Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

ミルクとツヨシ、その1

[ Continuing report of Kushiro Zoo. They have two polar bears. Young female named Milk and adult female named Tsuyoshi. In the morning Milk is exhibited and change to Tsuyoshi at 1 PM. Milk is very curious and active so she makes a lot of actions. Visitors never get tired of looking her. Tsuyoshi has behavior full of charm and grace as a grown polar bear. ]

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釧路市動物園が続くよ。ホッキョクグマ、まずはミルク。


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一見、静かにブイ遊びをしているように見えるが・・・


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ミルクは、


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ご存知の通り、


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むちゃくちゃに活発。


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もう何なのそれ。


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若いカワウソの遊び方もものすごいものがあるが、ホッキョクグマもかなりなものだ。個体によるけど。


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ミルクはこの位置で踏ん張ったまま、水に浮かぶハート(湯たんぽ?)を水に入ることなしに引き上げた。すごい。どういう身体の構造してるんだ。


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別にズボラだとか、寒くて水に入りたくないってことではないのだ。「そういうことをやってみたい」という意志に基づいて、あえてやっているように見える。


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ミルクはあらゆるものに興味を示し、その扱い方を様々なバリエーションで試してみる。


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こんなに活発で好奇心旺盛な個体は見たことがない。


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壁の氷を剥がそうとしているらしい。


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ミルク先生、お時間です!


3月にツヨシが横浜へ移動するまで、メイン放飼場は午後1時で役者が交代する展示体制になっていた。


・・・



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お待たせしました。ツヨシ登場!


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大人のホッキョクグマの貫禄だ。ミルクはでかいのでつい忘れてしまうが、あいつはまだお子様だな。


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まさしく大人、じゃなくて成獣。


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何かこういう、オーディエンスに挨拶しているようなところもね、成獣の貫禄だと思う。


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何か特定のものが気になる、というより、とりあえず今日の客席の様子を確認しとこか、みたいな余裕ある眺め方である。


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特に異変がないと思ったのか、やがてリラックス状態に。


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この頃、引っ込んだミルクは隣のサブ放飼場に出されるが、メイン放飼場とツヨシが気になるのか、


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こんなところにへばりついてメイン側を見ている。実に変なやつだw。そんなことしているからお尻の毛がハゲるのだ。


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ツヨシはおとなしく遊ぶが、基本的に欲張りであるようだ。


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さっきのハートが気に入ったの?


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ツヨシはおやつのリンゴをちゃんと両手で持って食べる、行儀のよいクマだなあ。



もちろん、その2へ続く!
  • Posted by jsato
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釧路のカナダカワウソ

[ It's been two years since I last visited to meet NARO pair at Kushiro Zoo. They have rarity value because there are only three NAROs in Japan now. ]

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日本に3頭しかいないカナダカワウソ、そのうち2頭は釧路市動物園にいることはみなさんご承知のことと思う。釧路もちょくちょく出かけられるところではないので、前回の訪問からまた2年ぶりになってしまった。

釧路のカナダカワウソに関する以前の記事は、こちらから参照されたい。
http://blog.kohan-studio.com/tag/釧路市動物園


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今日は10時30分からパクパクタイム。まずはヒヨコから。


次は名物、ホッケなのだが、ご存知の通り数年前から北海道でホッケがあまり獲れなくなってしまった。魚食性の動物の多くにホッケを与えていた釧路市動物園では大変なことになっていた。

釧路市動物園、ホッケ不漁でピンチ 割高なアジをエサに:日本経済新聞

海水温の変化など構造的な原因によるものらしく、ホッケの漁獲量は今も減ったままだ。今までホッケを食べていた動物も、切り替えのうまくいくのとそうでないものがいるわけだが、カワウソはダメだったらしく、小ぶりなホッケを遠方から取り寄せて、何とかしのいでいるそうだ。

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かつてのゴージャスなホッケより、だいぶ小ぶりである。言われなければホッケとはわからない。


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リッキーとチャッピー。


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貴重なホッケに食らいつくチャッピー。


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チャッピーは去年の夏に痩せたため、現在えさの量を1.5倍に増やしているそうで、ちょっとコロコロしていた。


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園児には見づらい高い柵。放飼場の絶対的な狭さの問題もあり、開園以来大きな変化のないカワウソ舎は、今やかなり残念な存在になっていると思う。そろそろリニューアルを期待したい。

だいたい、日本国内において今やカナダカワウソが希少であることが、ここでは全く意識されていないのだ。

今回、ある(おそらく地元の)お客さんが「あ、カワウソだー! 何だあ、コツメじゃないのか」と言っていたのを聞いて愕然とした。テレビやネットで見たコツメカワウソではなく、得体の知れないカワウソだったので残念、ということだと思うが、あまりにあんまりな反応だと思う。

地元のお客さんというのは、基本的に動物園に対し「標準動物セット」が存在することを期待する。ゾウにキリンにライオンにゴリラ、みたいなステレオタイプだ。それに対し、園側ではさまざまな理由で、標準とはちょっと違ったコレクションとなっていることがある。意図的に偏差のある動物種選びをすることもあれば、ある事情によってたまたまその種になってしまった、ということもあるだろう。開園当初のコンセプトがだんだん崩れてきて、今やポリシーがよくわからなくなってしまっているような例もあるし。

問題はわたしのように外から見に来る者は、むしろその標準とのズレの部分に価値を認めてしまう、という点にある。そのためにわざわざ来るわけである。

このギャップを埋めるには、地元のお客さんに対してもコレクションの意義を明確に示し、当該動物の特性とその希少性を積極的に伝えることだろうと思う。また地域外からの来園者を単なるマニアと煙たがらず、うまく取り込んで情報発信に利用することだろう。もはや地域住民サービスのためだけに動物園を続けていくことが許されない時代になっているのだ。

何か、上から目線で余計なことを書いているな。
話を目の前、というか目の下のカワウソに戻したい。


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さて一方のリッキーはと言うと、


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チャッピー基準のえさの量は多すぎるようで、途中から飽きてひたすら泳ぎまくっていた。


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この2頭、よく似ているので本当に見分けにくい。見分け方は以前書いたので、バックナンバーを参照してほしい。基本的には鼻鏡の形状に微妙な違いがあるので、写真判定の際にはそこで判断している。現場では体格でわかる。もっとも以前はリッキーの方が大きかったが、今回はチャッピーの方が太っているので、今なら太い方がメス、と思ってもらっていい。


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外敵侵入!


