Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

新潟カワウソ・展示替え大作戦、その4

[ Second day of the Eurasian otter exhibit at Niigata City Aquarium Marinepia Nihonkai. They seem to be settling down to the new environment. ]

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新潟市水族館マリンピア日本海の「コツメ→ユーラシア展示替え大作戦」がつづきます。ユーラシアが搬入即展示されたその翌日もまた、しつこく見に行きました。


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やっぱり、


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上の方が気になる。


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えいっ!

というわけで、この問題はまだ解決してないのでした。


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細い流木を横に渡して突破できないようにしても、それでもまだ隙間から上がってしまうんです。ユーラシアの運動能力はすばらしいですね。隙間を完全にブロックするために、白いプラスチックの板(要するに、まな板だ!)が登場しました。たまたま見ていたお客さんは「え〜そんなんでいいの?」的な反応ですが、仮だからこれでいいんです。もちろんこのまな板は、あとでアクリル板に取り換えられました。


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泳ぐはジャンプするはで、2日目も活発。


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そんななかでも、しばしプカプカ泳ぎをする余裕が。


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ちょっとは慣れて、落ち着いてきたものと思われます。


そういえばカワウソしか出してませんでした。ちょっとご近所の様子も見てください。

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ラッコのクータン。


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ここのラッコ展示場は撮影しやすいです。


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せーの、


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タッチ。


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はい、イカどうぞ。


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次はゲソ。


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元気そうです。


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となりのバイカルアザラシ。こんなふうに陸上でのびた状態をはじめて見ました。一見バイカルアザラシに見えない。


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実はムギュも長いのだった。


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で、いつものバイカル顔に戻りました。


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で、またカワウソ展示に戻りまして、


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ふんふん


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背景の絵がコツメ用なので、少々マッチしなくなってしまいましたね。


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ま、細かいことは気にしない。


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アヤメちゃん。


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スミレちゃん。
みなさんよろしくね。


3日間もあいだ、お邪魔をいたしました>マリンピア日本海のみなさま

新潟カワウソ・展示替え大作戦、その3

[ First day of the Eurasian otter exhibit at Niigata City Aquarium Marinepia Nihonkai. The otters were seeking escape route from enclosure. ]

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新潟市水族館マリンピア日本海の「コツメ→ユーラシア展示替え大作戦」のつづきです。展示初日の後半の様子。


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前回は個体識別に力点を置いて見てみましたが、今回は個体にこだわらず、さまざまな行動を見てみましょう!


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・・・って単に識別がわからなくなってきたからですけど。


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見る角度によって形が七変化するユーラシアカワウソの個体識別を、写真判定だけで行うのはなかなかむずかしいです。


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ところで、マリンピア日本海の展示に用いられているこの木材、1本だけ擬木ですが、他はぜんぶ自然木です。近くの海岸に打ち上げられるいい感じに枯れきった流木を、そのまま使っているのだそうです。


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枯れた流木なので水を吸ってくれます。濡れた毛をこすりつけるには、なかなか気持ちのよさそうな素材ですね。


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そんな狭苦しいところでバトルしなくてもいいだろうに。あ、居場所の取り合いしてるのか。


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報道陣も引き上げて、だんだん落ち着いた雰囲気になってきました。

本日からユーラシアはじめました、みたいな表示があるわけではないので、お客さんは「あー!カワウソ〜」程度の反応ですが、中には「あれ、木が増えてるぞ?」「前はコツメじゃなかった?」のような鋭い発言をされるひともいたり。


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ちょっと昼寝をしましたが、基本的には落ち着ける場所を探して、精力的に?あちこち動き回っていました。


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実にユーラシアっぽい水中姿勢。しっぽが太く見えます。


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この角度からだと、毛の黒さが目立ちます。


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落ち着くようで落ち着かないでしょ、そこ。


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あ、立ち上がって上を見てますよ。


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脱出できないか探っている感じです。


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まさかそこからはジャンプできないだろう。


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あれ、できちゃった。


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行ってもらっては困る場所に行けるようになってしまいました。その都度、キーパーさんがブラシで追い落とします。さっそく要対策部分の発生です。


