Das Otterhaus 【カワウソ舎】

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

上野カワウソ・今週のチロルさん(4)

上野動物園に避難中のチロル&ドナウ。いつ福島に帰っちゃうのかとドキドキものです。今週はたくさん撮れたので、チロルとドナウを分けてお見せします。

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カワウソの基本ポーズですが、意外と撮れない。視線の先にはアジが。


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のび〜。


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舌なめずり、というのはこういう状態を言います。


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このとき、とっても重要なことを発見しました。

チロルとドナウを生で見たことのある人は、大きさが違うのですぐに見分けられる、ってことがわかると思います。しかし写真に撮ってしまうと、あとで見てどっちがどっちかわからなくなることがあります。そんな場合の決定的な見分け方をずっと探していたのですが、ようやく見つけました。顔がぜんぜん違うからわかる、というのは説明になっていないので、定量的というか明示的というか、そういうレベルの区別ポイントがあった方がいいのです。


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下あごの先端を見てください。チロルはここが真っ黒です。

ドナウは次回、お見せしますが、この部分が真っ白(というかピンク)なんですよ。何でこんな明確な区別ポイントに今まで気付かなかったのか。


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「ふっふっふ。区別してみなっ」


残念でした。この角度だと目つきでわかるのよ。チロルはまぶたが重い、というか目が奥。


・・・



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チロルがフェンス際の木の洞で寝ていると、ドナウが侵入してきました。こういう場合、さっきの区別ポイントが使えます。そう、下あごの先が黒い左側の個体がチロルです。


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ピギャギャギャギャーみたいな声を出してちょっとケンカっぽくなってます。

先週も書きましたが、上野に来て以来、日がたつにつれて、2頭がいっしょにいる時間がどんどん長くなっているような気がします。


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ドナウを追い出して昼寝を続けるチロル。ここまで無防備な寝方は初めて見ました。いつもはほとんどおなかを見せません。


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この日は暑くて、しょっちゅうプールに入ってました。こんな感じで、定番ポイントでプカプカしながら、うとうとしたり。


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しかし、起きると妙に精悍なチロル。


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水中でじゃれじゃれしています。手前は水中ドナウ。


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「お魚ください」

ヒョウっぽい雰囲気。


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「え?そっちですか?」


こうやってキーパーさんが飛び出せ水槽の入口までおびき出しますが、チロルはなかなか行ってくれません。


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サービスショット。お客さんがキャーキャー言っても逃げませんよ。


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キーパーさんがドナウを探している間に、えさバケツを覗いています。実にイタチ科らしいシルエット。気温が高いと体が伸びるのだろうか。


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いいツメっぷりです。


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下あご先端の黒さがよくわかりますね。


次回はドナウ。

上野カワウソ・今週のチロル&ドナウ(3)

上野動物園に避難中のチロルとドナウ、3週目の様子です。今週は時間が取れず、開園から2時間だけ張り付くことにして出かけたのですが、2頭が出てきたのは11時7分。あと20分で戻らなきゃというタイミングで、ろくに撮れませんでした。枚数も少ないので2頭分まとめてしまいますね。

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チロル、だよね?

先週は2頭で同じ巣穴に寝てたので、そっちで待ち伏せしてたら、あらぬ方向からいきなりチロルが起き出してきました。今朝は別々に寝ていたようです。しかし2頭でいる時間は、公開当初に比べて確実に増えているような気がする。


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こんなラブラブな感じで。


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さて、チロルがおトイレを済ませるとドナウがやってきました。全く同じ場所(切り株の上)にふんをしています。


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横顔で個体を判断するのは難しいのですが、首が太いので間違いなくドナウのはず。


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おトイレ中、失礼しました。


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ふんっ。



・・・


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ドナウがプカプカ泳ぎでやって来ます。


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なになに〜?
後ろからチロルも来た。


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キーパーさんがえさバケツとともに登場。チロルが追っかけます。


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ドナウは配管に興味が。


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あ?なに?ごはん?


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もらったもらった(ドナウ)。


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ネコ科動物みたいに精悍(チロル)。


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反対方向を向いて食べます。


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チロルのほうがおなかが空いてたらしい。


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うまうまー。


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うれしそう。


アクアマリン福島では、順調に再開の準備が進んでいます。チロル&ドナウももうすぐ帰れますね!上野であと何回撮れるかな。

上野カワウソ・今週のドナウ(2)

アクアマリンふくしまから上野動物園へ避難中のユーラシアカワウソ、チロル&ドナウ。続いてドナウの今週の様子をお見せしちゃいます。


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もうお昼の12時半ですが、チロルと入れ替わりにドナウが起き出してきました。


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ぷっかぷか〜♪


お、いきなりこっちに遊びに来るのか!と思ったら、


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どっかからアジを拾って来て、


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ブランチですか。


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アジを食べ終えると上陸してキビナゴに食い付きますが、


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ぎゅえ。

この一口で終わりましたw

ミーちゃんたちはキビナゴ食べてたような記憶があるのですが、ヨーロッパ生まれのチロドナはこの味が好きではないのでしょうか。あるいは味覚がまだお子ちゃまなのか。いずれにせよもったいないことです。東京にいるとめったに口にできませんぜキビナゴ。食べたいよキビナゴ。


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知らんがな。


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びゅーんと軽快に泳いでるように見えますが、


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そうでもなくて、実際はずっとプカプカ泳ぎです。


2頭とも、本気で泳いでいるを見たことがありませんが、上野のプールは浅いので仕方がないのかもしれない。ユーラシアの本気泳ぎは見ていてそれは気持ちがいいものなので、ぜひ多くの人に知ってほしい。せっかくこれだけ多くのお客さんが来る(パンダからじゃんじゃん流れて来る)のに、何だかもったいないなあ、と思ってしまいます。もちろんチロル&ドナウは避難個体の仮の展示だし、上野ではコツメカワウソの方がそういった役割を果たしているとも言えるわけで、現状ではまあ、こんなもんだろうとは思うんだけど。

でもそれでいいってわけじゃなくて、チロル&ドナウは早晩、福島に帰っちゃうわけだし、何と言いますか、長期的希望として書かせてもらえば、一国を代表するクラスの動物園の、そのまた一等地にあるカワウソ舎なんだから、もうちょと気合いの入った迫力あるユーラシアカワウソ展示になっててもいんじゃないか、というようなことが常に、わたしの頭の中の言いたいことリストの一番上にあるわけです。コツメがいたらいいじゃん、って話ではないのだと思いたい。コツメかわいいけどw。

ってことで、ホッキョクグマの次はぜひ、カワウソ舎のリニューアルを!


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奥の方でごそごそするドナウ。


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立派なしっぽ!さわりたい!


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巣穴のドンゴロスに乗っかって気持ちよさそうにしてます。


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顔だけ出して何やってんでしょう。


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百面相?


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んなわけないよね。


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クネクネゴロゴロ。毛をドンゴロスにすり付けてグルーミングでした。


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ふぁああああああ。


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で、また昼寝ですね。


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もうこの日のドナウは閉園までずっと巣穴にいました。ときどきこんな感じで顔出してくれましたけど。

おやすみ前にこの一冊・・・
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「カワウソなび」の最新情報はこちらをどうぞ↓


Where captive otters live in Japan.

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Junichi SATO

self portrait

[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

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