Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

リオデジャネイロ動物園

[ Before the International Otter Congress, I visited Rio Zoo (Jardim Zoológico da Cidade do Rio de Janeiro). I thought I should know more about animals in Brasil. So I learned some local foxes, howler monkys and capuchins there. ]

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国際カワウソ会議のはじまる前の日、リオデジャネイロ動物園(Jardim Zoológico da Cidade do Rio de Janeiro)を訪ねてみました。しかし、よく見るとふっといジャガーですな。


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この日はたまたま日曜だったので、それはもうにぎやか。


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今回は会議後にフィールドに連れてってもらう関係で、ブラジル産動物の予習をしておく必要があります。まずこれはCrab-eating fox。帰ってから調べたら和名(カニクイイヌ)があった。イヌかよ〜、キツネじゃないのか。


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カニクイイヌはポルトガル語でCachorro do mato。


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で、このほとんど同じに見えるのがHoary fox。帰ってから調べたら和名(スジオイヌ)があった。これもイヌかよ〜。考えてみると、ヤブイヌと分布が重なるので、この辺のイヌ科は英語名に関係なく和名を「○○イヌ」にしようということなのかも。


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スジオイヌはRaposa do campo。でもこの2種、いま正直なところ写真では見分けがつかない。解説板と檻の中身が必ず一致しているかどうかも怪しい、って雰囲気もある(おいおい)。スジオ、ってことはしっぽに黒い筋があるとか、そういう特徴があるのか。カニクイイヌはカニ、スジオイヌはシロアリを食べるのだそうだ。ふむー、だったらいっそ和名も「アリクイイヌ」にしてくれればよかったのに。


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これはわかりやすいやつだ。寝てるけどw
Maned wolf、タテガミオオカミー!


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タテガミオオカミはLobo guará。オオカミはやっぱロボだぜ。


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ふとっちょジャガー。


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ジャガーはOnça pintada。そういえばカンタオではあちこちに痕跡を見ましたっけ。足跡とか爪痕とか。だからと言ってジャングルでうっかり出会うわけにもいかないので、「ジャガーってほんとにいるんだ〜」という他人事のような感想を持つしかなかった。


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ネコ科エリアを抜けるとアジアゾウ。


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広いゾウエリアを抜けるとつづいてキリンですが、


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1頭しかいないキリン(アミメ?)はやたらと人気がありました。なぜだかゾウよりぜんぜん大人気なんだこれが。



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坂を上って小動物&お猿エリアへ。アグーチって横から見るとマーラみたいだが、正面から見るとこのように愛嬌のある顔をしております。


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お、ナマケさん。


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フタユビナマケモノですね。


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南米のお猿さんはまったくわからんので、わたし、要学習です。


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カッショクホエザル(Brown howler)でした。


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つぎ。この黒い方は?


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そのとなりには金髪の方が。


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解答です。黒い方はアカテホエザル(Red-handed howler)。解説板は写真より絵のほうがわかりやすいですね。金髪さんは、Blond capuchin。カプチンはオマキザルなので、金髪オマキザル?(←勝手に和名つけるなって)


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もうおひとかたいました。


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Crested capuchinでした。つまり、とさかオマキザル?(←勝手に和名つけるな)


とりあえず、ハウラー=ホエザルと、カプチン=オマキザルを覚えておけば、この先、だいたいのお猿は何とかなりそうだ、と思った。


・・・


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各種のヤシが作り出す並木がみごと!ちなみにリオ植物園にはこれのもっとすごいヤシ並木がありました。次回お見せします。植物園のくせにお猿&鳥類がいっぱい撮れましたので。


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オニオオハシ型電話ボックスと現地の人びと。


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カバの池。


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お、かっこいい鳥!


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Cariama cristataはアカノガンモドキという和名がありました。習性がヘビクイワシと似ているので収斂進化の良い実例なんだそうです。ふむー。そのとなりは、なぜかミナミコアリクイ!


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タマンドゥアミリムちゃん、寝てますけど。まだ昼だしね。


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クモザルも日本で見るのはジェフロイばかりですが、こちらはクロクモザル(Red-faced spider monkey)。英語名の通り、みごとに顔が赤い。人相というか猿相はというと、まるで宇宙からやって来たみたいでした。


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そういえば、ホエザルオマキザルクモザル以外にも、南米には小さい系のお猿もいろいろいるのであった。面白いお顔のやつを代表で。


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クチヒゲタマリン(Moustached tamarin)です。クチヒゲに愛嬌がありますね。


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で、実はリオズーって鳥類のコレクションがすごかったんです。でも古いタイプの動物園であり、特に鳥の展示はぜんぶ檻なのであまり積極的に撮る気にならなかったけど。最後にちょっとだけ。これはオウギワシ(Harpy eagle)。


