Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

福岡カワウソ・リラちゃん本気!

[ Continued from the preceding article: Oriental small-clawed otter's story at Fukuoka City Zoological Garden. ]

120406_01
福岡市動物園のコツメカワウソ、リラちゃん。植物いっぱいの放飼場。


120406_02
やはりコツメは葉っぱ遊びが大好き。

ところでこの「隣の放飼場」なんですが、暖かい日は鳥(アカカザリフウチョウ?)が出るんだそうです。鳥が出ている間にリラちゃんも出すと面白い、いやとんでもないことになりますので、ここで遊ぶリラちゃんが見れるかどうかは天候次第、ということになります。これからは春本番で気温も上昇、アカカザリフウチョウの出番が増えると、自動的にリラちゃんの出番は減るわけです。みなさまのカワウソ運が絶好調の時期を狙ってお出かけください。


120406_03
リラちゃんはゴンタ似だなあ。


120406_04
ど〜こからと〜もなくゴルフボ〜ルが〜♪


120406_05
背面ジャグリングの練習らしい。


120406_06
キーパーさんのお話によると、建設中のコツメ新居はガラス張り仕様なのだそうです。そうするとこのように檻ごしではありますが、リラちゃんとダイレクトに対峙できる現在の仮住まいで撮影させてもらえるのも、なかなか貴重な機会であると思えてきます。


120406_07
仮住まいを仮住まいだと思って見ているとうっかり見過ごすのですが、ちゃんとこのようなデッキというか回廊のような設備まで作ってありました。このデッキがあることにより、お客さんの目の高さで檻ごしに来てくれます。カワウソの至近距離からの観察機会を増すことに成功している、ナイスなセッティングです。


120406_10
こんな感じです。ナナメがすばらしい。

一般に檻ごしのカワウソ展示で、ここまでやってくれているところは少ないように思いますね。しかも仮設なのにここまで工夫してる!



120406_08
もとより好奇心のカタマリみたいな動物ですから、ちょくちょく檻のきわまで来るわけで、さらに高さ方向のスムーズな動線を確保しているってのは実にポイント高いです。


120406_09
あ、あご乗せにも使いますかw


120406_11
お腹が減ると、こういう感じで高い位置からキーパーさんを探せます。


120406_12
えっへん。


120406_13
遊んで〜!


120406_14
サービスショット♪


・・・


120406_15
さて、福岡動物園ははじめてなので、ちょっとだけですが他の動物たちにもごあいさつ。


120406_16
アミメキリンのキーボー(♂ 2002年9月28日豊橋生まれ)。


120406_17
おひとりさまです。


120406_18
ホンドテンのちかちゃん。


120406_19
パートナーのくめはち。


120406_20
アラビアオリックスもていねいに展示されています。


他にもたくさんの魅力のカタマリたちがいますが、またの機会に。



120406_21
さてさて、その現在工事中の「アジア熱帯の渓谷エリア」ですが、ネットで調べてみると、なかなか期待が持てるプランのようで、たとえば、この書類によると、

第136回福岡市都市計画審議会会議録(PDF注意)

何とオランウータンとコツメカワウソの共生展示の計画が語られています(3ページ目)。こりゃすごい!と思ったのですが、それはあくまで平成19年度、つまり5年前の構想なのでした。この構想がその後、どのように現実化していったのかは、これでわかります。

第4委員会報告資料 - 福岡市(PDF注意)

この資料によると、オランウータンはシロテテナガザルとの混合飼育になっており、コツメはというと、ビントロングと組むことになったようです。シンガポールズーでやってましたね。しかしよーく読むと「コツメカワウソとシシオザルなどの混合飼育」云々とも書いてあり、まだ変更の可能性があったことが読み取れます。そして現在の最新の情報はこれかな。

新アジアゾウ舎パンフレット(PDF注意)

すでに公開されている新アジアゾウ舎が完成した時のパンフレットには、ビントロングとの棲み分けを見せることが確定的に書かれています。どうやらこの線でかたまったようです。

いずれにせよ、意味のある共生展示を狙っているという点において、「アジア熱帯複合展示施設」を計画する際のキー動物のひとつがコツメカワウソであった、ということがわかります。やはり福岡市動物園、本気なのだった!


120406_22
本気ですぴゃ!


