Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

リオデジャネイロ植物園

[ During my stay in Rio, I also visited botanical park named Jardim Botânico do Rio de Janeiro. Despite botanical park, visitors can meet some species of wild animals there. I could meet Tufted capuchin, Common marmoset and some beautiful birds. ]

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というわけでお待たせしました。今度はリオデジャネイロ植物園(Jardim Botânico do Rio de Janeiro)の方です。植物園といっても、わたしが撮る以上、出てくるのはほとんど動物ですけど。


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ゾーロジコ(動物園)でも見られた、各種のヤシを並木にしたメインの園路。ボタニコ(植物園)のは、より規模がでかい。

『日本の植物園』(岩槻邦男著、東京大学出版会、2004)の中に「世界の植物園」という章があって、世界の代表的な植物園が紹介されているのだけど、リオデジャネイロ植物園は南米で唯一、詳しい記述があるので、南米大陸を代表する植物園と考えてもよさそうだ。何でも1808年にナポレオンに敗れたポルトガル王がこの地に逃れて亡命政府を作ったとき、有用植物の導入馴化のために始めた施設が元になっているんだって。要するにすごく歴史があるのだ。

日本の植物園 (Natural History) [単行本]


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このへん、いかにもブラジルの植物園だぞ、という風景ですな。


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で、園内にこんな注意書きがあります。動物にえさを与えないでください。カフェ以外のところで食べないでください。


動物? いったい何が出るのでしょう?


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出た〜!


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やべ、見つかった!


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わ、どうしよ。


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んもう撮りたきゃ撮れば。


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よいしょよいしょ。


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なんかの実、ゲット。


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見せびらかして、


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食べます。


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べ。


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オレの分って、


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ないわけ?


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さっきそのへんに置いといたんだけど・・・   落ちたなー




基本的に楽しそうでした。フサオマキザル(Tufted capuchin)のようです。

あ、アホなお客がえさをやろうとすると、警備の人が来て怒られてました。くれぐれも勝手な給餌はしないようにしましょう。


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見た目は普通に植物園なんですけどね。いろいろ出るんですよ、いろいろ。


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変な植物。今思い出したけど、この葉が貯め込む水に蚊が住み着いて、それがマラリアの発生原因のひとつになってる的な解説を読んだような。植物もいろいろ苦労があるもんだ。


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お、次の動物出ました!


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しっぽの長いやつです。大きさは・・・ん〜、でかいリスぐらい!


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電線に渡りました。


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ぴょんぴょんぴょん、って動きもリスっぽいな。


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あら、増えたw


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そして、決めポーズ。


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いつのまにか、わらわら状態に。


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じー


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やっとアップで撮れました。おそらくコモンマーモセット(Common marmoset)。あくまで野生動物が勝手に住み着いている、という設定なので、動物の解説板とかそういうの、一切なし。


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もちろん鳥だっていろいろ。これはハイムネクイナ(Slaty-breasted Wood-Rail)。例の「遠目には地味でも、よ〜く見るとパーツがけっこう派手」という南米の鳥の定石を踏まえておりますな。


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あーこれ、植物園以外でもちょくちょく見ました。キバラオオタイランチョウ(Great Kiskadee)いうらしい。何と言うか、実においしそう♡な配色。


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Green-headed tanager。やはりこのぐらいド派手だとわたしのような素人にもグッと来る。ブルーメタリック系で派手だと、「おいしそう」という反応は引き起こさないので、鳥としても安心かもしれない。


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Saffron finch。サフラン色のフィンチ、ってことかな。でもこれだとちょっとおいしそう系の色です。


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ところでリオデジャネイロ植物園は、実はコルコバードの丘のふもとのあたりにあって、園内から例の有名なキリスト像が見えます。右上の岩山の上のキリスト像、見えますか?


次回は、サンパウロ動物園を訪ねます。

オオカワウソ探索4@ブラジル

[ It's the second day's afternoon. We met Coati and Tufted capuchin in the flooded forest. It was great encounters again. On the other hand, I was getting nurvous because I couldn't take photos of Giant otter yet. Where is Giant otter at all? ]

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アカハナグマ〜!