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Tawny-browed owl。メガネフクロウの一種ですか。不思議な雰囲気のフクロウでした。


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団地みたいな鳥の檻をひとつひとつ見てたら、あっという間に夕方になってしまいました。


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どうもお疲れさまです。


というわけで、ちょっと古い感じのリオデジャネイロ動物園でしたが、なぜかジャイアントパンダが来るという話もあるそうなので、今後の発展を期待いたします。

世界最大のカワウソ3・デュイスブルク動物園その3

[ Giant otter at Zoo Duisburg. The pup and the rearing otter team returned to closed area. So only a few adults remain outdoor now. And near the Giant otter exhibit, Oriental small-clawed otter exhibit is placed. While small-clawed otters are napping, I'm walking around and visiting some animals. This time I'll show you Bongo, Kudu, Two-toed sloth and Wolverine. ]

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しつこくオオカワウソです。前回がクライマックスだったので、今回は冷静にw


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よく見ると「べー」

おおちびうそご一行様が引っ込んでしまったので、あとはアダルトなオオカワウソリラックス場面しか出てきません。


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つくづくすごいボディです。よくぞこんなカワウソがいてくれたもんだ。


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こういうずっこけた格好をするところが、やっぱりカワウソで。


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こういう雰囲気の人、間違いなくどこかにいますなあ。


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この個体はよくカメラ目線くれましたが、毛の状態がちょっとめずらしい。ちょっと長い毛に見えます。寒いドイツで長く暮らすと、体毛が長くなっちゃったりするんだろうか。



みんなお昼寝をするために寝室に入ってしまったので、最後に放飼場の様子をおさらいしておきましょう。

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うしろが水族館とRio Negroという展示施設で、オオカワウソの寝室もこの建物にあります。屋外放飼場はこの建物に貼り付くように作られています。


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ちょっと左に回り込んだところ。竹やぶの植え込みがみごと。よくオオカワウソの攻撃に耐えているもんだ。右下に砂場がちょこっと写ってます。


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さらに左に回り込みます。前回、ちびうそが放置されたフン場が右手前に見えます。

砂場、フン場以外はだいたい植物が生えているので、コツメのようにむやみやたらな草の引き抜きなどはしない(できない)ものと思われます。




というように、よく見たら実はぜんぜん狭くないのであった。




しかも、今、園内マップを凝視してたら、このさらに奥もオオカワウソエリアになっているように色分けされており、ひょっとしてチェックしてない放飼場がもうひとつあったのではないか、と思い至ってドキドキしている。水族館内にいたはずのカワイルカも、見てないし・・・。どう考えてもデュイスブルクはもう一度、わたしの来訪をお待ちしているのではないか。


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室内展示場では、理由はわかんないけど隔離されている1頭が昼寝中。ちびうそご一行様は別の部屋にいるらしいが、ここからは見えません。いろいろと謎が残ったままなのだった。


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気合いの入った解説パネル。


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そしてこちらのパネルはツベルクオッター、つまりコツメカワウソ。実はこの近所にいるのだ。


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うはー! でっけえカメ!



コツメはこっちじゃなくて、カメ池の反対側でした。




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おトイレ中に失礼しま〜す。


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ぞろぞろ・・・


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あれ、みなさんどちらへ?



何だかコツメに嫌われたっぽいので、このすきに園内をひとまわりすることにしましょう。



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ボンゴいいよなあ。


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クーズーもすてき!


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ナマケモノお食事中。必要以上にうまそう♪


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サル舎というか、サル系室内展示場の中央に、フタユビナマケモノがこんな感じで展示されているんです。こういうエリアでは、どこも床がウッドチップ敷きが多いみたい。



コツメに戻りましょう。


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おーい、いるかい?


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ちょうど、お魚をもらったところでした。


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コツメのぐちゃぐちゃ食いも、かわいいもんです。


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実にコツメが好きそうなびちゃびちゃエリア。この水は反対側の、さっきのカメ展示につながっているようです。


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デュイスブルクの人相(獺相)チェック。


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さて、デュイスブルクにおけるオオカワウソと並ぶイタチ科スターといったらこちら。クズリです。これからクズリを制覇しなければいけないのだ!


オオカワウソは終わったけど、デュイスブルクはあと2回、つづきます。

みさきカワウソ・もう1頭いた!

みさき公園が続いてます。前回までにご紹介したのは、コツメカワウソのナツとレオンでした。また出てきますけどね。

ナツとレオンが寝ている間、園内にある「伊藤園シャイニースタジアム」というところでやってるイルカショーを見に行きました。この場所、もともとは2000年までやってた、これまた由緒正しき「自然水族館」だったそうです。で、そのスタジアムに入ろうとすると・・・

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え?