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ふんふん


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壁ぎわの高い擬岩の上が気に入ったらしいスミレ。


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というわけで、夕方の給餌。アクアマリンふくしまでは大きなピンセットでえさをあげていましたが、それを踏襲しています。さすがにおなかが空いたと見えて、2頭ともよく食べます。


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んもう、威嚇し合ってないで食べなさい。


続きがあります。あと何日かお待ちください。


新潟カワウソ・展示替え大作戦、その2

[ Continuing report of the otter exhibit shift in Niigata City Aquarium Marinepia Nihonkai. On the next day, Eurasian otters had arrived from Aquamarine Fukushima. Immediately, they were exhibited in the enclosure which their keepers remodeled overnight! ]

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わたしはだれでしょう?

ふたたび、新潟市水族館マリンピア日本海から、「コツメ→ユーラシア展示替え大作戦」の模様をお伝えします。


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翌3月28日。一夜明けたカワウソ展示場は、みごとにユーラシア仕様へと変貌をとげておりました。流木の集積がど迫力です。


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2頭のユーラシアは、まだアクアマリンふくしまから到着していませんが、受け入れ準備は万端、ととのっております。まずは予習として、このお顔を目に焼き付けときましょう。




・・・





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11時過ぎ、ついにご一行様が到着しました。すぐに展示場に放って即、公開を開始するという、なかなか思い切った段取りです。報道各社様に混じって撮影バトルに入ります。


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木箱の方がスミレ、プラのケージがアヤメ。


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出てらっしゃ〜い!


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まずスミレが出ました!


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スミレです。


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出たり引っ込んだり。


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外の様子をうかがって・・・


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思い切って飛び出しました!


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すぐに水の中へ。


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プールを1周して、周囲の様子をうかがいます。


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一方、アヤメは出てこないので、ご覧の通り「振って出し」作戦になっています。すでに2頭のキャラクターがそのまま行動に現われているようであります。


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はい、出ましたー!


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あっという間にどこかに隠れて動かなくなると思ってましたが、若い個体とあって動くこと動くこと。報道各社様も振り回されぎみです。


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まずは個体識別をしないといけないわけですが、これはスミレかなあ。


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これはアヤメ。理由は後述。


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上がスミレで下がアヤメ。

2頭はまず体格で見分けられます。アヤメの方がちょっと骨太な感じです。しかし、それは直接観察でしか使えない。写真判定用に、顔の特徴をつかむ必要があります。


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これがアヤメ。ひとことで言うと、父親のドナウの方に似ています。

【ご参考】上野に避難していたころのドナウ
Das Otterhaus 【カワウソ舎】 | 上野カワウソ・今週のドナウ(6) 最終回

具体的には、ムギュ(口吻)が短く、顔が横長ぎみで目が離れています。


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これがスミレ。こちらもあえて言えば、母親のチロルの方に似ています。

【ご参考】こちらも上野時代のチロル
Das Otterhaus 【カワウソ舎】 | 上野カワウソ・今週のチロルさん(4)

ムギュが長めで、顔が細いので、アヤメより目が小さくて寄っています。毛皮の色もちょっと黒っぽい。

そういえば、チロルの顔をひとことで言うと「冗談の通じなさそうな顔」というものすごく的確な表現がありましたっけ。


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2頭がとりあえず落ち着いた場所、見えますか?
後の擬岩の上に顔だけ出しているのがスミレ、手前の流木に挟まっているようにしているのがアヤメです。この日は何となくこれが定位置のようになってました。


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初回の給餌です。まだ警戒してキーパーさんの方へ寄ってきません。


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はやく環境に慣れましょうね。

つづきます。
あ、冒頭の写真はスミレと思われます。

おやすみ前にこの一冊・・・
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東京書籍刊『カワウソ』をお買い上げくださいましてありがとうございます。おかげさまで何と4刷!

「カワウソなび」の最新情報はこちらをどうぞ↓


Where captive otters live in Japan.

 Otter holding facilities in Japan

動物園・水族館・生息地

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Junichi SATO

self portrait

[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

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・・・
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Das Otterhaus 【カワウソ舎】