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行け!リッキー!


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うーん、取り逃したか。


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午後から雪が降ってきた。チャッピーはここにいることが多い。


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外が気になるので、


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だんだん上の方で見張ることに。


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ふぁ〜あ。


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ん?


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やっぱり気になる。


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しかしまあ、最近塗り替えたこの壁の色がすごいな。ちょっと緑すぎなのでは。明るくしたい、という気持ちはわからんでもないが、背景としてぼかした時に現実の風景に見えるような、もっと彩度の低い色にすべきだった。あるいは、床と壁の色を逆にした方がいいのではないか。


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リッキーは木登りできないので、泳いでいるかこのへんをうろうろしているのであった。



・・・




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さて2日目。今朝は晴れだ。


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もちろん、晴れている方が気温は低い。


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ご覧の通り、左のコロコロな方がチャッピー。


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今日のパクパクタイムは11時45分。


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本日のメニューはイカナゴと、


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何と牛肉。噛みきれなそうにしている。


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牛肉はそれほどお好みではないらしく、そのうちカラスに持っていかれたりする。


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リッキー。


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チャッピー。


わたしのような愚かな外来者は厳冬期の北海道の寒さを面白がっているわけだが、この日、街中の自販機で買ったミネラルウォーターがほぼ凍っており、氷の棒のようになって取り出し口に落ちてきたのには笑った。この朝の最低気温、-18℃だったそうな。

次回、ホッキョクグマのミルクと移動直前のツヨシの様子を。
  • Posted by jsato
  • 22:07 | Edit

釧路シロクマ・釧路キリン、あとオランとか

[ One more report of Kushiro Zoo. At present, they have three Polar bears. The mating season is coming but this pair doesn't seem to success. And the young bear named Milk has just moved here from Oga Aquarium. She is in sub enclosure to be trained to new environment now. And this giraffe is also a newcomer. ]

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釧路市動物園、1か月ほど前の撮影です。エゾジカどアップ。


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ユキオとツヨシ。ちょうど前日ぐらいから発情に入ったところ、らしいんだけど・・・


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ちょっとその前に、隣のサブ展示場に来ているミルクの様子を見てみましょう。


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クルミの娘で、1月に男鹿水族館から移動してきたばかりのミルクですが、予想より大きくなってました。


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移動直後の個体はあえて公開給餌(パクパクタイム)をやって、遊びと馴らしをするのだそうです。


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前足が出てますね。


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もう空っぽ。


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ちょいちょい。


そういえば昨年夏の、ミルクの男鹿時代の写真をまだアップしていませんでした。そのうち上げます。今さらだけど。




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で、ユキオとツヨシですが、


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どうもツヨシちゃんがまったくその気になってないようでした。こりゃダメかー。





さて、長らくキリンがいなかった釧路ズーですが、チャイルズエンジェルという「60〜70代を中心とした女性」のみなさまが募金活動(すんごい金額になった)を行い、それがきっかけとなって、お隣のおびひろ動物園からスカイが移動して、去年の10月から公開されているのはみなさんご存知と思います。

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おー、いるねえ!
フェンスの上が曲線なのは、キリン仕様?


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放飼場はちゃんと除雪されているので安心ですね。


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リボンの息子なのでツノ毛がぼわ〜、かと思ったらそうでもないな。


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バックが透けて見える扉も、キリン仕様でいいですね。


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キリンもよく雪を、


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食べるんだよねー。


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トナカイってなかなか撮りにくいような気がします。あまり顔を上げないからだろうか。


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エゾジカは飼育でも野生でも結構、カメラ目線。


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白いおしりのでっかいシカ。


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やっぱりワピチはかっこいいなあ。


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類人猿舎の室内展示を覗きましょうか。

中途半端に雪が解けてて歩きやすいように見えるかもしれませんが、基本的に雪のないところの半分ぐらいは凍結しております。


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ひなちゃん。さすがに2年ぶりだと大きくなったことがわかる、って当たり前だけど。


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で、ロリー母さんはふたたび子育て中でした。


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1月15日うまれ、おんなのこ。元気そうですね。名前はまだないのかな。


  • Posted by jsato
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  • 00:25 | Edit

おやすみ前にこの一冊・・・
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東京書籍刊『カワウソ』をお買い上げくださいましてありがとうございます。おかげさまで何と4刷!

「カワウソなび」の最新情報はこちらをどうぞ↓


Where captive otters live in Japan.

 Otter holding facilities in Japan

動物園・水族館・生息地

[動物園・水族館・生息地ごとの記事アーカイブ。カワウソ中心ですが、たまにほかの動物も出ます]

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Junichi SATO

self portrait

[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

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カワウソと暮らす (富山房百科文庫 (34))
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The Ring of Bright Water Trilogy: Ring of Bright Water, The Rocks Remain, Raven Seek Thy Brother
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椋鳩十全集〈20〉カワウソの海
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ガンバとカワウソの冒険 (岩波少年文庫)
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河合雅雄の動物記〈2〉カワウソ流氷の旅
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・・・
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