と言えます。


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しかし数に限りがあるので、貝の配給はあっという間に終わります。やっぱりそれでは足りないのか、結局、自分で捨てた殻をもぐって拾いに行くことになります。


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何だ空っぽかあ・・・

それ自分でさっき捨てた殻、ってのがわかってるのか、そうでもないのかw



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おやこんなところに氷が落ちている。


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もらった〜!


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わー、氷が分解した!

新潟カワウソ・展示替え大作戦、その4

[ Second day of the Eurasian otter exhibit at Niigata City Aquarium Marinepia Nihonkai. They seem to be settling down to the new environment. ]

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新潟市水族館マリンピア日本海の「コツメ→ユーラシア展示替え大作戦」がつづきます。ユーラシアが搬入即展示されたその翌日もまた、しつこく見に行きました。


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やっぱり、


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上の方が気になる。


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えいっ!

というわけで、この問題はまだ解決してないのでした。


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細い流木を横に渡して突破できないようにしても、それでもまだ隙間から上がってしまうんです。ユーラシアの運動能力はすばらしいですね。隙間を完全にブロックするために、白いプラスチックの板(要するに、まな板だ!)が登場しました。たまたま見ていたお客さんは「え〜そんなんでいいの?」的な反応ですが、仮だからこれでいいんです。もちろんこのまな板は、あとでアクリル板に取り換えられました。


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泳ぐはジャンプするはで、2日目も活発。


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そんななかでも、しばしプカプカ泳ぎをする余裕が。


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ちょっとは慣れて、落ち着いてきたものと思われます。


そういえばカワウソしか出してませんでした。ちょっとご近所の様子も見てください。

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ラッコのクータン。


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ここのラッコ展示場は撮影しやすいです。


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せーの、


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タッチ。


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はい、イカどうぞ。


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次はゲソ。


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元気そうです。


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となりのバイカルアザラシ。こんなふうに陸上でのびた状態をはじめて見ました。一見バイカルアザラシに見えない。


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実はムギュも長いのだった。


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で、いつものバイカル顔に戻りました。


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で、またカワウソ展示に戻りまして、


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ふんふん


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背景の絵がコツメ用なので、少々マッチしなくなってしまいましたね。


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ま、細かいことは気にしない。


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アヤメちゃん。


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スミレちゃん。
みなさんよろしくね。


3日間もあいだ、お邪魔をいたしました>マリンピア日本海のみなさま

松島どうぶつ・不滅のマリンピア!

[ In this issue, I introduce a small aquarium which was suffered from the massive earthquake and resulted tsunami on Mar. 11. As the zoo which I mentioned last issue, MARINEPIA MATSUSHIMA AQUARIUM was also restored in only 42 days. Behind this miracle revival, there were surprising efforts of the aquarium's staff too. ]

マリンピア松島水族館にも、震災後はじめて行ってきました。

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ビーバー!生きてたかあ!!!


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巣穴の入口でごろごろ。

松島湾の奥に位置する松島水族館に押し寄せた津波は、高さこそ低かったものの、主にバックヤードの機器類に甚大な被害をもたらしました。さらに屋外で飼育されているアメリカビーバーは津波に流され、一時行方不明と伝えられました。後日、全頭保護されたものの、6頭のうち3頭が海水による脱水症状で死亡したそうです。残念だけど、全滅しなかったことだけがせめてもの救いか。


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「津波がここまできました」・・・ペンギンランドの水槽とほぼ同じ高さで、約1.5メートル。


そしてなんと、復旧作業のさ中の4月2日にケープペンギンの卵が孵化したのだそうです。すごいなあ。


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これがケープペンギン。オトナペンギンですけど。


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こちらはおなじみ、フンボルト。


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フンボルトとケープ、どちらもおなかのラインが1本ですが、くちばしの付け根、下の方までがっつりピンクなのがフンボルトです。覚えておきましょう。きっといつかどこかで役に立つぞ。


写ってないですが2本ラインのマゼランもいます。奥に見えるのは極地(正しくは亜南極)ペンギンのお部屋。そっち行ってみましょうか。


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ジェンツー。やっぱり極地もんは、よりころころしていて作りものっぽい。


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マカロニにキングですね。写ってないですがイワトビもいるよ。極地ペンギンズは当然冷房でひえひえ〜の部屋にいます。震災が寒い時期だったのが不幸中の幸い。


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アマゾン水槽のピラルク。パンっ!という凄い音とともにエサを吸い込んだ直後の状態ですが、この写真じゃわけわかんないですね。