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コツメがもう1頭いる!(←最近これが多いです。要するにリサーチ不足だな)


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はい、ちょっとごめんなさい。おじゃましますよー。


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ぴゃ?

お休みのところすいません、ご隠居。ちょっとお顔、撮らせてくださいよ。


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何やねん?写真? オトコマエに撮らんとどつくで。


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どや? こんなんでええか?

どうもありがとうございました。こんなところでお仕事、大変ですね。毎日お疲れさまです。


ちなみにハクは、レオン・ナツと血縁関係のない個体だそうです。詳細は聞きそびれましたが、そんなに高齢には見えませんね。
ちなみにハクはレオンの父親で、15才とのことです。そんなに高齢には見えませんね。


・・・


というわけで、何か得した気分です。

というのも、イルカがいれば必ず見る、というほどイルカ好きでもないので、今回もイルカショーは全くノーマークだったのです。ところが南海電鉄の往復乗車券とセットになった入場券を買うと、アトラクションポイントが勝手に1000Mipo(みさき公園内の通貨単位はミポ)付いてくるんですよ。たとえそれを捨てたとしても、バラで買うよりぜーんぜん安いので、ありがたくその券を利用させてもらったわけです。

ひとりでジェットコースターにでも乗ってやろうかいとか思って案内をよく見ると、イルカショーが400Mipoとありまして、じゃあポイント消化がてら見に行こうということになりました。そしたら想定外のカワウソに遭遇、というようなうれしい展開です。みなさんもみさき公園に行ったら、必ずイルカショーを見ましょう。おそらくご隠居のハクじいさんと面会できると思います。


・・・

さて、スタジアムからカワウソまでは遠いので、あちこち動物を見て回りますが、これが予想以上に面白い。前回書いた理由で、何か妙に楽しいんです、みさき公園。

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普通にマーラですが、


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普通にレッサーパンダですが、


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普通にツキノワグマですが、


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普通にアカカンガルーですが、どの動物展示もなーんか、ちょっと違う。敷居が低い感じと言うか。


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そして何の気なしにフタユビナマケモノを覗いたら、何と!生まれたてのお子様がお腹にへばりついてましたw。


何だ何だ何だ、この楽しい動物園は!

基本的にわたしは動物園行ってもほとんどカワウソしか撮らないのですが、みさき公園は違いましたね。ぐぐぐっと、向こうから撮らせてきますね、ここは。ちょっとこういうの、他では味わえない感覚です。単に自分と相性がいいだけなのか。


・・・

というわけで、すっかり浮気してふらふらとカワウソ展示まで帰ってきました。

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あ、おかえんなさーい。


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ぴゃ!ピャ!


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ぴゃ!


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み゛〜!


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ぴゃ!


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ぴゃ!


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ぴゃ!

こうして見ると、レオンは常に吼えてますね。どうやら昼寝から目覚めて、お腹がすいているようです。なっちゃんは比較的、冷静ですw。

つづきます。



【追記 2010.11.24】

信頼できるカワウソ筋から、ハクの年齢と血縁関係についてご教示いただいたので、記述を修正しました。いつも情報ありがとうございます。

おやすみ前にこの一冊・・・
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東京書籍刊『カワウソ』をお買い上げくださいましてありがとうございます。おかげさまで何と4刷!

「カワウソなび」の最新情報はこちらをどうぞ↓


Where captive otters live in Japan.

 Otter holding facilities in Japan

動物園・水族館・生息地

[動物園・水族館・生息地ごとの記事アーカイブ。カワウソ中心ですが、たまにほかの動物も出ます]

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Junichi SATO

self portrait

[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

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かわうそ店長、とってもハマります。すでに9巻まで出てるよ。

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ハンザのぬいぐるみが各種、買えるようになってますよ。
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かわうそ3きょうだいのふゆのあさ (えほんひろば)
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空がレースにみえるとき (ほるぷ海外秀作絵本)
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ぼく、およげないの
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ニホンカワウソ―絶滅に学ぶ保全生物学
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Otter (Animal)
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カワウソと暮らす (富山房百科文庫 (34))
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The Ring of Bright Water Trilogy: Ring of Bright Water, The Rocks Remain, Raven Seek Thy Brother
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椋鳩十全集〈20〉カワウソの海
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ガンバとカワウソの冒険 (岩波少年文庫)
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河合雅雄の動物記〈2〉カワウソ流氷の旅
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・・・
わたしの本も、ついでにいかがでしょう?


カワウソ

おそらく日本初の、カワウソだけ写真集


ドボク・サミット
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みんなで作ったドボク本



恋する水門―FLOODGATES

一家に一冊!世界初の水門写真集


Das Otterhaus 【カワウソ舎】