Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

王子カワウソ・第3のカワウソ登場

神戸市立王子動物園のコツメカワウソ。何でストーリー仕立てにせねばならんのか、いまひとつよくわからんのですが、とにかく起承転結で言えば「転」の部分にさしかかっています。

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ガラス越しにこちらを覗くナゾの影。第3のカワウソの出現に2頭が色めき立ちます。いや、正確に言うと色めき立ってるのはアケビ(左)だけです。


前々回でカワウソの説明書きをきっちり読まれた方はお気付きと思いますが、実は王子動物園のカワウソ舎はふたつに区切られており、双方にカワウソが住んでいるのです。


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実にわかりやすい説明写真が貼ってありました。右側にガラス越しに写っているのが、第3のカワウソ、ハジメ(はじめ?)くんです。


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こちらがいわゆる「山側」の展示場。何でこういう構造になっているのかというと、少し前までユーラシアカワウソも同時に飼われていたため、と思われます。

で、こちらの主であるハジメは朝から今まで、ずっと姿を見せていなかったのです。貼り紙に、いないときは隣の「リスと小鳥の森」から寝室がご覧になれます、とあったので行ってみました。


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これです。面白い構造です。
でも今日は湿気が多く、残念ながら中が見えません。



・・・・・・



さんざん待たされたあとで、ついにハジメくん登場です。



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どーん。ハジメです。


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ヒゲの飛び散り方に、奔放な性格が現われているようですが、実際はどうなのかな。


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ハジメは密輸保護個体で、2003年生まれ。アケビとアトムのちょうど真ん中ぐらいの年齢になりますね。胸から下の毛が抜けてます。キーパーさんによると来たときからこうだったそうですが、やはり野生捕獲個体ならではの、さまざまなストレスを被ったことによるものなんだろうか。

前はかなり太ってた(ゲモってた)とのこと。
Neighboringwild/ごきんじょワイルドさん ■ジタバタするコツメ


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そのころ海側の展示場の方では、アケビちゃんがじたばたしてます。葉っぱを仕切りの下へ突っ込んで、向こう側へ押し出そうとしているようです。


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何となく「服役中の夫に葉っぱを差し入れる妻」というような風情がただようのであった。

そんな風に見えるのも無理はない。実はハジメはアケビの前の夫なのでした。繁殖遂行のために今はアトムという若い子と一緒に暮らしているのですが、心はまだハジメの方に向いているのかもしれませんね。


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アトムとしては複雑な心境。


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ちょっと距離をとってみたり。


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でもまあ、別に仲は悪くないわけで。




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こっち(アトム)と、


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あっち(ハジメ)の、


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どっちを取ったらいいのか。ふたりの男の間でゆらぎよろめく女心。波打ち際(波ないけど)を走り抜ける、アケビ10才。


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というわけで、この三角関係は当分つづくものと思われます。




【追記 2010.11.18】
くろしおさんが、アケビとハジメがいちゃいちゃしている動画を記録されてました。2008年2月だそうです。

コツメカワウソさん達 | クリップ | くろしおのホームページ | 動画・写真アルバム FlipClip

カワウソも、ほんとに人生いろいろだと思います。

王子カワウソ・どじょうタイム

神戸市立王子動物園のコツメカワウソがつづきますよ。

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ん?


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ぴゃ?



アトムとアケビ、何かを待っているように落ち着きがありません。それはなぜかと言うと・・・


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そう、王子名物「どじょうタイム」の時間が迫っているからです。




やがてどじょうを持ったキーパーさんが現われて、プールに生きたどじょうを投入しました。




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それ食え〜!


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もっとちょうだいちょうだい。

あっという間に食べ尽くした2頭は、キーパーさんを追いかけます。


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もうおしまい。からっぽやろ?


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もっとドジョウ、食いたいのお・・・


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お昼のどじょうタイムが終わったあとは、泳いだり、


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楽しくご歓談などされてお過ごしになります。



ところが!



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アトムが何か異変を察知したようです。





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おや、窓越しに別のカワウソがこちらを覗いているではありませんか!

やつは一体、何者なのか?
つづきをお楽しみに!

王子カワウソ・高級カワウソ住宅

お待たせしました。神戸市立王子動物園のコツメカワウソです。訪ねたのは寒〜い寒〜い雨の日でした。

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でもカワウソはむしろ雨の日のほうが活発なぐらい。


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こちらはオスのアトム。確かに雰囲気アトムっぽい。ヒゲがりっぱ。


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乾くと大してアトムっぽくもないです。


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こちらが葉っぱで窓を拭く、アケビちゃん。


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キュイ〜!


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さて、王子カワウソはなかなかいいところに住んでるんですよ。「動物とこどもの国」の一番奥の、言うなれば高級住宅地。後ろの欧米な建物はリス舎のファサード。んもう信じられないほどこじゃれた空間。さすが神戸だ。

ちなみにそのまた後ろはすでに動物園の外です。あのマンションからは間違いなくカワウソ見えるよね。いいなあ。そんなところに住みたい。


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左手に回ると水中観察用の窓が3つも!そしてあちこちに「どじょうタイム」の貼り紙が。


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カワウソの個体説明も詳しく書かれています。
しまった、もう1頭いることがバレてしまった。


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寒い日はヒーターの上でゴロゴロするに限りますわ。

まだつづきます。

おやすみ前にこの一冊・・・
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東京書籍刊『カワウソ』をお買い上げくださいましてありがとうございます。おかげさまで何と4刷!

「カワウソなび」の最新情報はこちらをどうぞ↓


Where captive otters live in Japan.

 Otter holding facilities in Japan

動物園・水族館・生息地

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Junichi SATO

self portrait

[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

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カワウソ本とカワウソグッズの密林セレクトショップ♪

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椋鳩十全集〈20〉カワウソの海
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ガンバとカワウソの冒険 (岩波少年文庫)
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河合雅雄の動物記〈2〉カワウソ流氷の旅
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・・・
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ドボク・サミット
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みんなで作ったドボク本



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一家に一冊!世界初の水門写真集


Das Otterhaus 【カワウソ舎】