Das Otterhaus 【カワウソ舎】旧サイト

生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。

平川カワウソ・ヤマトの正体は♪

[ Oriental small-clawed otters at Hirakawa Zoological Park in Kagoshima. ]

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ひさびさの鹿児島市平川動物公園。昨年お伝えした通り、コツメカワウソ展示が代替わりしてます。詳しくはまずこちら↓を。

Das Otterhaus 【カワウソ舎】 | 平川カワウソ・コツメ展示復活!


で、このとっても無防備にゴロゴロしていらっしゃるのが、問題のヤマトくん。


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この魚肉ソーセージもらってニコニコしているヤマトくんは去年、多摩から移動した2010年生まれの4頭のうちの1頭であることは容易に推測できました。多摩から4頭が移動した時期と、平川に1頭出現した時期がきれいにつながるからですな。だれにでもわかるロジックね(違った。多摩から来ましたってどこかに書いてあったのだった)。


多摩の2010年生まれは5頭。そのうち1頭(ドン)は多摩に残っている。

移動した4頭はウォン(♂)、ゲン(♂)、ペソ(♂)、ルピー(♀)。

ヤマトは♂。

ということは、ヤマトはウォンかゲンかペソのどれかだ!

いぇい。アッタマいい!



ということで、このたび鹿児島に出張って本人に聞いてみることにしたわけです。それが一番簡単だ。

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「きみはだれだ?」


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フフフ。


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ぼくはだれでしょう?


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ヤマトは泳いでごまかして、バックレてました。ダメだこりゃ。


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ヤマト、顔つきはカワちゃん似だけど、おトイレのフォーメーションは実にゴンタそっくり。しっぽの上りっぷりとクチの開けっぷりは実にみごと。これぞまさしくゴンタのせがれの証!



はい。では答えです。


「ヤマト」=「ゲン」


でした〜。


本人に聞いてもクチを割らないので、担当キーパーさんにお聞きしました。ジロウ老師存命の頃から担当されている方が、今もそのまま担当されてたので話がスムーズ。

何でも、手違いで名前がないのが来たと思った担当さんが、「ヤマト」って付けちゃったあとで実は名前が付いてたってことが発覚したそう。まあそういうことはよくありますわなw。



さて、そのヤマトのパートナーがプラハ生まれのチェリーちゃん。

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左がチェリーで右がヤマト。


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チェリーちゃんどア〜ップ、行きます!


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何でチェリーなんですか、やっぱりその桜島にちなんで、みたいな感じですか、とお聞きしましたところ、実は担当さんのお嬢様がさくらんぼが好きで、チェリーがいいんじゃない、という提案にしたがったのだそうです。

お嬢様はカワウソ好きなんですか、とお聞きしましたところ、別の動物の方が好きだそうです。まあそういうことはよくありますわなw。


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で、このチェリーちゃん、当初はヤマトに付き従って・・・という雰囲気だったようですが、今回観察していた限りでは、なかなかぶっとんだ性格のように思われました。つまり今後、どんどんヤマトを尻に敷くようになるのではないかとw。これはなかなか楽しみです。


つづく♪

平川カワウソ・コツメ展示復活!

[ Oriental small-clawed otters are exhibited again in Hirakawa Zoological Park. A pair of young individuals nestles close to each other. ]

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まだチョコミントの途中ですが、鹿児島の平川動物公園からコツメカワウソ展示復活のレポートです。現地出張中のマネージャーがiPhoneで撮影。わたしは見やすく加工しただけ。


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自分の目で見たわけではないので確信は持てませんが、スタンディングしてるのがオスのヤマトで、後ろにいるのがメスのチェリーだと思う。違ってたら言ってください。


カワウソ夫婦、仲むつまじく/鹿児島市・平川動物公園 | 鹿児島のニュース | 373news.com


いつも思うんだけど、動物園の公式webから出るカワウソ関係のニュースって遅い(あるいはニュース自体が出なかったり)。むしろ一般メディアの方がすぐに取り上げてくれる感じがする。ひょっとすると、動物園の内と外でカワウソという動物種に対する気持ちに、温度差があるんじゃないかと思ってる。動物園はもっともっとカワウソを面白がって伝えてくれていい。いるんだかいないんだかわかんないような地味な小動物、ってわけじゃなく(もちろんそれだって大事な動物だけど)、見る者の気持ちをわしづかみにするようなアピール度の高い、たぐい稀な動物なんですよカワウソは。


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仲良く寄り添っています。

上にリンクしてある南日本新聞の記事によると、チェリーは7月にチェコのプラハ動物園から、ヤマトは9月に多摩から来た個体。最近あちこちにチェコ生まれの個体が来てるけど、チェリーはその中の1頭ってことか。問題はヤマトの方。多摩から旅立った個体はぜんぶ国外に行ったらしいと聞いたのだが、何と鹿児島に現われた。鹿児島は外国なのか!


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個体のアップ写真ないの?とか言わないように。わたしが撮ったわけではないので。しかしこうして見るとコツメって小さいよね。普段どんだけ無理やり拡大して喜んでるんだ自分は、って感じです。


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なかなか視線くれるね〜。多摩でもまれて人慣れしまくってるからかな。


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平川のコツメ放飼場、ジロウ老師がいた頃は草ぼうぼうで、大河ドラマの龍馬伝に出てくる高知市内みたい(よくわかんないたとえ)だったんだけど、だいぶすっきりした?