ブラジルはカンタオ州立公園でのオオカワウソ探索、2日目の午後になりましたが、まだオオカワウソの写真が撮れていないのでちょっとあせってきた。それでも今日は朝から野生動物がいろいろ出現するので、1〜2時間おきに興奮しています。


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アラグアイア協会(Instituto Araguaia)の観察ステーション、じゃなかった、正しくはリサーチベースの昼下がり。


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ここで飼ってるんだか、野生のが来て居着いているんだか、な鳥。


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こんなところに何週間か腰を据えてオオカワウソをじっくり撮影する、というのもよさそうです。

そういえばここ、以前NHKのチームがオオカワウソの取材に来ています。2年ぐらい前のワイルドライフでオオカワウソの回があったのを覚えてますか。今年の7月ぐらいにたまたま再放送してたのを大学の研究室でぼ〜っと見てたら、最後のクレジットにInstituto Araguaiaと出てきたので、あー、あの番組って実は今度行くカンタオで撮ったんだったのか!と驚いたものですが、それがまさに「ここ」なのであった。


これまでの放送[124] 南米アマゾン オオカワウソ 家族の団結で子どもを守れ│ワイルドライフ


ところでこのリサーチベースでは、川の水をろ過して飲んでいます(上のワイルドライフの「フィールドリポート」というところに、まさにそのろ過器の写真が出てる。つまりNHKの人たちも飲んだw)。はじめにその話を聞いたときは、そんなもん飲んで大丈夫か〜!?と思いましたが。結論から言うと・・・わたし、もう何杯も飲みましたがな。で、別にお腹は何ともなかったので、ものすごくきれいな水なんでしょうね。たしかアマゾンの黒い水は弱酸性で微生物とかいない、みたいな話だったと思うんだけど。他所の川では絶対にマネできんなきっと。



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ふたたび浸水林へ。これはジャノメドリ(Sunbittern)。羽根を広げると蛇の目模様が見えるそうですが、


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ぜんぜん広げてくれませんでした。
遺伝子的にはハチドリに近いそうですが、ぜんぜんそうは見えません。


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ぐわー、これまた巨大なブラックカイマンの足跡。


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こんなところを5〜6メーターあるカイマンが、ずりずりと歩いているのである。おそるべしアマゾン浸水林。


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でも、乾期だからか基本的に明るく楽しげな風景に見える。左下の人物で大きさを察してね。


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あ!


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アカハナグマ(Coati)の群れが前方を横切ります。


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固まってこっち見てる。たぶん好奇心旺盛なやつw


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木の上で警戒。


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日本の動物園水族館でもちょくちょく見かける動物ですが、こんなところでこんな風にしておるのだなあ。


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対岸のサンドビーチ。こういうところでオオカワウソファミリーがゴロゴロしている予定だったんだけど。


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巣だけはね、いっぱい見つかるんだわ。


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これは古い巣。天井が落ちてあちこち穴があいてます。オオカワウソは水際の斜面部からかなり奥の方まで、せっせと巣穴を掘っていることがわかる。


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尾が派手な魚。

ところで乾期に水が残るこの湖沼群は、魚類のゆりかご、と呼ばれているそうです。乾期の間、ここで稚魚がふ化して育ち、大きくなった頃に雨期がやってくる。雨期になると湖は川とつながります。いや、つながります、なんてもんじゃなくてそこいらじゅうがすべて川になっちゃうってことですが。とにかく魚類にとっては実にすばらしい成育環境なのである。


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そんなゆりかごな観察ポイントの午後。写真で見ると実に素敵な風景ですけど、


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実際には暑いし、しょっちゅう虫よけ塗ってないと何か寄ってくるし。それほど素敵な状況ってわけではない。カワウソ出ないし。


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あ!また哺乳類出た!


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木の実をぶつけて割っていますよ。進化してんなあ。


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この毛の色、この主張あるヘアスタイルからすると、フサオマキザル(Tufted capuchin / Brown capuchin)と思われます。


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お〜い、クチのまわりに食べかす付いとるよ。


というわけで、この日はこのまま陽が暮れたのでした。
夜は満天の星空が川面に反射して、それはもうすさまじい風景でした(写真はありません)。


3日目につづく。
明日はいよいよオオカワウソが出ます。




【追記:2014.10.10】
尾が派手な魚、ピンクテールカラシンでは、とのことです。ご指摘ありがとうございました。

おやすみ前にこの一冊・・・
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東京書籍刊『カワウソ』をお買い上げくださいましてありがとうございます。おかげさまで何と4刷!

「カワウソなび」の最新情報はこちらをどうぞ↓


Where captive otters live in Japan.

 Otter holding facilities in Japan

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Junichi SATO

self portrait

[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

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かわうそ3きょうだいのふゆのあさ (えほんひろば)
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ニホンカワウソ―絶滅に学ぶ保全生物学
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カワウソと暮らす (富山房百科文庫 (34))
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The Ring of Bright Water Trilogy: Ring of Bright Water, The Rocks Remain, Raven Seek Thy Brother
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椋鳩十全集〈20〉カワウソの海
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ガンバとカワウソの冒険 (岩波少年文庫)
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河合雅雄の動物記〈2〉カワウソ流氷の旅
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・・・
わたしの本も、ついでにいかがでしょう?


カワウソ

おそらく日本初の、カワウソだけ写真集


ドボク・サミット
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みんなで作ったドボク本



恋する水門―FLOODGATES

一家に一冊!世界初の水門写真集


Das Otterhaus 【カワウソ舎】