  • Posted by jsato
  • TB(0)
  • 01:31 | Edit

井の頭どうぶつ・また夏毛になるよ

井の頭自然文化園。カワウソはいないけど、超ご近所。考えてみると、テンがこんなにいる動物園って他にあるのだろうか。

110430_01
毎度おなじみホンドテンですが、いまはちょうど冬毛から夏毛への移行期です。


110430_02
この個体は夏毛のときに鼻柱に黄色い毛が残るのですが、ちゃんとその黄色い毛が現われてます。おでこから耳にかけては、まだ白い冬毛が残っています。


110430_03
参考まで。こちらは今年の2月撮影。同じ個体とは思えないほど、イメージ激変してますよね。

去年の夏毛の様子を確認したい方はこちらを見てください。
Das Otterhaus 【カワウソ舎】 | 井の頭どうぶつ・夏毛と冬毛


110430_04
こちらはまた別の個体。こちらは夏毛では顔が真っ黒になるはず。


110430_05
冬毛がいよいよ残り少なくなっていますね。


110430_06
こちらも参考まで。今年2月の撮影です。この子は冬毛でも顔が真っ白にならず、目の回りに黒さが残ります。あるいはもっと前には真っ白だったのかな?


つづいて井の頭名物、ニホンリス軍団!


110430_07
どう見ても楽しそうに会話しているみたいです。


110430_08
思わず身を乗り出すほどの内容なのか。うまいクルミが落ちてた話とかw


110430_09
ニホンリスも換毛中。赤い夏毛の上にグレーの冬毛が一部、残ってます。あと耳毛もすっかり乏しくなってます。


110430_10
こっちの個体はまだ冬物を着ている感じ。寒がりな個体なのかも。


110430_11
こちらはすでに夏服に着替えて食料輸送中。




ほかにもすてきなどうぶつがいっぱい!


110430_12
ぱーっと開いてくれました!


110430_13
ちびざるのくせにかっこいいやつ。


110430_14
最近、到津の森からやってきたキュウシュウノウサギ。これは冬でも白くなりません。


井の頭、これでカワウソがいればなあ、といつも思いますが、考えてみるとカワウソがいたらカワウソべったりになって他の動物をちゃんと見なくなるので、いなければいないでいいのかもしれない。

  • Posted by jsato
  • TB(0)
  • 23:49 | Edit

井の頭どうぶつ・夏毛と冬毛

家からもっとも近い動物園である井の頭自然文化園。カワウソの展示こそありませんが、去年2月には「カワウソ講演会」なんかやってくれて、実に素晴らしい動物園です。東京育ちでないわたしは、実はわりと近年までここがれっきとした動物園であるという意識がありませんでしたー。ごめんなさいよ。

さて、カワウソはイタチ科の動物ですが、同じイタチ科のテン(ホンドテンとツシマテン)が井の頭にいます。ホンドテンはこんなやつ。

110107a

110107b
いい面構えだねえ。これを何十万年も水に浸けとくと、カワウソに進化するんだなあ。



さて、実は上の2枚、去年の6月に撮影したものです。つまり「夏毛」なんですな。
ホンドテン、今はこんな色をしています。

110107c

110107d
わー。顔が真っ白です。たぶん同じ個体だと思うのですが(展示場所が同じなので)、まるっきり別の動物に見えます。

動物図鑑で、テンの夏毛と冬毛の絵が載ってたりしますよね。へぇーっと思うけど、なんというかイマイチ半信半疑というか、ほんまかいな、という気持ちだったのですが、本当にこれだけ色が変わるんですね、まあびっくりです。

そもそも、テンってすごい色してますよね。

110107e
これは夏毛ですが、ちょっとありえない黄色です。黄色すぎ。ふつう、動物って基本的に地味な色してるじゃないですか。黄土色とか茶色とか。そんなんじゃなくって、とんでもない黄色。オレは危険な動物だぜ、って言って歩いているようなもんだ。かっこいいなあ。




さて、夏毛と冬毛といえば、このひとたちも。


110107f

110107g
そうです。ご存知ニホンリスです。それにしてもなんつうだらけたリスなんだw。こちらも6月撮影の夏毛です。結構、赤味の強い毛が生えています。もうちょっとコントラスト上げるとミケリスになりそうw


それが冬毛になると、こんな感じ。

110107h

110107i
まあ地味w。すごい真面目なリスって感じに見えます。おなかの毛はもっふもふ。耳毛もふっさふさ。


あ、知ってました? リスって笑うんですよ。

110107j
シャッターによる一瞬のアヤ、じゃないですよ。この個体はかなりしばらくの間、こんな顔をし続けてました。


110107k
これも同じ個体かな。どう見ても笑ってんの。人間が笑うのと全く同じ状態にあるのかどうかはわかりませんが、少なくともこの顔の状態は、人間から見ると「笑い」という範疇のものです。

考えてみると、夏のリスって繁殖シーズンで浮かれまくってるわけで。たぶんもうわけわかんなくなって、要するにちょっと狂っちゃってるんだと思いますね。それに比べると今ごろのリスは、実に真面目ですよやっぱり。


110107l
でもやっぱり、冬でも笑ってる個体がいるんだよねえ。

  • Posted by jsato
  • TB(0)
  • 01:18 | Edit

おやすみ前にこの一冊・・・
160px_kawauso_book
東京書籍刊『カワウソ』をお買い上げくださいましてありがとうございます。おかげさまで何と4刷!