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ジロウ老師が住んでいた古いおうちをもらって若夫婦が新しい生活を始めました、的な。


ジロウ老師の存命だった頃の様子を見てみよう。

Das Otterhaus 【カワウソ舎】 | 鹿児島カワウソ・ジロウ老師
Das Otterhaus 【カワウソ舎】 | 鹿児島カワウソ・ジロウ老師2

ん〜?あんまり変わってないのかな。


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ま、若いおふたりには日本最南端カワウソとしてがんばっていただきたい。ジロウ老師がきみたちを見守っているよ。


最後にマネージャーからのおやつ情報。

13:10頃、バナナ(!)のおやつ♪
15:10頃、シシャモとワカサギのおやつ♪

なんとまあバナナw
でもバナナ食べてるのはヤマトだけだそうです。まあ多摩の子はいろんなもの食べてるからね。

鹿児島カワウソ・ジロウ老師2

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鹿児島市平川動物公園のコツメカワウソ、ジロウの様子をもうちょっと見てみましょう。

この時期の九州南部は、気候的にはほとんど東南アジアです。つまりコツメカワウソの生息地と同じような温度湿度なので、ジロウ老師も調子がいいのかもしれません・・・と思ったけど老師はイギリスからいらしたのでした。いや、でもたとえばマレーシアあたりの生まれでイギリス経由で来た、ということだって考えられるので、何とも言えんなあ。いずれにせよ遺伝子に刻まれた最適気候ってのはあると思うし、少なくとも「見た目」的には、こんな高温多湿な感じは実にコツメに合ってる気はします。


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いろんな動物園を見せてもらっていてよく思うのですが、熱帯の植生を再現した温室がありますよね。普通は鳥や昆虫なんかが放し飼い状態になってるやつ。あそこでコツメカワウソを展示したらいいだろうなあ、ということ。ユーラシアならいざ知らず、コツメはほどほどの大きさの鳥であれば、捕って食べたりはしないだろうから共生の点では問題はなさそう。匂いとカワウソの破壊行動wに対する対処を考えれば何とかなるはず。

あ、人間が噛まれないようにもしないといけないのか。そっちの方がめんどくさいなあ。だからやってないのだな。


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しかし、熱帯の植生=コツメと短絡的に考えてはいかんですね。カワウソの本を読んでると、コツメの生息環境って、マングローブ林や水田、って書いてあるんだよね。水田にいるっていうところが何とも想像しにくいのだけど。いずれにせよ、一度この目で野生のコツメの姿を見てからでないと、うかつなことは言えない。


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ずっと見ていても、老師はちっとも泳ぎません。キーパーさんに聞いたら暑いと泳ぐ、とのことです。しかし、どしゃ降りの雨の中でも平気で動き回っておりました(泳がないのにこのずぶ濡れ状態)。でも毛皮がしっかりと水をはじいています。このサボテン状態は、まだまだ元気な現役カワウソのあかしです。


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ときどき寝室に帰りたそうにしてましたけどね。


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老師は右手の指が一本、途中から欠損しておられます。コツメは好奇心に駆られてあちこち手を突っ込んだりするので、指先のケガは結構あるんだろうなあ。


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派手にコケたようにも見えますが、そうではなくて伸びをしていらっしゃるところです。


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目は落ちくぼんでいますが、なかなか整ったいいお顔。鼻が横長でシャープな印象。


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夕方近くになって、ついに泳ぐところを見ることができました!

気持ちよさそうというよりは、ちょっとめんどくさそうな感じでした。表面をプカプカしていただけですが、それでもやはりカワウソの泳ぐ姿はいいものです。


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かなりひんぱんに水を飲んでおられました。その割に出す頻度はそれほど高くなかったので、ちょっと心配ではあります。


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お、ファイティングポーズみたいですね。いい表情してくれました。なかなか精悍な面構えですよ老師!

・・・・・・

どのカワウソも、必ず何かしら魅力を持ってるもんです。最近、それを引き出すのがますます面白くなってきました。

おやすみ前にこの一冊・・・
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東京書籍刊『カワウソ』をお買い上げくださいましてありがとうございます。おかげさまで何と4刷!

「カワウソなび」の最新情報はこちらをどうぞ↓


Where captive otters live in Japan.

 Otter holding facilities in Japan

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Junichi SATO

self portrait

[佐藤淳一]1963年生まれ。土木構造物と動物という、かけ離れた領域を行き来するあまり類を見ない写真作家。上の写真はベルリン地下鉄の駅の壁に貼ってあった「ハンケンスビュッテルかわうそセンター」のポスターを撮ったもの(2005年)。意図せず自分も写り込んでしまったので、公式セルフポートレートに認定。光学的にカワウソと一体化しています。

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カワウソ本とカワウソグッズの密林セレクトショップ♪

かわうそ店長、とってもハマります。すでに9巻まで出てるよ。

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世界13種のカワウソが網羅されているすばらしい入門書が出ました。写真もいっぱい!

Otters of the World
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フィギュアはシュライヒが造りがいいですね(なぜか最近すごい値段になってる!)。
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かわうそ3きょうだい そらをゆく (にじいろえほん)
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かわうそ3きょうだいのふゆのあさ (えほんひろば)
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空がレースにみえるとき (ほるぷ海外秀作絵本)
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ぼく、およげないの
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ニホンカワウソ―絶滅に学ぶ保全生物学
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Otter (Animal)
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Otters: Ecology, Behaviour And Conservation (Oxford Biology)
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カワウソと暮らす (富山房百科文庫 (34))
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The Ring of Bright Water Trilogy: Ring of Bright Water, The Rocks Remain, Raven Seek Thy Brother
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椋鳩十全集〈20〉カワウソの海
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ガンバとカワウソの冒険 (岩波少年文庫)
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河合雅雄の動物記〈2〉カワウソ流氷の旅
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・・・
わたしの本も、ついでにいかがでしょう?


カワウソ

おそらく日本初の、カワウソだけ写真集


ドボク・サミット
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みんなで作ったドボク本



恋する水門―FLOODGATES

一家に一冊!世界初の水門写真集


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