熱帯水槽は、停電でとりわけ苦労されたことでしょう。沸かしたお湯を入れて温度を維持したという話が伝わっています。

設備の停止によって、マンボウやコマッコウ、クラゲなどが死んでしまいました。それでもアクアマリンふくしまのように全滅に近い状況に陥らなかったのは、設備の古さが逆に幸いしたようなのです。ポンプ等の復旧作業をすべて内部のスタッフの手によって迅速に行うことができたのは、最新の自動制御システムではなく、設備担当の方が常に自分の手で最適状態を維持されていた、融通の利くシステムだったからなのです。ここ↓にその驚くべき復旧作業の様子が紹介されています。

マリンピア松島水族館 マリンピア日記 水族館のお医者さん (2011-03-31)

こういう現場のひとたちの機転の利いた対応ってのは、ほんとに素晴らしいと思う。本物のかっこよさってのはこういうことだ。



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キタオットセイの保護個体、タロちゃん。元気にしてました。


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タロちゃんいつもびゅんびゅんに泳いでて、うまく撮れた試しがない。


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オットセイの耳が気になる今日この頃です。


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さらに撮影困難なバイカルアザラシ。


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下手に撮るとコワい動物か、怪しい動物に写ってしまいます。ごめんね。


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「ビーバー見つかるといいですね」なんて書かれててさ、泣けてきますよ。


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イロワケイルカ!


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名古屋港水族館から6月にやって来たタイマイ(だよね?)。ウミガメもこうやって見るといいもんだねえ。

トピックス 広報レポート 名古屋港水族館生まれのタイマイとクマノミをマリンピア松島水族館(宮城県)へ届けてきました




・・・



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マリンピアは不滅です。いいぞいいぞ!

前回、「はじめてのどうぶつえん」の話をしましたが、「はじめてのすいぞくかん:my first aquarium」ってのもあるわけで、わたしの場合はもちろん、ここ松島水族館です。

決して大きな水族館ではありません。今回は逆にそれがよかった面もありますが、やっぱり設備も古いです。なにしろ「同一場所にある民営水族館としては日本最古」なんだそうです。昭和2(1927)年、現JR仙石線の前身である私鉄の宮城電気鉄道が松島公園駅(現:松島海岸駅)まで延長されたときに、同時にできた水族館が、ずっと同じ場所にある、という筋金入りの古さです。

ひところ、仙台市内へ移転の話がありました。仙台市が10億の予算を計上するところまで行ったところで、運営会社が資金調達に失敗、白紙に戻ったところで今回の震災です。つまり当分この話は復活しないでしょうね。

となったら、いまある地で徹底的にがんばるしかない。地元のひとたちは何でも自家用車で移動するからぜんぜんメリットだと考えていないフシがあるけど、電車の駅前にある水族館、というのは悪いもんじゃないよ(仙石線はいわゆるローカル線ではない)。アクアマリンふくしまや男鹿GAOのような大規模な水族館に目をうばわれるあまり、大風呂敷ひろげた需要予測で同じような水族館を東北にもうひとつ作ることはないと思う。小ささや古さ、という要素を逆にプラス価値に転換するようなプランってのが、きっとあるに違いない・・・などと勝手な事を考えてしまいます。


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アシカも元気にしてました(じつはこれだけ去年の写真ですまん)。みなさんも八木山行ったら、ぜひ松島まで足をのばしてくださいね。

おやすみ前にこの一冊・・・
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東京書籍刊『カワウソ』をお買い上げくださいましてありがとうございます。おかげさまで何と4刷!

「カワウソなび」の最新情報はこちらをどうぞ↓


Where captive otters live in Japan.

 Otter holding facilities in Japan

動物園・水族館・生息地

[動物園・水族館・生息地ごとの記事アーカイブ。カワウソ中心ですが、たまにほかの動物も出ます]

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Junichi SATO

self portrait

[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

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カワウソ本とカワウソグッズの密林セレクトショップ♪

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世界13種のカワウソが網羅されているすばらしい入門書が出ました。写真もいっぱい!

Otters of the World
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フィギュアはシュライヒが造りがいいですね(なぜか最近すごい値段になってる!)。
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かわうそ3きょうだいのふゆのあさ (えほんひろば)
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空がレースにみえるとき (ほるぷ海外秀作絵本)
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ぼく、およげないの
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ニホンカワウソ―絶滅に学ぶ保全生物学
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Otter (Animal)
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Otters: Ecology, Behaviour And Conservation (Oxford Biology)
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カワウソと暮らす (富山房百科文庫 (34))
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The Ring of Bright Water Trilogy: Ring of Bright Water, The Rocks Remain, Raven Seek Thy Brother
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椋鳩十全集〈20〉カワウソの海
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ガンバとカワウソの冒険 (岩波少年文庫)
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河合雅雄の動物記〈2〉カワウソ流氷の旅
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わたしの本も、ついでにいかがでしょう?


カワウソ

おそらく日本初の、カワウソだけ写真集


ドボク・サミット
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みんなで作ったドボク本



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Das Otterhaus 【カワウソ舎】