前回の大雪頭首工から、さらに2.8キロ上流に来た。これ以上先はすっかりクマーの世界かと思ってたらぜんぜん違ってて、ちゃんと田畑があって市街地もある。大変に失礼しました。やはり北海道って奥が深いですな。
石狩川愛別頭首工。


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言わなくてもわかると思うが、平成19年度竣工なので新しい。旧頭首工はここから500メートル下流にあったが、すでに撤去済み。その撤去工事のプロセスがちゃんと論文化され、公開されている。「アンカー式土留め工法」に興味のある方はどうぞ。
[PDF] 石狩川愛別頭首工の旧取水口撤去 及び閉塞工事について
前回、寒色系の色に塗ったりしたら吹雪で見えなくなってアウトだ、とか書いたが、ここがまるっきりそれだった。おまけに上流側の堰柱に付けられている警戒色も省略されている。頭首工の色に対する考え方が、180度変化していることがよくわかる例になっている。「自然環境等との調和への配慮」は魚道設置だけでは評価されないのだろうか。視覚的に施設の存在を消す方向へ向かわないと、環境に配慮したことにならないのか。いつも思うのだけど、そういう考え方って、いったいどこから来ているのかな。
だいたいそういう議論をするときの環境って何なのか。人間が作った構造物まで含めての環境ではないのか。特定の色が突出してよくないのは広告看板の話であって、その評価軸を防災系の構造物に適用することはないと思う。
新しい石狩川愛別頭首工は純粋な利水施設ではないのか、とツッこまれるかもしれないが、実はそんな単純な話ではない。「国営総合農地防災事業」という予算で作られているので、半分は防災施設ということになっている。旧頭首工がボロくなったというより、堰の洪水流下能力が不足したために計画されたのだそうだ。
でも待てよ。それって可動堰が「洪水時に邪魔にならない性能」を上げるためであって、可動堰そのものが積極的に防災に寄与するわけじゃないよね。そういうのも積極的に防災って言っていいのかな。
よくわからなくなってきた。

まあソバでもどうぞ。