「カワウソなび」の最新情報はこちらをどうぞ↓


Where captive otters live in Japan.

 Otter holding facilities in Japan

動物園・水族館・生息地

[動物園・水族館・生息地ごとの記事アーカイブ。カワウソ中心ですが、たまにほかの動物も出ます]

月別アーカイブ
カテゴリ別アーカイブ
記事検索
タグ絞り込み検索
Junichi SATO

self portrait

[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

 Biography + Bibliography
(展覧会と各種掲載リスト)


 Floodgates

 Twitter : otterhaus
 Facebook : otterhaus
 Tumblr : otterhaus
 Tumblr : otterhausanbau
 Flickr : Otterhaus

 メールはこちら

* 依然として記事の内容に無関係なスパム的書き込みが多いため、各記事に対する新規コメントは現在、受け付けておりません。ご連絡は上のメールフォームから、公開ツッコミなどはFacebook、Twitterをご利用いただければ幸いです。


キュイキュイ書房
カワウソ本とカワウソグッズの密林セレクトショップ♪

かわうそ店長、とってもハマります。すでに9巻まで出てるよ。

かわうその自転車屋さん 1 (芳文社コミックス)
かわうその自転車屋さん 1 (芳文社コミックス) [コミック]

こやまけいこ
芳文社
2014-10-16


酒ケーキもいいんだけど、せんべいの方がもっといいよ獺祭。

旭酒造 獺祭 煎餅 だっさい せんべい 山田錦の砕米で作りました 30枚入り
旭酒造 獺祭 煎餅 だっさい せんべい 山田錦の砕米で作りました 30枚入り [その他]
旭酒造


世界13種のカワウソが網羅されているすばらしい入門書が出ました。写真もいっぱい!

Otters of the World
Otters of the World


ハンザのぬいぐるみが各種、買えるようになってますよ。
カワウソ No.3320
カワウソ No.3320 [おもちゃ&ホビー]


フィギュアはシュライヒが造りがいいですね(なぜか最近すごい値段になってる!)。
Schleich シュライヒ カワウソ
Schleich シュライヒ カワウソ


かわうそ3きょうだい そらをゆく (にじいろえほん)
かわうそ3きょうだい そらをゆく (にじいろえほん)


かわうそ3きょうだいのふゆのあさ (えほんひろば)
かわうそ3きょうだいのふゆのあさ (えほんひろば)


かわうそ3きょうだい (えほんひろば)
かわうそ3きょうだい (えほんひろば)


空がレースにみえるとき (ほるぷ海外秀作絵本)
空がレースにみえるとき (ほるぷ海外秀作絵本)


ぼく、およげないの
ぼく、およげないの


ニホンカワウソ―絶滅に学ぶ保全生物学
ニホンカワウソ―絶滅に学ぶ保全生物学


Otter (Animal)
Otter (Animal)


Otters: Ecology, Behaviour And Conservation (Oxford Biology)
Otters: Ecology, Behaviour And Conservation (Oxford Biology)


カワウソと暮らす (富山房百科文庫 (34))
カワウソと暮らす (富山房百科文庫 (34))


The Ring of Bright Water Trilogy: Ring of Bright Water, The Rocks Remain, Raven Seek Thy Brother
The Ring of Bright Water Trilogy: Ring of Bright Water, The Rocks Remain, Raven Seek Thy Brother


椋鳩十全集〈20〉カワウソの海
椋鳩十全集〈20〉カワウソの海


ガンバとカワウソの冒険 (岩波少年文庫)
ガンバとカワウソの冒険 (岩波少年文庫)


河合雅雄の動物記〈2〉カワウソ流氷の旅
河合雅雄の動物記〈2〉カワウソ流氷の旅

・・・
わたしの本も、ついでにいかがでしょう?


カワウソ

おそらく日本初の、カワウソだけ写真集


ドボク・サミット
ドボク・サミット

みんなで作ったドボク本



恋する水門―FLOODGATES

一家に一冊!世界初の水門写真集


  • ライブドアブログ
Das Otterhaus 【カワウソ舎】